先日、東京駅から新幹線で約2時間の仙台市に行って来ました。
目的は仙台市の大人気ナーシングホーム視察です。
部屋数は52室ですが、視察日で待機者が33名と
全国的にも驚きの施設です。
こちらのナーシングホームの特徴は、
「自立支援」~「看取り」まで幅広く対応していることです。
最近、雑誌やメディアでも取り上げられるなど
注目度が高く、新規参入が多いナーシングホームですが、
多くの施設では「重度」「看取り」をキーワードに
介護度が高い方の入居が多いものです。
しかしながら、こちらでは要支援者の「自立支援」段階から
携わっている珍しいナーシングホームでした。
入居率42%の不人気施設が待機者続出の人気施設に成長した理由
2015年の開設初年度は入居率42%と散々たる結果でした。
「このままではまずい・・・」
そう思い、まず力を入れたのは職員への理念浸透です。
当時はスタッフ同士の仲が悪く、退職者も続出、
施設見学者が来ても「冷たい」とアンケートに書かれる程課題の多い状況だったのです。
そこで、代表自ら様々な良い施設を見学し、
得た学びから施設の理念、方針を社員へ伝えていきました。
少しずつ変化が現れ、
スタッフの入退社が止まると同時に施設の入居率も上がりました。
(今年度はスタッフの退職ゼロ、スタッフも働きやすい施設になっています。)
入居が埋まってくると、次の課題に直面しました。
それは、入居当時元気だった高齢者が、介護度が高くなった時に
対応できない、最期を迎えられる施設になっていなかったことです。
訪問看護が担う「自立支援」と「看取り」
入居者数を増やすことを優先していたため、
要支援など介護度が低い方も入居していたのですが、
高齢者ですから突然の状態変化や加齢に伴う機能低下など
介護だけでは難しい場面が増えました。
そして立ち上げたのが訪問看護です。
ポイントになる入居者への導入は、看護師が定期的に健康相談を受けることでニーズを確認しています。
訪問看護には介護予防訪問看護というのもあり、
要支援の方でも利用は可能です。
しかし、要支援の方では「看護は不要です」と言われないか質問すると、
「例えば血圧や心臓に不安がある方は多いですが、
看護師が聴診器で確認、バイタル測定するだけでも安心されるんですよ」
とのことで導入ができるとの回答でした。
入居期間が長い方、そして最近では入居相談でも重度者が増えています。
訪問看護があるお陰で看取りもできますし、
医療保険算定も増えていて収益も伸びていますが
24時間体制は取っていません。
それでも救急搬送による入院は訪問看護導入前の1/10に減っています。
【視察のまとめ】
視察をさせていただき、
満室をキープし続けることができる体制が整っていることを感じました。
施設における訪問看護の役割は大きく、
収益性が今後更に伸びていくだろうと思いました。
「今の施設をナーシングホームへモデルチェンジしたい」
「これからナーシングホームをはじめてみたい」
そのような方は是非参考にしてみてください。
【視察ツアー】週休3日制ナーシングホーム2024
◆日程
2024年11月10日(日)13:00-17:00
◆場所
茨城県水戸市(東京駅から特急で約85分)
講座会場:BIZcomfort水戸(JR水戸駅直結1分)
視察先:ナーシングホームとうはら、ナーシングホームほしぞら
※移動は参加者全員で行います。
この記事を書いたコンサルタント
久積 史弥
理学療法士として病院、介護会社の責任者を経験した後に船井総合研究所に入社。前職では訪問看護事業の営業、看護師・理学療法士など約30名のマネジメントに従事、高収益事業として組織を牽引した実績を持つ。 現在は、介護・医療・保険外と幅広い領域でコンサルティングを行う。新規事業の立ち上げの経験が豊富であり、資格者採用・育成による組織活性化、営業による顧客獲得を得意とし、事業推進の手腕に定評がある。