”経営視点”を持った施設長の育成方法

2022年2月14日配信

カテゴリ:
人材採用・育成・評価 介護

みなさま、こんにちは、船井総研の鈴木です。

本日はみなさまに
経営視点を持ち、事業所の業績を上げる事ができる施設長の
育て方についてお伝えします。

◆ 施設長の育成について、介護事業経営者の声

日々コンサルティングをさせていただく中で、経営者の方から自法人の施設長についてこのような声を聞きます。

①売上、稼働率が減ったけど、施設長はあまり気にしていない..
②職員の離職が多いのに施設長に理由を聞いても把握していない‥
③施設長が誰かによって事業所の業績が変わってしまう‥
④もっとモチベーションを上げて意識を変えて欲しい‥.
⑤法人として、施設長を育てるべきなのはわかるけど方法がわからない‥

人数ボリュームが多い現場の介護職については教育カリキュラムやマニュアルの整備など、
育成環境を整えている法人も増えています。

しかし、施設長や管理者については「能力が高い人材がなるもの」であるとの認識から
育成をする為の基盤はおろか、どのような役割、業務を任せるかも明確になっていない
ケースが非常に多いです。

このような属人性の高い状態では施設長は育ちません。
施設長が育たずに退職する
➡新任施設長を現場から無理やり立てる
➡ノウハウが蓄積されていないのでまた1から覚える事になる
➡耐え切れずにまた退職してしまう
➡トップが不安定の為、職員の離職等増え業績もダウンする

というような負のループを止める為にはどのように育成体制を作ればよいのでしょうか。

◆ とある法人の新任施設長からの声

次に実際に施設長からあった悩みの声を紹介します。
この中に「どう育成するべきか」のヒントが隠れているかもしれません。

①数字の予算は与えられるがどうすれば達成できるかわからず悩む‥
②現場の職員のマネジメントに困り、相談できる相手がいない‥
③他の拠点の施設長に相談するも、各々やっていることもやり方も違う‥
④そもそも施設長業務が何か教えられておらず、今やっている事が正解かわからない‥

いかがでしょうか。
私、鈴木も以前は介護会社で施設長を担っており、着任当初に同じような悩みを抱えていたことを思い出します。

施設長は「自身で考え行動する」事が求められるポジションではありますが、
そのようなスキルを持った人材が法人内にいたり、採用できるケースは稀です。
大抵の場合は、現場のリーダーや相談員を施設長に任命するケースが多いのではないでしょうか。
施設長を一から育てられる体制を整え、属人性を排除しなければ事業所の収益化、
事業の拡大は難しいと言えます。

◆ 「施設長を育てられる体制へアップデートする」為の3つのポイント
Point①:経営者マインドをセットする
施設長がどのような役割を担うのかを明確にするために、まずは経営者が介護事業に対しどのような想いを持ち経営を行っているのかについて全施設長を集めて研修を実施します。その際に事業計画の落とし込みも実施します。マインドセットを行った上で「施設の職務分掌」を策定し、具体的にどのような仕事内容を任せるのかを明確にします。

Point②:業績予算達成の為のプロセス(KPI)を明確にする
目標の稼働率は95%!離職率は20%以下!と予算を設定しても達成の為のプロセスが明確になっていなければ施設長は達成できません。

<(例)稼働率向上の為のプロセス目標>
・前年の退居数実績から換算して、予算達成の為には月あたり3件の新規獲得が目標
・前年の見学成約率は40%の為、見学件数は8件/月必要
・問い合わせ誘導率は70%の為、案件数は12件/月必要
・案件化率は35%の為、営業面談数は36件/月必要
・面談率は60%の為、営業訪問数は60件/月必要
➡1日あたり10件訪問するとして、約6日間営業を実施する為に
 あらかじめシフトに”営業予定”と入れておく事から始める

となります。職員の離職改善についても、定着にはコミュニケーションの円滑化が必要の為、
事業所における会議の内容と回数、施設長と職員の1on1(面談)回数の目標などを設定して
行動管理を行う事が必要となります。

Point③:SV(エリアマネージャー)を配置する
上記のように施設長の職務内容、KPIを明確にしただけでは十分ではありません。
取り組みの実行管理、フィードバックをする役割の人材が必要です。
経営者が直接行うという方法もありますが、経営に専念する為には
SVを配置し、経営者と施設長の橋渡し役を任命するのが望ましいです。

「①、②で設定した内容を正しく実行できているのか」
「行動KPIが達成できていない場合は何が阻害要因なのか」
「どうしたら解決する事ができるか」

について、施設長と定期面談を行いながらアドバイスし
PDCAを円滑に回します。

・・以上の3点を徹底して行う事で、施設長の育成環境を整える事ができ
結果として事業成長のスピードを向上させる事に繋がります。

◆ 最後に

いかがでしたでしょうか。

「そうは言っても施設長を育てられる立場の人材がいない」とお悩みの経営者様に
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本研修では”1日で”施設長が
・経営者マインドを持って業務に取り組むようになること
・売上、業績の上げ方がわかること
・職員を辞めさせないマネジメントがわかること
・明日から施設長として何をすればいいかがわかること
が期待できます。

<これから施設長・管理者になる予定の次世代リーダー>から
<経験はあるけど基礎を固めたいというベテラン管理職>の方
<ノウハウを整理したい施設長を育てる立場の部長や経営者>の方

いずれの方にもオススメのWEB研修となっております。
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この記事を書いたコンサルタント

鈴木康祐

従業員数1500名規模の医療法人に新卒入社し介護部門に従事。法人史上最年少の23歳で有料老人ホームの施設長を 務める。不振施設の立て直しを得意としてマネジメント業務に携わる。離職率50%超えの施設を1年で離職率5%まで改善させる。120床規模の新規施設の入居率を半年間で100%にする等の実績が評価され、介護部門のエリアマネージャーに就任。 船井総研入社後は、介護業界に特化し【マーケティング:集客、営業・人財採用】【マネジメント:管理者育成・研修・ 人事制度・教育体制構築】など幅広いテーマで組織活性化のコンサルティングを実践。業界経験があるからこそ現場の事を理解し、 巻き込みながら 動かしていくスタイルが多くの経営者から支持を得ている。

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