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船井総合研究所の三浦です。
高齢者の増加に伴い、高齢者が求める
介護施設のサービスや価格帯は変化しつつあります。
本日は介護施設が今後生き残るうえで
どのような戦略をとっていくべきかをお伝えさせていただきます。
◆ 介護施設が置かれている状況
高齢者の増加に伴い、
介護施設の件数も増加傾向にあります。
国の施策や補助金などを背景に
介護施設は増え続け、
サービスは多様化し、価格帯も高価格帯のみならず
年金(10万円程度)を受給している方、生活保護の方の
受け入れを行っている低価格帯の施設も増えてきております。
低価格帯の施設が増えることで、
「安くて手厚い = 特養」であった介護業界において
利用者が特養以外の有料などを選択するようになり、
地域によっては特養の入居率が60%を下回るなど、
特養の入居率低下が問題となってきています。
しかし、これは特養に限らず、
サ高住や住宅型、介護付などの施設でも
同様のことは起きております。
◆ ”高齢者の貧困化”と”介護施設の重度者の受け入れ”
新たに社会問題となっているのが
高齢者の”貧困化”です。
現時点で生活保護受給者のうち
約半数の45%が65歳以上となっております。
それに対して生活保護や低所得の方の受け入れを
行っている施設は全体の15%程度です。
また、介護施設は中重度(要介護3~5)の方の
受け入れを中心としている施設が多く、
支援1,2、と要介護1~2で低予算の
高齢者が入居できる施設は限られております。
しかし、施設を運営する上で、
客単価を上げるというものは必要不可欠です。
その客単価を上げるために
加算を増やすか利用者の実費負担を増やすかの
どちらかを選択をしなくては、
施設の存続が難しくなってしまいます。
これらの現状を踏まえ、
今の介護施設に必要なのは”商品力”と”集客力”です。
・商品力
軽度から重度の方を受け入れられる施設を構築する。
これまでお話しさせていただいた内容をまとめると、
今後必要になる介護施設の商品力は
(梅)軽度かつ低予算で入居できる施設:高齢者向け住宅 など
(竹)中重度の方が入居できる施設:特養・有料 など
(松)医療依存度が高い方が入居できる施設:看護住宅 など
これらを一貫して自社で受け皿を用意することで、
新たに顧客を獲得せずとも自社のグループ内で
一貫してサポートができるため、
利用者、家族からしても住み替えの負担を軽減することができます。
・集客力
軽度の方から重度の方まで集客できる
つまり安定的に高齢者を集客する営業組織を構築し、
激化する利用者の獲得競争に備える必要があります。
多くの介護施設の場合、相談員や施設長などに
居宅、病院への営業活動をお願いしているところが多く
それが、相談員や施設長の負担になり退職につながるといったケースもございます。
また、居宅、病院への訪問営業においては
訪問頻度と訪問量を重視する必要があるため、
それを確保するためにも”営業専門の部署”を構築する必要がございます。
◆ 「老後の住まい仲介ビジネス」の魅力
しかし、商品力(松竹梅)を整備するにも
今の自社施設にそこまでの集客力がない、
そもそも、そのようなニーズがあるかもわからない
といった経営者の方もいらっしゃるかと思います。
そこで私がおススメしたいのは「老後の住まい仲介ビジネス」です。
「老後の住まい仲介ビジネス」は
介護施設と高齢者の間に立ったマッチングサービスを行う、ビジネスモデルとなります。
そのため、かかる経費は営業スタッフの“人件費”や
印刷や携帯などの“営業経費”のみになります。
店舗などは必要なく、低投資で始めることが出来ます。
その上、営業スタッフ1名当たりの年間粗利生産性は1500万~2000万円と
高収益のビジネスモデルでもあります。
「老後の住まい仲介ビジネス」を立ち上げることで、
より強固な集客基盤を構築することができ、
その集客基盤を使って、高齢者を「川上から川下まで」受け入れられる体制を
整えることが、伸び続ける市場の中で今後数十年、業界で生き残るためには
必要なことなのかもしれません。
会社のためにも、高齢者、家族、介護スタッフの負担軽減のためにも
ご検討してみてはいかがでしょうか?
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この記事を書いたコンサルタント
三浦 潤生
士業、物流業界、医療業界のコンサルティングを経て、地域包括ケアグループに従事。シニア事業の新規事業開発専門の 経営コンサルティング部署であり、老人ホーム紹介事業、シニア向け空き家活用事業、身元保証事業などの事業立ち上げを専門とする。 現在まで100社以上の新規事業立ち上げに携わり、その中で培ったチラシ、販促物を活用したダイレクトマーケティング、 WEBを活用したWEBマーケティング、営業スタッフの採用、育成、営業組織の構築のノウハウは社外、社内問わず定評がある。