小規模多機能の収支改善事例【Vol.1】

2024年12月4日配信

カテゴリ:
小多機・看多機 介護

今回のコラムでは、
石川県A事業所の成功事例を通して、収支改善のポイントをご紹介します。

【基本情報】
エリア:石川県野々市市(5万人)
登録定員:29名(通い定員:18名、泊り定員:9室)

【収支状況(Before)】
年間売上    │2,760万円
 登録者数   │10名
 単価(月)  │23万円
 平均要介護度 │1.8
年間人件費   │2,940万円
 人件費率   │106.5%
 常勤換算数  │6.3名
収支差率    │-25%

【収支状況(After)】
年間売上    │9,500万円
 登録者数   │29名
 単価(月)  │27.3万円
 平均要介護度 │2.0
年間人件費   │500万円
 人件費率   │63%
 常勤換算数  │13.5名
収支差率    │14%

わずか数年で、H事業所は赤字経営から黒字経営へと転換しました。
一体どのようにして、この素晴らしい成果を達成したのでしょうか?

【収支改善の3つのポイント】

H事業所は、以下の3点に重点的に取り組みました。

1.顧客像の明確化
以前は、「小規模多機能=たくさん通える、泊まれる」という認識が地域に広がっていました。そのため、サービス量が多い利用者が多く、人員配置が厳しい状況でした。

そこで、A事業所は、小規模多機能のモデル事業所を参考に、
顧客像を以下のように明確化しました。
①退院支援: 医療機関に入院している利用者の在宅復帰を支援
②困難ケース: 既存のデイサービスや訪問介護では対応が難しいケースを受け入れ

この結果、サービス量が適正化され、人員配置に余裕が生まれました。さらに、明確な顧客像を外部に発信することで、適切な利用者を獲得できるようになりました。
 
2.医療機関との連携強化
従来は、地域包括支援センターからの紹介が中心で、要支援者や軽度者(要介護1~2)の利用が多かったH事業所。医療機関との連携を強化し、「退院支援」のケースを受け入れることで、平均要介護度が向上し、利用単価のアップに繋がりました。

3.認知度アップの取り組み
顧客像を明確化した後は、積極的に外部への情報発信を行いました。
・訪問営業
・ケアマネージャー連絡協議会での講義
・自事業所主催の勉強会
・地元新聞やテレビ番組への掲載

これらの活動を通して、H事業所の認知度が向上し、適切な利用者が集まるようになりました。現在では、待機者が出るほどの人気となっています。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
少しでも、皆様の持続的な介護事業経営のお役に立てましたら幸いです。

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この記事を書いたコンサルタント

森永 顕成

新卒で船井総合研究所に入社。 専門はデータと事例を活用したシニア関連事業の 戦略策定と実行支援コンサルティング。 既存事業の収支改善、高収益化支援を得意としており、 中小・中堅企業から地域一番企業まで 幅広いクライアントの経営支援を行なっている。

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