光熱費や食材の高騰が続いている中、全国のサ高住や老人ホームが値上げを実施あるいは検討をしているかと思います。
利益が増えているわけではありませんが、入居者負担が増えることによる影響や収益面など心配はつきないと思います。
今回はサ高住・老人ホームが無理なくできる売上・利益UPの方法をお伝えします。
ご紹介する施設では、取り組みの結果、年間5,000万円の売上UPを実現しました。
(利益もしっかり出ています)
平均介護度1.3の施設が成功した方法ですので、多くの施設が取り組めるチャンスのある方法です。
「健康管理」を介護保険で行う
入居者の健康管理を介護保険で算定できるのは『訪問看護』による看護サービスです。
健康管理とは何を指すのか、看護師が行うことは何かについてはコチラをご覧ください。
【訪問看護による健康管理】
・バイタル測定(血圧、体温、脈拍、酸素飽和度)
・病状の観察
・栄養状態・脱水の有無確認、指導
・内服薬の確認
・生活指導
・健康相談
・介護予防相談(運動も含め)
実は今すぐにでも算定できそうな内容がほとんどです。
しかしながら、多くの施設では無償で看護師が対応、または往診医がこの役割を担っています。
自前で訪問看護を持つ必要がありますが、次に、ある施設の取り組み事例をお伝えします。
看護師3.5人で売上5,000万円を達成
ここでは事例となるサ高住Tについてお伝えします。
東北にあるサ高住Tは、開設当時から入居者の介護度が低く、
保険サービスの利用も進まない状態に頭を悩ませていました。
看護師もサ高住勤務であり無償サービスが中心のよくある形でした。
「どうにかしないと・・・」そのような思いがある中、
船井総研の勉強会で訪問看護×施設の事例を知りました。
そして、まず始めたのが訪問看護による健康管理です。
①元々行っていたサービスだったため、有償化しやすかったこと、
②重度者が少なくても健康管理なら導入できる、
この2点によって始めたことですが、思った以上に効果的でした。
効果の一つが稼働率の改善です。
以前は少なくとも毎月1件の緊急搬送・入院が発生していたのですが、
看護サービスの導入が増えた後は緊急搬送後の入院が年間1名へと激減、
稼働率が常時100%になっています。
2つ目の効果は、医療保険の適応となる疾患や看取り者が増えたことです。
他社に依頼していた、あるいは退去していた方が今では入居し続けることができますし、
売上・利益も純増しました。
現在では入居者へ満足してもらうサービスを提供しながら、2つ目の効果は、医療保険の適応となる疾患や看取り者が増えたことです。
他社に依頼していた、あるいは退去していた方が今では入居し続けることができますし、
売上・利益も純増しました。
3.5人の日中訪問だけで年間売上5,000万円を達成するなど業績好調です。
【コンサルタントの視点】
入居者の介護度が低い場合、介護保険の利用は伸びにくくなります。
そこに、介護と異なる看護というサービスを入れたことで
必要な内容で無理なく利用率を高めることができます。
また、施設へ入所される方は、自立度が高くとも将来の生活や身体面に不安を抱えています。
看護サービスを付加することが入居への安心感を与え、
事業者側は状態変化によってサービス導入が確実に増えるため、
自然に売上・利益を増やせるといった双方に良い結果になります。
介護保険の利用を無理なく増やしたい、医療保険収入も得ていきたい、
そのような方にお勧めの方法です。
▼ご紹介したサ高住Tを運営する社長の講演を聴きたい方は是非こちらへご参加ください。▼
【視察ツアー】週休3日制ナーシングホーム2024
◆日程
2024年11月10日(日)13:00-17:00
◆場所
茨城県水戸市(東京駅から特急で約85分)
講座会場:BIZcomfort水戸(JR水戸駅直結1分)
視察先:ナーシングホームとうはら、ナーシングホームほしぞら
※移動は参加者全員で行います。
この記事を書いたコンサルタント
久積 史弥
理学療法士として病院、介護会社の責任者を経験した後に船井総合研究所に入社。前職では訪問看護事業の営業、看護師・理学療法士など約30名のマネジメントに従事、高収益事業として組織を牽引した実績を持つ。 現在は、介護・医療・保険外と幅広い領域でコンサルティングを行う。新規事業の立ち上げの経験が豊富であり、資格者採用・育成による組織活性化、営業による顧客獲得を得意とし、事業推進の手腕に定評がある。