2024 年のナーシングホーム業界の動向・市場について
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これまでのサービス付高齢者向け住宅(以下、サ高住)、住宅型有料老人ホーム(以下、老人ホーム)では、入居者の状態が重度化すると退去または病院へ入院することが一般的でした。
しかしながら、近年では看取りニーズの高まりにより“最期まで過ごせる施設”として「ナーシングホーム」が全国的に増えています。
※ナーシングホームとは、サ高住や老人ホームに看護サービスが付加された医療ケアのできる施設と船井総研では定義しています。
ナーシングホーム業界では「看取り」「終末期ケア」を掲げた施設運営中心の企業がスタンダード市場への上場を果たすなど、
株式市場においても高い評価を得ており今話題の施設モデルといえます。
本コラムでは施設モデルの動向やナーシングホーム業界についてお伝えします。
施設業界の現状
介護老人保健施設やグループホームなど、高齢者の入居施設は数多く存在します。その中でも 2010 年代に最も増えたのはサ高住と老人ホームです。
国土交通省が 2019 年に発表した資料によると、サ高住の入居率は平均89%と高い入居率となっていることも施設ニーズがいかに高いのかご理解いただけると思います。
病院から在宅への流れ
報道でもよく目にしますが、膨れ上がった医療費削減の一環として国の制度は病床数の削減・入院日数の短縮へ動いています。具体的には 2025 年にかけて病床数を 20 万床削減し「病院から在宅へ」の流れをつくってきました。
そのため、病院で治療を終えた患者でも、特に重度であれば自宅に帰れないことが社会的な課題になっています。
重度化対応とナーシングホームの存在
例えば癌末期で終末期ケアを必要としている方に対して看護師が24時間対応するなど一般的な施設ではできない手厚いサービスが提供されています。
医師との連携も行い、自宅では過ごせない方が安心して最期まで過ごせる施設として問合せが殺到しています。
ナーシングホームの収益
介護サービスに加え、医療保険の適応者に対しては医療保険報酬を算定することができます。そのため、「居住費+介護保険報酬+医療保険報酬」となり一般的な介護施設よりも収益性が高くなります。
サ高住や老人ホームを建てれば売上が上がる、苦労なく運営できる・・・
こうした時代は確実に終わりに近づいています。
今後は益々看取りや緩和ケアを提供する施設が選ばれていきます。
ナーシングホームとは時代に応じた施設モデルであり、高い収益性を期待できることを是非覚えていただければと思います。
ナーシングホームに関する時流予測レポートも公開させていただいております。
是非、今後の施設経営へとご活用ください。
【視察ツアー】週休3日制ナーシングホーム2024
◆日程
2024年11月10日(日)13:00-17:00
◆場所
茨城県水戸市(東京駅から特急で約85分)
講座会場:BIZcomfort水戸(JR水戸駅直結1分)
視察先:ナーシングホームとうはら、ナーシングホームほしぞら
※移動は参加者全員で行います。
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この記事を書いたコンサルタント
久積 史弥
理学療法士として病院、介護会社の責任者を経験した後に船井総合研究所に入社。前職では訪問看護事業の営業、看護師・理学療法士など約30名のマネジメントに従事、高収益事業として組織を牽引した実績を持つ。 現在は、介護・医療・保険外と幅広い領域でコンサルティングを行う。新規事業の立ち上げの経験が豊富であり、資格者採用・育成による組織活性化、営業による顧客獲得を得意とし、事業推進の手腕に定評がある。