2018年報酬改定重点施策:「医療と介護の連携」の在り方・加算を再点検
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今回の診療報酬・介護報酬改定を両方から見てみると、「医療と介護の連携」をさらに加速させたい国の強いメッセージを感じます。そのため、これからはさらに、ケアマネジャーの活躍が重要になっていきます。
例えば、介護報酬では、「入院時情報連携加算」でスピーディな情報提供が評価されました。今まで、入院時情報連携加算(Ⅰ)では、入院後7日以内に医療機関を訪問して情報提供を行うことになっていましたが、改定後は、情報提供方法は問われず、入院後3日以内の情報提供が評価されるようになりました。また、入院時情報連携加算(Ⅱ)では、今まで入院後7日以内に訪問以外の方法で情報提供をすることとされていましたが、改定後は、情報提供方法は問われず入院後7日以内に情報を提供することが評価されます。単位数は(Ⅰ)・(Ⅱ)ともに変化はありませんが、この3日、7日には大きな意味があります。
というのも、病院側で取れる加算も入院後3日以内または7日以内に患者さんの状況を把握することが求められているからです。
また、「退院・退所加算」も同様です。今回の改定で、「退院・退所加算」は、連携1回・カンファレンス参加無が300単位から450単位へ、連携1回・カンファレンス参加有が300単位から600単位へ、連携2回・カンファレンス参加有が600単位から750単位へと評価が引き上げられました。
これに対して、病院側で取れる加算においても、ケアマネジャーが病院に赴くことがポイントのひとつとなっています。
今回の報酬改定では、必要な連携を徹底することで、①利用者へ質の高いサービスを提供する、②収益を増やす、③病院と良好な連携体制を構築するといったメリットがあります。
是非一度、このタイミングで加算の算定状況をご確認ください。
この記事を書いたコンサルタント
沓澤 翔太
デイサービス、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの新規開設、収支改善、異業種からの介護事業への新規参入支援などを手がける。現在は、主としてデイサービスや有料老人ホームの利用者獲得や新規開設を中心にコンサルティングを行っている。 介護事業のコンサルティングの他、療養病床の転換や訪問診療など、医療業界のコンサルティングや、医療器具の販売促進についても実績を持つ。