介護事業者が取り組むべき「川上から川下まで」戦略

2022年6月9日配信

カテゴリ:
老人ホーム紹介 老後の住まい仲介ビジネス

3年に1度の介護報酬改定により、今後の事業展開を迷われる方も少なくないと思います。本メルマガでは介護事業者が検討すべき介護事業者の「川上から川下まで」の事業戦略についてお伝えいたします。

◆ 介護事業所が置かれている現状

ご存じのとおり介護施設の件数は年々増加しております。
加えてサービスの多様化が進み、月の利用料が特別養護老人ホーム並みに
安い施設などが増えてきております。
そのため、様々なニーズを抱えた高齢者がニーズに応じた施設に入居することができ、
多くの施設に満遍なく、高齢者が入居できるようになりました。

利用者目線からするとありがたいことですが、
介護事業を運営している方からすると、
競合が増え、高齢者の獲得が難しくなってきたことを意味します。

また、度重なる報酬改定により支給限度額や加算の縮小などが行われている上に、
ゆくゆくは要支援や介護1,2の廃止なども検討されております。

介護事業者はそういった背景から比較的重度の方を受け入れるという
方向性にシフトし、高齢者の中でも重度の方の獲得競争が激化しております。

私自身、「老人ホーム紹介ビジネス」のコンサルティングを専門として
事業の立ち上げ、業績アップ支援行っているのですが、
特別養護老人ホームなどから、空室ができたため、利用者を紹介してほしい
といったご相談を頂く機会が以前に比べると格段に増えました。

◆ 「川上から川下まで」

このように、高齢者の獲得競争が激化しているなか
介護事業者として生き残っていくためには特定の利用者に特化した施設だけを
運営するのではなく利用者を「川上から川下まで」
受け入れられる体制を整えるということです。

例えば、
高齢者向け住宅 ⇒ サ高住/有料 ⇒ 看護付・ナーシング
という形で施設を運営することで、1人の利用者が体調の変化により
軽度⇒中度⇒重度と変化しても、すべて自社で対応することが出来ます。

高齢者向け住宅で利用者の獲得さえできれば、
サ高住/有料 ⇒ 看護付/ナーシング で利用者を新規獲得しなくても
自社の法人内から利用者を獲得することが出来ます。

それは、利用者やその家族からしても、
住み替えにかかる時間や費用や身体的な
負担を減らすことができるというメリットがあります。

この介護事業所における「川上から川下まで」を展開するためには、
「集客基盤の構築」と「自社にはない施設を確保する」の2つが必要です。

「自社にはない施設を確保する」という点においては、
1から新築で建てるという方法もありますが、
人口の減少に伴い増えている“空き家”を
活用して施設を運営するという方法もあります。
空き家を活用して施設を建てることで
初期にかかる設備投資を大幅に削減することができ、
月の利用料も比較的安価にサービスを提供することが出来ます。

「集客基盤の構築」という点については、
“老後の住まい仲介ビジネス”という事業の立ち上げをおススメしております。
高齢者と施設の間に立って住まい選びのマッチングサービスを行うこのビジネスは
「〇〇の施設」という立場での営業ではなく、
「どこでもご案内しますよ」といった中立的な立場をとったうえで、
営業を行うため、「〇〇の施設」として行う営業より反響を取りやすい傾向にあります。

◆ 「老後の住まい仲介ビジネス」の魅力

先にもお伝えさせていただいたように「老後の住まい仲介ビジネス」は
介護施設と高齢者の間に立ったマッチングサービスを行う、ビジネスモデルとなります。
そのため、かかる経費は営業スタッフの“人件費”や
印刷や携帯などの“営業経費”のみになります。
店舗などは必要なく、低投資で始めることが出来ます。
その上、営業スタッフ1名当たりの年間粗利生産性は1500万~2000万円と
高収益のビジネスモデルでもあります。

「老後の住まい仲介ビジネス」を立ち上げることで、
より強固な集客基盤を構築することができ、
その集客基盤を使って、高齢者を「川上から川下まで」受け入れられる体制を
整えることが、伸び続ける市場の中で今後数十年、業界で生き残るためには
必要なことなのかもしれません。

会社のためにも、高齢者の負担軽減のためにも
介護事業における「川上から川下まで」の戦略を
検討してみてはいかがでしょうか?

介護事業者が取り組むべき「川上から川下まで」戦略

老人ホーム紹介ビジネス

この記事を書いたコンサルタント

三浦 潤生

士業、物流業界、医療業界のコンサルティングを経て、地域包括ケアグループに従事。シニア事業の新規事業開発専門の 経営コンサルティング部署であり、老人ホーム紹介事業、シニア向け空き家活用事業、身元保証事業などの事業立ち上げを専門とする。 現在まで100社以上の新規事業立ち上げに携わり、その中で培ったチラシ、販促物を活用したダイレクトマーケティング、 WEBを活用したWEBマーケティング、営業スタッフの採用、育成、営業組織の構築のノウハウは社外、社内問わず定評がある。

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