タイムカードの置き場所は離職率を左右する
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こんにちは、施設介護チームの沓澤 翔太です。
採用でお困りの介護会社は多くありますが、新規開設以外の人材不足は退職に伴う充足採用ですから、採用だけでなく、離職対策への感度を上げていかなくてはなりません。離職率を下げていくことは、無駄なコストの削減になりますから、経営効率化に直結しています。介護報酬の適正化が行われていくであろう今後の介護業界では必須のテーマです。
離職率の高い組織や、慢性的に人材不足に悩んでいる組織は、施設長の多くが「退職願いが出るまで、退職の予兆はつかめなかった」と仰います。毎日同じ空間で働いているわけですから、退職の予兆がつかめないというのは、施設長の現場やスタッフをマネジメントしていくことへの感度や関心が低いと言えます。
対策として、まずは勤怠打刻用タイムカードの置き場所を変えていただくのが良いと思います。
事務所内、施設長とアイコンタクトやふつうの声の大きさで会話ができる位置に、勤怠打刻用のタイムカードを設置してください。そうすることで、最低でも出勤時と退勤時の2回はスタッフの表情を見たり、会話をする機会をつくることができます。
その環境のなかで、施設長は、毎日「おはようございます」と仕事の手を止めてアイコンタクトをして笑顔で挨拶をすること、スタッフ1人1人の「いつもと違う」に早く気づき「何かあった?大丈夫?」と声をかけること、退勤時には明日も気持ち良く出勤してもらえるように「ありがとうございました」とアイコンタクトを取って笑顔で声をかけること。このたった5秒でできる仕事の徹底をしてください。施設長の毎日の地道な振る舞いを見て、スタッフたちは上司を信用するかどうか、長く働きたいかどうかを決めています。
普段はスタッフと話もせず、ぶしつけな態度で事務所にこもり、話しかけるときは注意や指導だけなのに、いざ辞めるとなったら急にご機嫌取りや会話の頻度が上がるようなマネジメントや、好き嫌いが顕著で特定のスタッフとしか会話をしないような施設長に誰がついていきたいでしょうか。
人材が定着しない組織には、定着しない理由が必ずあります。その理由のなかには「施設長が信頼できない」という要素が入っていることが多いのです。
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この記事を書いたコンサルタント
沓澤 翔太
デイサービス、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの新規開設、収支改善、異業種からの介護事業への新規参入支援などを手がける。現在は、主としてデイサービスや有料老人ホームの利用者獲得や新規開設を中心にコンサルティングを行っている。 介護事業のコンサルティングの他、療養病床の転換や訪問診療など、医療業界のコンサルティングや、医療器具の販売促進についても実績を持つ。