24年改定の情報が少しずつ増えてきています。
基本報酬の単位数設定やLIFEに関する改定、介護業界でのDX推進など多岐にわたる改定になっております。
先日、九州ブロックで開催された老健全国大会にて講演の機会がありましたが、
基調講演の中で老健協会会長による報酬改定に関する講座を聴講する機会がありました。
最新の給付費分科会の内容や、協会講演の内容も踏まえながら、老健の改定に関するポイントを3つ今回のメルマガでお伝えします。
全体的にはプラス改定だが、強化型以上/未満の差が広がる改定となった
ポイントの1つ目は、なんといっても基本報酬の単位数の変更です。
加算型以下/強化型以上どちらの基本報酬は全体的に数単位のプラスとなりましたが、
両基本報酬の単位数の差は拡大する結果となりました。
介護度3の場合、もともと加算型以下/強化型以上の差は76単位となっており、
100床であれば1か月でおよそ225万円程度の差が生じるルールとなっています。
24年の改定では、この差が100単位、月商でおよそ300万円の差に変更となりました。
全体的にプラス改定ではありますが、老健の類型が加算型以下なのか、強化型以上なのかで月300万円も収益が変わってきます。
年間でいうと約3,600万円の差となりますので、
改めて「強化型以上を算定できているかどうか」が老健の勝ち負けを大きく分けることになります。
加えて、その他型の施設は月26単位の減算となりました。
老健が「安く住める施設」になってしまっている場合、その居住費を介護保険で補填はしないというのが国の意図です。
今回はその他型が対象となりましたが、在宅復帰支援が求められる老健としては今後この基準が上がっていく可能性もあります。
繰り返しになりますが、「強化型以上を算定できているかどうか」は老健の生き残り戦略として強く意識いただくことがおすすめです。
LIFEの活用、栄養・口腔ケアへの注力が経営に与える影響が大きくなる
2つ目と3つ目ですが、LIFEの活用と栄養・口腔ケアの充実です。
これまでのLIFEの仕様では「評価へのフィードバックがしづらい」という課題がありましたので、
フィードバック可能な項目への大幅な見直しが実施されます。
また、老健・デイケアの主要加算であるリハマネ加算の上位区分の要件にはLIFEの提出が定められています。
先ほどの基本報酬と同じく、主要加算をしっかり算定できているかという観点でも、
LIFEを活用できているかどうかが黒字/赤字を分けるようになってきているということになります。
最後に、栄養・口腔ケアの充実です。
先ほどのリハマネ加算に関連しますが、栄養管理・口腔ケアとリハビリを一体的に行うことで、
新たに「リハマネ加算(ハ)」が算定可能となるほか、今後は入所前・入所後の口腔ケア管理が義務付けられます。
この口腔衛生管理については、連携する歯科医院の歯科衛生士の方に協力いただくか、施設介護職に対応いただくか
どちらかが必要です。
協会会長のお話では、介護職が口腔衛生管理を定期的に実施することは難しいため、
施設の近隣にいらっしゃる元歯科衛生士の元気高齢者の方などにお手伝いいただくのがおすすめということでした。
週2回ほど施設へ来ていただいて、口腔衛生状況の確認を行っていただくことで加算算定も可能ということです。
これまでは短期集中リハ加算(入所)/リハマネ加算(通所)が主要加算として収益に大きく影響しておりましたが、
今後は栄養管理・口腔ケアにも注力が求められるため今から準備することをお勧めします。
今回お伝えした内容だけでなく、医療との連携や外部環境の変化、在宅復帰・在宅療養支援等指標の難化など、
24年改定を境に再度老健を取り巻く環境は変わっていきます。
皆様の施設が病院併設か、クリニック併設・単独型であるかなどで運営方針も変わる部分があるかと思いますが、
今後老健が取るべき戦略や、病院あり/なし両方の老健の成功事例をセミナーでお伝えできることになりました。
今回はオンライン開催のため、遠方でご参加が難しい方もご参加いただけます。
当日のご参加が難しい場合、個別対応も可能ですのでお気軽にご相談ください。
皆様の施設運営にお役立ていただける情報が必ずございますので、皆様のご参加をお待ちしております。