「失敗事例はありますか?」
普段は出来るだけ前向きなイメージを持っていただけるように、
役立つ情報をと思い成功事例を中心にお伝えしています。
そんな中、時折聞かれるのが失敗についてです。
「失敗」の定義が難しいですが、
今回は介護施設(サ高住・有料老人ホーム)に絞り、
「医療対応を強みとしたナーシングホームへモデルチェンジを試みたが失敗した」という話を基に事例と対策をお伝えします。
失敗の理由は共通している!?
船井総研は事例を大事にします。
より多くの事例を求めて数多の企業、施設へインタビューをさせていただきます。
そして”ルール化”をしていきます。
ナーシングホーム転換も同じく、
インタビューを通してわかったことは、失敗した施設にはある共通点がありました。
こちらは失敗理由を羅列したものです。
●入居率が低いまたはターゲット外の入居者を安易に受け入れてしまう
●重度対応者または医療対応が必要な相談を断ってしまう
●指示書を書いてくれる医師をみつけられない(関係構築ができなかった)
●全ベッド数の内、ナーシングホームとして機能させているベッド数が少なすぎる(5室以下)
●看護師への指導が全くできず、看護師任せで好きなようにさせた
●対応についての外部(病院)連携をあまりとらなかった
●営業力がなく、入居対象としていた患者紹介を得られなかった
●収益を目的とした話を多くし過ぎて資格者から嫌がられてしまった
●病院勤務経験者が多い看護師に対して、病院と施設(医療と介護)の業界や環境の違いを理解させることができなかった
失敗理由を大きく3つに分類します。
❶集客
❷医療対応
❸業界や事業への理解
そして、一つずつ深堀り、課題と対策を考えます。
❶集客
鍵は「医療」のため、集客対象が居宅<病院になります。
これまでの営業先とは異なる新規開拓になること、苦手意識が強いため待ちの姿勢になっていることから対象者を紹介していただけないケースが多いのです。
異業種からナーシングホームを始めて成功している企業が多い理由の一つに「営業力」が挙げられます。特に営業力のある会社は営業に必要な「数」を重ね知識を身に着けたり案内ツールを整備するなどして「質」を高めています。
❷医療対応
医師や病院など外部連携を積極的にしなければいけません。消極的な姿勢では紹介先からは「あの施設は本当に大丈夫か?」となってしまうものです。
医師から看護の指示書が出ないというのは医師から信用を得られていない証拠です。
看護の体制や報連相の頻度・内容を改善するなど内部体制の強化が必要です。
❸業界や事業への理解度
看護師の採用では病院経験が長い方が多い傾向にあります。
伸び伸びと働いもらうことは大切ですが、「言われるがままに好きにさせる」のではうまくいきません。
採用の時点で病院と介護施設の違いを説明し、入社前後でも研修を行うなどマインドセットが重要です。
病院にいた時は待っていても患者が来ますし、売上の伸ばし方も異なります。全員に理解してもらう必要はありませんが、少なくとも管理者クラスは収益性も考えられるように育てないといけません。
ある一部の事例ですが、「失敗事例」についてお伝えしました。
個人的には「失敗」の先には「成功」があると思っていますし、
少しでも参考になれば幸いです。
最後に、【視察ツアー】週休3日制ナーシングホーム2024
のお知らせです。
成功しているナーシングホームを2棟を実際に視察するセミナーです。
責任者・看護の管理者も同席してくれますのでシフトやルート等細かい運営ノウハウや算定のポイントなども学ぶことができます。
水戸市で開催のため東京駅から約85分と時間はかかりますが、ここでしか得られない体験ですので是非ご参加ください。
この1回限りの特別な機会は11月10日(日)13時~です。
【成功事例を現地視察】週休3日制ナーシングホーム2024
週休3日制という業界でも珍しいナーシングホームを視察できる貴重な機会です。
また、介護中心の施設から年単位でナーシングホームへ転換し、大成功を収めている秘訣についても学べます。
【開催日】
2024年11月10日(日)
【開催時間】
13:00~17:00
【開催場所】
講演:JR水戸駅直結徒歩1分(BIZcomfort水戸)
視察:ナーシングホームとうはら・ほしぞら
※参加者全員バスで移動します。(約15分
※視察後、講演会場に戻った後に終了となります。
詳細は申し込みページをご覧ください。
この記事を書いたコンサルタント
久積 史弥
理学療法士として病院、介護会社の責任者を経験した後に船井総合研究所に入社。前職では訪問看護事業の営業、看護師・理学療法士など約30名のマネジメントに従事、高収益事業として組織を牽引した実績を持つ。 現在は、介護・医療・保険外と幅広い領域でコンサルティングを行う。新規事業の立ち上げの経験が豊富であり、資格者採用・育成による組織活性化、営業による顧客獲得を得意とし、事業推進の手腕に定評がある。