デイサービス経営の実態
新型コロナが5類に移行してはや1年が経とうとしてます。
介護事業の倒産件数が過去最多だった2022年。デイサービス業界が受けたダメージは大きく、厚生労働省が2023年に公表した介護事業経営実態調査によると、2022年の通所介護の利益率は平均して1.5%です。
厚生労働省2023『令和5年度介護事業経営実態調査結果』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jittai23/dl/r05_kekka.pdf
現場にある業績回復のきざし
しかしながらデイサービスの現場では、2023年・2024年と利用者も戻り始め、回復のきざしが強まっています。実際に2023年中に業績アップを実現し、利益率が20%まで復調した事例や、稼働率が90%まで向上して過去最高益を実現した事例が現れ始めました。
失った売上を取り戻した事業所は何を実行したのか?
デイサービスの稼働率を上げるための3大アクションは
1.ケアマネジャーから選ばれるデイサービスになり新規利用者を増やす
2.「また行きたい!」と思えるサービスを提供して利用者の利用頻度を増やす
3.利用予定だった利用者がキャンセルした際に振替提案するなど欠員対策をする
この3つ以外のアクションは、遠回りの営業活動になることが多いです。
3つのアクションの中で、特に重要になるのは利用者の母数自体を増やす「①デイサービスの利用者を増やす」ための活動になります。
再起のために必要な
具体的なアクションステップは次の通りです。
1.職員を巻き込む会議の実施
2.ご紹介いただいているケアマネジャーからの信頼を高める
3.新規の居宅に優先順位をつけて訪問。広報活動の効率を最大化する
4.体験時の正しい受け入れ方法を共有する
5.目標数値を決めてロスト管理・案件管理を徹底する
各アクションの急所
各アクションの急所をいくつか挙げると
①職員を巻き込む会議の実施
いまの会議で職員のマインドは変わっておりますでしょうか?経営者だけが危機感を持つのではなくスタッフに協力を呼びかけましょう。
・月1回の定期的なミーティングを設けて「稼働率を上げていくことに、協力してほしい旨」をはっきりと伝える。
・営業に行けるよう、日程をあらかじめ設定する(シフトに計画を組み込んでおく)。
③新規の居宅に優先順位をつけて訪問。広報活動の効率を最大化する
単純な相性だけではなく次の客観的な評価をする。
・自施設と競合するデイサービスを運営しているか?
・紹介先の比率として特定のデイサービスに60%以上ご紹介しているか?
また訪問時のトーク内容は地域連携の意識を持ち、1回こっきりで売り切るような営業ではなく、継続してお会いし相手のお困りごとや自施設がどのように貢献できるのか知ってもらえるように心がけます。まずは3か月連続でお会いする場合を想定して3回それぞれ何を話すのかをストーリー立てて決めましょう。
デイサービスの稼働率を上げるため、ポイントを踏まえてアクションステップを進めていただければと存じます。
半日型デイサービスの業績回復を実現した成功事例として、埼玉県の悠栄コミュニケーション株式会社様にご講演いただくセミナーを開催いたしますので、お気軽にご参加下さい。
業績を上げるための
デイサービスの利用者を増やす方法大公開セミナー
この記事を書いたコンサルタント
武藤慶太郎
介護、歯科医療、人材紹介、地方創生等の業界を経てシニアライフコンサルティングチームに所属。新規事業開発の経験が豊富であることを特徴とするコンサルタントであり、現在に至るまで50社以上の公的介護・医療保険外事業(完全自費リハビリ事業・予防リハビリ総合事業等)の新規開設に携わる。マーケティング戦略に強みを持ち、中でも「Webマーケティング」においては業界問わず定評があり船井総合研究所自体のWebマーケティングも担当している。戦略立案から、具体的な広告戦略、サイト改善までWeb全般のサポートを行う。