【成功事例】赤字特養が以前のような常時満室状態になるまで

いつもメルマガをご覧下さいましてありがとうございます。
船井総合研究所の木村でございます。

特別養護老人ホームにおける経営状況の悪化は、皆さんもニュースなどで
よくご存じのことかと思います。

今回のメルマガでは、地方の「稼働率も上がらず」「待機者もいない」「職員の雰囲気も悪い」
といった三重苦を味わいながら、短期間で昔のような常時満室状態の特別養護老人ホームに
復活させることができたストーリーをご紹介致します。

年々悪化する特養の経営状況

厚生労働省が24年の報酬改定に向けて作成した経営実態調査の結果によると、
2022年度の特別養護老人ホームの収支は初めて赤字に転落しています。
また、全国の特別養護老人ホームが加入する全国老人福祉施設協会の調査では、
62%の特養が赤字であるという結果が公表されています。

原因としては、新型コロナウイルスによる影響や物価高騰にを理由として挙げているケースが多いですが、
もう一つの要因としては「低価格型の老人ホームが台頭してきたこと」も大きな要因として
考えられるのではないでしょうか。

最近では、住宅型有料老人ホームなどを中心に月額8万円~などの月額費用で広く募集を行っている施設が散見されます。
以前であれば、「施設入居の予算が無い方は要介護3になることを待って特養へ。」
といった流れもありましたが、特養の多床室に入るよりは有料老人ホームの個室が良いといった声も
聞くことが増えてきました。

そういった中で、介護施設業界の中での特別養護老人ホームの優位性は失われ、
「待機待ちが数百人を超え、常時満室状態で運営できている」といったような輝かしい特養の時代は
過去のものになりつつあります。

それ以外にも働き手の確保や利用者獲得など経営に苦戦している特養が抱える問題は、
多岐に渡っていますが、現在では一部を休止して縮小運営を行っている特別養護老人ホームもあるようです。

そういった中で、ご多分に漏れず利用者の減少や空床期間の長期化に苦しんでいた特別養護老人ホームがありました。

赤字特養が短期間で輝かしい姿を取り戻したストーリー

今回紹介させて頂くのは長崎エリアで特別養護老人ホームを中心に、
複数の高齢者福祉事業を展開する社会福祉法人です。

こちらの社福が運営する特別養護老人ホームは1984年に開設され、当初はベテラン介護職員も多く抱えながら、安定的に地域に根ざした運営を行っていました。
しかし、施設長の交代をキッカケにベテラン職員が退職。残されたのは、新任の職員と施設長という状態。
大きな不安が施設を取り巻き、職員間のコミュニケーションや連携など、今までできていたことの歯車が狂いだしたのです。
結果的に稼働率78%・ショート稼働率77%という状況で施設は赤字状態に転落し、これまでのような輝かしい姿は見る影も無いカタチとなりました。

【赤字脱却までのポイント】

①組織的な風土改善に着手
そこで、法人本部は特養の改善へ大きく舵を切ることになります。
まず稼働率等の数値改善の為には根本的な風土改革が必要だと考え、1ON1ミーティングや意見だしシートの活用などのコミュニケーションを促進する取り組みを実施しながら、組織の問題を解決するプロジェクトチームを立上げて改善を行いました。

②会議体を構築し、数値状況を把握
また、稼働率やショート利用率等のKPIを向上させる為に、全体会議や基幹会議、営業会議など形骸化していた会議態勢を整備することで、施設と法人本部でも連携が採れる態勢を構築し、細かい戦術的な取り組みに関しては相談員を交代した上で、ベッドの空床状況を把握し職員とも数値目標を具体的に共有した上で、
様々な取り組みに着手したのです。

③リピート利用促進・空床のショート活用提案などの対策を講じる
具体的には、入院で現在空床となっているベッドを退院期日を確認した上で、ショートステイとして活用してもらえるように提案を行うと共に見込み利用者へのアプローチを開始。他にも、居宅や包括などからの相談を断らないような体制を構築することで、自然とご相談が頂けるような環境作りにも取り組みました。

結果的には…

かつての常時満室状態から一転して、赤字の特別養護老人ホームが組織風土改善や、稼働率向上に向けた取り組みを行った結果、
稼働率は78%から99%に向上、ショートステイの稼働率も77%から200%まで上げることができました。
常に満室状態の特養を取り戻すことができた事で、特養の事業収入も15%UP。
見事赤字の特別養護老人ホームからの脱却を達成することができたのです。
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いかがでしたでしょうか。
この度、船井総合研究所ではメルマガで取り上げた長崎の社会福祉法人の業務執行理事と現場の相談員の方をお招きしたセミナーを開催致します。
赤字脱却までのストーリーをお話頂きながら、脱却に向けた取り組みに関しても実際に使用したツール等もご覧頂きながらご説明頂きます。
これからも「地域に必要とされ続ける社会福祉法人であり続けたい」といったお考えの理事長様には是非ご参加を頂きたいセミナーでございます。
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この記事を書いたコンサルタント

木村 亘佑

熊本県出身。新卒で船井総合研究所に入社し、介護保険制度内外の事業立ち上げや運営コンサルティングを行う。「福祉のまちづくり」の実現に向けてシニア向け空き家活用事業をメイン領域としながら、事業計画策定や採用、営業管理を行いながら企業の属人的な課題を仕組みで解決する為に日々業務に取り組む

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