なぜ?急増するナーシングホームで苦戦する施設の共通点
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時流に乗っているサービスということもあり、ここ数年で、「ナーシングホーム」や「医療対応型介護施設」の開設が全国的に急増しています。
一方、ナーシングホームは「介護施設」、「訪問介護」、「訪問看護」と
3つの業態を一体にしているサービスということもあり、運営難易度が
高く苦戦しているケースもあるのが実態です。
私自身、多くの法人様をご支援したり、現場を取材させていただいたりする中で、残念ながら運営に苦戦する施設にはいくつかの「共通項」があることが見えてまいりました。
そこで今回は、これからナーシングホームの開設を検討されている方、また、に向けて、つまずきやすい3つのポイントを解説します。安定経営のヒントとして、ぜひご一読ください。
運営に苦戦する施設の3つの共通項
▼ポイント1:特定の入居者層への過度な依存
一つ目の共通点は、特定の入居者層に依存した結果、経営が不安定になっているケースです。
特に、医療保険の適用となり収益性が高く見える「末期がんの患者様」など、特定の医療依存度が高い方のみをターゲットにする戦略には注意が必要です。在宅期間が短くなる傾向があり、結果として頻繁な入退去が発生するため、常に満床を維持するための営業活動に追われてしまいます。
安定した施設運営のためには、最初から対象者を限定しすぎず、幅広い層の受け入れを可能にしながら、医療依存度の高い方の比率を計画的に高めていく視点が不可欠です。
▼ポイント2:介護保険の活用不足
二つ目は、介護保険サービスを最大限に活かしきれていない点です。
ナーシングホームは医療保険を活用した訪問看護が収益の柱ですが、それだけに頼った経営は盤石とは言えません。
実際に苦戦している施設では、平均要介護度が4を超えているにもかかわらず、介護保険の区分支給限度額の7割程度しか利用できていない、といった事例も散見されます。医療ニーズの高い方は入居期間が短くなる可能性があるからこそ、介護保険の利用者を着実に確保し、収益基盤を安定させることが重要になります。
▼ポイント3:看護と介護の連携不全
三つ目のポイントは、看護師と介護職のチームワークがうまく機能していないことです。
医療と介護の連携こそがナーシングホームの最大の強みですが、この連携が崩れると、サービスの質の低下や職員の離職に直結します。
例えば、「看護師は医療行為のみ行い、介護業務には関わらない」「職種間の役割分担が曖昧で、互いに不要な気を遣ってしまう」といった状況は、現場の士気を下げてしまいます。
これを防ぐには、それぞれの職種の責任範囲と業務内容を明確に定義し、入職時の合同研修や定期的なミーティングを通じて、お互いの専門性を尊重し合える文化を醸成することが成功のカギとなります。
【まとめ】
ナーシングホーム運営で失敗しないためには、 1. 安定稼働を意識した、バランスの良い入居者構成を考える 2. 医療保険と介護保険の両輪で、収益モデルを構築する 3. 多職種が連携し、一体感のあるチームを創る という3つの視点が極めて重要です。
今回お伝えしたような苦戦するポイントを回避する方法はもちろんのこと、事業の成否を分ける「出店場所の選定方法」や、「応募が集まる職員採用の秘訣」についても、より詳しく解説するセミナーを開催しております。
これからナーシングホーム事業を始めたい方、現在の施設運営をさらに安定させたい方は、ぜひこの機会にご参加ください。
施設・訪問看護未経験からはじめるナーシングホーム開設

【開催日程】
■オンライン
2025/09/19 (金) 10:00~12:00
2025/09/24 (水) 10:00~12:00
2025/09/25 (木) 10:00~12:00
2025/09/29 (月) 10:00~12:00
この記事を書いたコンサルタント

家徳尚之
入社後は、精神疾患患者・高齢者向けの訪問看護ステーションの立ち上げ、活性化を専門とする。 理論だけではなく、現場主義を重視しており、全国の生の事例を元に現場に入り込んだサポートを得意とする。