【訪問介護】在宅領域の新規事業は厳しいのか?

2026年1月28日配信

カテゴリ:
介護

読んでいただきありがとうございます。
船井総合研究所、介護福祉士の國原です。
経営に関わる方は、新規事業についてアンテナを張っている方が多いかと思います。
今回は私の専門分野である訪問介護について新規事業として選択肢に入るか否か記載いたしました。

昨今ニュースで「訪問介護の倒産過去最多」「基本報酬の引き下げ」といったネガティブな話題を目にする機会が増えました。これから事業を考える経営者にとって選択肢から外す要因の一つになっているはずです。
しかし結論から申し上げれば訪問介護は決して「終わったビジネス」ではありません。 需要が拡大する中ではむしろ古い体質の事業所が閉鎖され、戦略を持って取り組みを進める事業者がシェアを拡大する好機が訪れていると言っても良いかもしれません。
今回は訪問介護の現状と、新規参入する意義について記載しています。

【訪問介護】在宅領域の新規事業は厳しいのか?

1.訪問介護はもう終わったビジネスモデルなのか?
2.訪問介護事業所が厳しい理由
3.新規事業者だからできる取り組み
4.訪問介護を立ち上げるメリット

1.訪問介護はもう終わったビジネスモデルなのか?
2024年の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことは、記憶に新しいかと思います。これにより「訪問介護はもう儲からない」「国に見捨てられた」という悲観論が広がりました。
しかし市場データを見ると別の側面が見えてきます。高齢者人口は2040年頃まで増加を続け、在宅医療・介護のニーズは拡大しています。つまり、「需要はあるのに供給(担い手)が足りない」という、ビジネスとしてはチャンスの大きい状態にあるのです。
終わったのは「訪問介護そのもの」ではなく「アナログ管理・低賃金・人海戦術に頼った旧来型の経営モデル」です。効率化や加算取得を積極的に取り組む「高収益モデル」への転換ができる事業者にとっては、チャンスが広がっています。
2.訪問介護事業所が厳しい理由
それではなぜ多くの既存事業所が苦しんでいるのでしょうか。主な理由は以下の2点に集約されます。
①材不足と高齢化 登録ヘルパーの高齢化が進み、新規採用が難航しています。「人がいないから依頼を断る」という機会損失が常態化し、売上が伸び悩みます。また新規依頼の困難事例に対する断り文句として人材不足を主張することも、業界に人手不足感が広がる要因になっていると私は感じています。
②収益性の二極化 報酬改定は、質の高いケア(重度者対応や看取りなど)や処遇改善を行う事業所には手厚く、そうでない事業所には厳しい内容でした。制度の複雑さゆえに、高い単価を得られる「特定事業所加算」の取得を諦めてしまっている事業所が多く、これが収益悪化の主因となっています。
3.新規事業者だからできる取り組み
実はこの厳しい環境こそが、しがらみのない新規事業者にとって有利に働く可能性になります。既存事業所がなかなか変えられない部分を、最初から取り組むことができるからです。
最初から「ICT・DX」を標準とする 紙の記録やFAX連絡を廃止し、スマホやタブレットでの記録・連絡を前提に立ち上げることで、事務作業を削減できます。これは若手人材の採用にも優位に働きます。
「特定事業所加算」ありきの事業設計 加算取得のハードルとなる「研修体制」や「指示・報告の仕組み」を開業時から組み込むことで、最初から高単価(高収益)でのスタートが可能になります。
ターゲットの明確化 「なんでもやります」ではなく、重度者対応や特定疾患など、地域で不足しているニーズに特化することで、ケアマネジャーからの信頼を早期に獲得できます。
4.訪問介護を立ち上げるメリット
リスク管理さえ徹底すれば、訪問介護は依然として魅力的な事業です。
初期投資が少ない 施設建設が不要なため、数百万~1,000万円程度の資金で開業可能です。失敗した際のリスクも、箱モノ事業に比べて極めて低く抑えられます。
高い利益率の実現が可能 前述の加算取得を徹底すれば、営業利益率15%~30%も十分に可能です。
地域包括ケアの「入り口」になる 利用者様の自宅に入り込む訪問介護は、信頼関係構築の最前線です。ここを起点に、将来的にデイサービスや老人ホーム紹介、配食サービスなど、多角的な展開への足掛かりを作ることができます。
訪問介護の立ち上げは、決して「無謀な挑戦」ではありません。市場の構造変化を見極め、正しい戦略を持って挑む経営者にとっては、社会的意義と収益性を両立できる新規事業になりえるのです。

営業利益30%の訪問介護事業所がやっていること

20%

この記事を書いたコンサルタント

國原 和真

医療・介護・福祉業界を専門とするコンサルティング会社にてHR戦略・M&A仲介・施設立ち上げなどの業務を担当。 事業会社にて、管理者として従事した経験もあり自身も介護福祉士資格を保有している。
コンサルティングと実務経験から経営者と現場、双方の立場を大切にした課題解決を信条としている。 船井総研に入社後は、介護・障害福祉事業を中心に支援を行っている。

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