押さえてますか?小規模多機能の経営指標21選
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本日は、小規模多機能の経営指標(KPI)についてお伝えします。
船井総研では、社会性と収益性の高い事業運営を目指していただくために、
以下の【収支モデル】と【経営指標】を基準値として設定しています。
収支モデル
まずは、収支モデルについてです。下記をご覧ください。
■収支モデル
・年間売上 ┃ 9,120万円(月平均売上760万円)
・年間営業利益 ┃ 1,560万円 (月平均営業利益130万円)
WAMNETの統計によると、黒字化している小規模多機能の事業所はたったの16%しかなく、ほとんどの事業所では「赤字」あるいは「収支が均衡している」状態ですので、これらの数値をご覧になり、驚かれる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
経営指標
続いて、上記の数値を達成するために、どのような経営指標を設定しているかについて解説いたします。具体的には、下記の21個の経営指標を設定し、基準値と現状とのギャップの埋め合わせを行っています。下記をご覧ください。
■売上に関する経営指標
①登録者数 ┃ 年間平均26名以上
②単価 ┃ 28.8万円以上
③平均要介護度 ┃ 2.7以上
■経費に関する経営指標
④人件費 ┃ 月420万円以内
⑤人件費率 ┃ 55%
⑥総労働時間 ┃ 1848時間
⑦常勤換算数 ┃ 11名
⑧シフト数 ┃ 7.5シフト
⑨残業時間数 ┃ 30時間以内
■新規利用者獲得に関する経営指標
⑩新規契約者数 ┃ 1件以上
⑪見学対応件数 ┃ 2件以上
⑫問い合わせ件数 ┃ 4件以上
⑬営業件数 ┃ 20件以上
⑭成約率 ┃ 5%以上
⑮解約・中止数 ┃ 年間10件未満
■運営管理に関する経営指標
⑯通いのサービス量(月)┃ 390名前後
⑰通いのサービス量(日)┃ 13名前後
⑱訪問のサービス量(月)┃ 300名前後
⑲訪問のサービス量(日)┃ 10名前後
⑳泊りのサービス量(月)┃ 150名前後
㉑泊りのサービス量(日)┃ 5名前後
ご覧いただき、いかがでしたでしょうか。
皆様の事業所毎に、
「概ね基準通りの経営指標になっていて、収支モデルもクリアしています」という方から、
「基準値と大きな開きがあり、収支モデルも赤字あるいは均衡した状態」という方、
「そもそも、指標をまったく押さえていない・・・」という方まで様々かと思います。
小規模多機能に限定されるものではありませんが、これらの経営指標を持っているかどうかによって、経営を大きく左右することは間違いありません。
例えば、赤字の事業所でこんなことがよく起きています。
「とりあえず新規登録者数を増やすために、営業に回りなさい!」
「空いている状態はダメだから、なんでもいいから、とにかく受けなさい!」
「宿泊室が空室はもったいないから、泊まりもどんどん勧めなさい!」
このようなアドバイスを経営陣から管理者に対して行った結果・・・
・登録者数は18名~20名
・平均要介護度は2.3以下
・通いは15名前後(曜日によっては18名)
・訪問は3名前後(ほとんどない)
・泊りは7名前後(曜日によっては9名)
といった状況に陥り、売上は伸び悩んでいるのにサービス量の空きがなく、新規受け入れもできず、人件費率も70%超え(人員配置がサービス量と連動して増加したため)と負のサイクルに入ります。
良かれと思い勧めたアドバイスは、課題に対して有効な打ち手となることもありますが、一方で、上記の例のように的外れな打ち手になってしまうこともあります。(業態は異なりますが、近年、介護業界で話題になっているサ高住の満床赤字も似た構造で起こっています。)
ご案内
ここまでお読みいただいた上で、
「経営指標は分かったけど、どうやってそこに近づけるの?」
と疑問のある方に向けて、最後にご案内です。
具体的に、これらの指標を達成するための方法や事例について、以下の3つのレポートにまとめました。
ぜひ、ご興味のある方は、以下をダウンロードいただければと思います。
(資料閲覧の上で「個別に相談したい」という方がいらっしゃれば、ダウンロード時に「☑無料個別相談を希望する」とチェックをいただければ、1時間ほどお時間をいただき、貴社の状況に応じた個別具体的なアドバイスを実施することも可能です。)
【レポート1】小規模多機能の収益化レポート
日本全国の小規模多機能を独自取材したインタビュー記事をまとめたレポートです。赤字事業の小規模多機能を軌道に乗せるために必要なことを事例を元に学ぶことができます。
利益がでない事業所とモデル事業所の3つの違いについて解説したレポートです。
高収益化を目指すにあたって押さえるべきポイントを理解することができます。
【レポート3】小規模多機能で25名以上を持続的に実現する方法
利益がでないBadサイクルから抜けだし、Goodサイクルに入るための方法を解説したレポートです。
ピンポイントで課題がどこにあるのかを理解し、解決することができます。
この記事を書いたコンサルタント
森永 顕成
新卒で船井総合研究所に入社。 専門はデータと事例を活用したシニア関連事業の 戦略策定と実行支援コンサルティング。 既存事業の収支改善、高収益化支援を得意としており、 中小・中堅企業から地域一番企業まで 幅広いクライアントの経営支援を行なっている。