伸びている訪問看護ステーションが実践していること ~採用・定着編~
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今回は”伸びている”訪問看護ステーションの「採用・定着編」をお伝えします。
こちらの「集客編」も合わせてお読みください。
伸びている訪問看護ステーションが実践していること ~集客編~
事業所数は年々増加していますが、
赤字廃業も多い訪問看護はよくご相談をいただきます。
「訪問看護だけ赤字なんです」
「苦労して採用した看護師がすぐ辞めてしまって・・・」
「看護師は全然訪問しないで座ったままなんです」
「専門性の高い話をされると何も言えなくて・・・」
「はじめたことを後悔しています」
このように、「人」に関する話が尽きません。
看護師の採用と定着は事業者にとって頭を抱える課題になっています。
では、好調企業、事業所は何をしているのか?
事例から学びましょう。
理想的な管理者とは
「管理者次第だよ」
訪問看護のことを他事業者に聞くと
最も多い返答がこの言葉だと思います。
事業の成否は99%トップで決まると言われますが
規模が拡大している、売上・利益が増えている事業所には優れた管理者がいます。
間違っていただきたくないのは、
「優れた管理者」、つまり「結果が出せる管理者」は経験と=(イコール)ではありません。
経験上、育てていく方が良い結果になることも珍しくないのです。
管理経験の乏しい看護師を優れた管理者へ育てるには
候補者の選定、誰に任せるか見極めることから始めましょう。
選定のポイントは3つ
①経営者やスタッフ、外部と柔軟にコミュニケーションがとれる
②新しいことへ前向きに取り組める
③数字(経営)に興味がある
③を持ち合わせている専門職は少ないため、①②を主に判断します。
また、指示・指導への素直な態度や実行力もあれば尚良しです。
ここでG社の事例をお伝えします。
ベテランが管理者を務めていた4年間は赤字だったステーションが
管理職未経験の20代の若手を管理者へ抜擢したことで急激な成長を遂げました。
具体的には、2019年の売上2,9000万に対し、2022年は売上1.5億へと5倍増です。
変更後の管理者は前向きな姿勢でスタッフ、社長と積極的にコミュニケーションを取り
課題だった営業をしながら依頼を断らない方針で紹介先からの信頼を獲得しました。
その行動力と結果に自然とスタッフも付いてきたのです。
看護師採用に欠かせないこと
近年の看護師の有効求人倍率は2.0倍以上です。
看護師の求人数は求職者数を大きく上回る状況が続いており、人手不足が深刻であることが分かります。
そして他社に負けじと好条件の求人情報が並ぶ中、自社を選んでもらわなければいけません。
G社は採用も順調です。
2019年に3.5人だった看護師は現在36名へと10倍になっています。
応募数が非常に多い中で採用率10%と人材を見極めて採用しています。
そこには徹底したルールがあります。
・経営者は面接に同席しない
・できる限り、訪問未経験者を採用
・管理者が指導できる、と思える人材を採用する
・面接者が「しっくりこない」「何か引っかかる」感覚がある時は採用しない
このルールを貫くことで自社に合う人材を採用してきました。
そして働く環境も整備しています。
・キャリアパスの明確化
・資格取得制度導入
・早期育成への教育育成プラン作成
・給与UPの実現
様々な取り組みにより離職率5.7%と人材が定着する環境になっています。
これから訪問看護を始めたい、さらに伸ばしたいと思っている方には
好調な事業所の採用・定着への取り組みが参考になるでしょう。
事業の成長には看護師の採用・定着が欠かせません。
本コラムが少しでも皆様のお役に立てておりましたら幸いです。
最後に、
今回ご紹介したG社様に特別講演をいただくセミナーをご案内させていただきます。
4年間の赤字から2019年には「もう撤退しようか・・・」と閉鎖寸前だった訪問看護が
現在は36名の看護師により年間4億以上の売上へと急成長しています。
本文で一部の取り組みをご紹介しておりますが、是非、当時の苦しい状況から現状、詳細な取り組みや数値状況などお話を聞いていただきたいと思います。
3月13日に東京、4月21日に大阪と現地開催のみとなります。
ここでしか得られない貴重な情報ですので、「訪問看護」に関わる経営者様は是非ご参加ください。
地域一番訪問看護ステーションのつくり方

【開催】2025年3月13日(木)
【場所】船井総研グループ 東京本社 サステナグローススクエア TOKYO
JR「東京」駅 地下直結(八重洲地下街経由)、東京メトロ丸の内線「東京」駅 地下直結(八重洲地下街経由)
【時間】14:30-17:30(受付:開始30分前~)
【ゲスト講演】株式会社グリッド 代表取締役 石田敬子様
この記事を書いたコンサルタント

久積 史弥
医療・介護業界に精通したコンサルタント。理学療法士資格を保有し、病院勤務、在宅介護現場での経験に加え、管理職として組織マネジメントも経験。船井総研にて、新規事業の推進、事業の最短軌道化を専門とし、実績とデータに基づいたコンサルティングを提供。クライアントの状況を的確に把握し、目標達成に必要な要素をシンプルに整えることで成果を創出します。