日本の介護

2019年7月29日配信

カテゴリ:
小規模多機能

皆様、こんにちは。最近は月半分の時間を中国で過ごしており、中国の介護、在中日系の介護、日中介護連携について徐々に深堀しているところです。

皆さんご存知な通り、近年、中国の介護関係者が欧米ではなく、再び日本の介護に注目しております。
その背景には数年前からアメリカの介護モデルCCRCなどの大型介護モデルを模倣した結果、ほとんどの介護施設の入居者が43%を下回る状況で、連年が赤字が続いており、特にCCRCモデルは悲惨な状況です。
CCRCは当時中国政府が推進したモデルであって、土地の優遇や多額な補助金が下りていましたので、CCRC型から介護参入したデベロッパーや保険会社、国有会社などの大手企業は多い。しかし予想外に入居率が低く、さらにハードのメンテナンス(中国の建物の老朽化スピードは日本の二倍以上速いです)、人件費、広告費などの運営コストが重なり、資金回収すらできないまま、母体となる親会社が赤字運営の穴を埋めてきました。

なので、今年の頭頃から注目されるモデルが変わりました。それが日本の小規模多機能モデルです。
小規模多機能モデルが中国される理由として、低い初期投資と対応できる顧客層の多さがあります。
更にもう一つ、中国の情勢にマッチしている点です。中国の介護業界には政府が定めたには上海は“9073”北京は“9064”といった数値があります。90%が居宅介護サービス、7%または6%が社区で介護サービス、3%または4%が介護施設でサービスを受けるといった国家戦略です。

“社区”とは日本で言う団地のようなものです。社区ごとに政府の拠点“居委会”があり、複数の社区が集まるストレートを“街道”が管轄し、その上に“区・県”があり、さらにその上が“市”があります。ちなみに、上海市には19の区・県、99の街道、3400の居委会が存在します。

中国の一線都市といわれる北京、上海、広州などの大都市ではすでに需要都供給のバランスが崩れており、施設の方が多くあまっており、赤字の状態。そこで、9073・9064の部分の7と6の部分に注目が集まっています。先ほども述べたように社区での介護サービスモデルとして、日本の小規模多機能モデルが注目されているのです。7・6は社区で提供するサービスで政府の管轄になりますが、政府が民間の非営利企業に運営を委託しているケースが多い。非営利とはいえ、利益を出さないと運営が成り立たないでの

で、多少の利益を生み出すことは許可されています。しかし、利益率は上がりません。なので、例えば上海での場合、日本のモデルを参考に、現地にローカライズされたモデルを造り上げ、早いスピードで店舗展開できるかが中国企業の新しい需要になっています。例えば上海に場合、3400ある社区のマーケットをいかに品質を保ちながらシェアを取れるかがポイントです。

◆介護サービス経営研究会

詳細・お申し込みはこちら ≫

この記事を書いたコンサルタント

沓澤 翔太

デイサービス、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの新規開設、収支改善、異業種からの介護事業への新規参入支援などを手がける。現在は、主としてデイサービスや有料老人ホームの利用者獲得や新規開設を中心にコンサルティングを行っている。 介護事業のコンサルティングの他、療養病床の転換や訪問診療など、医療業界のコンサルティングや、医療器具の販売促進についても実績を持つ。

介護・福祉経営 無料メールマガジン

現場で活躍するコンサルタントが、業界で成功するポイントや課題解決に向けた新たな切り口をご提供! 船井総研の介護・福祉経営コンサルタントが無料でお届けする、現場の最新情報・ノウハウがギュッとつまった無料メールマガジン「介護・障がい福祉ビジネス通信」。
これからの時代に生き残っていくために、「地域一番」となるためのヒントや、介護・福祉経営コンサルティングチームのご支援先の成功事例レポート、勉強会やセミナーのご案内など、盛りだくさんの内容でお届けしています。ぜひご登録ください。

無料経営相談のお問い合わせ
contact us

WEBからのお問い合わせ

お問い合わせフォームはこちら

お電話でのお問い合わせ

0120-958-270 (受付時間 平日9:00~18:00)0120-958-270 (受付時間 平日9:00~18:00)

介護・福祉経営.comを見たとお伝えください。

ページのトップへ戻る