はじめに
皆さんこんにちは
船井総合研究所の森田です。
今回は【施設系サービスの集客手法】について解説します
通所系事業所は全国で、56,184件あります。デイサービスと比べるときにコンビニの数を出しますが、コンビニも着々と増えています。昔で言うと、両方4万件でしたが、コンビニの出店の勢いより、デイの出店の勢いのほうが多いようです。コンビニ、大手3社よりも、5,000も多いという状況です。すごい数だと思います。しかし平均稼働率は厚労省最新データで見ますと、通常規模で69.3%、地域密着型の稼働率で66.7%ということで、なんと7割を切ってしまっているという状況です。今回はこの稼働率70%いかない中で、どうやって90%以上を出しているのかということで、在宅系の介護で営業行為が必要な方には、全て共通して稼働率を上げる条件があると思いますので、そのルールをお伝えします。
稼働率アップのための5条件
まず、なにより大事な5条件があります。
● 1番が、相談員は相談員の仕事をしているということです。現場100%では上がりません。現場との割合が、仕事の出来によって5割でいけたり、7割相談員に注力しなければいけなかったり、人によって違うと思いますが、相談員業務をないがしろにしがちです。ケアマネの連絡が現場業務優先で遅くなったり、家族との対応が遅くなったりしたら無理です。上がりません。
● 2番が、相談員が「増やそう」と本気で思っていることです。相談員が相談員の仕事をして、よく経営者に「営業に行きなさい」「稼働率を上げなさい」と言われます。「分かりました。営業に行ってきます」と渋々行く状況では稼働率は上がりません。本当は行きたくないという状態も上がらないです。相談員が確かに増やそうと思っていないと上がりません。相談員が上げようともし思ったとしても、まだ上がらない条件があります。
● 3番、現場職員が「増えていい」と思ってくれていることです。現場職員は増やしたくないモードです。これはいけないパターンです。実際、一対一で究極ケアしたいので、利用者さんが増えることはよしと思っていません。ですから、「増えていい」と自然にはなりませんので、仕掛けが必要になります。相談員さんもこんな状況で、増やしてほしくない人が多勢に無勢だと、どうしても1人で増やそうとしても反対されます。ケアマネ営業に頑張って行っているのに、現場では反対される板挟みの中、苦しくなってしまって、場合によってこの状況が生み出す最悪の物語は相談員が辞めるということです。そうならないように、現場の理解を進めることも大事です。
● 4番、稼働率アップのための攻略方法を知っていることです。これもポイントですが、今日お伝えすることが稼働率アップの攻略法になります。これを知らないと、不思議な作業を始めたりします。例えば、YouTubeだけであげようとしていたり、あるいはInstagramを始めてみたり、正攻法にいかないで、そちらだけするというパターンで、上がりません。ですから、稼働率アップの正しい攻略法を知らないと、なかなか上がってくることはありません。
● そして5番、実行力です。1~4が満たされていても、結局やらないとなってくると、稼働率は上がりません。これは、上から順番にクリアしていく必要があります。3番からなどというのは無理です。まずここをよく考えていただきたいと思います。
相談員がやる気になって頑張ってケアマネからもオファーが来るけれど、現場に反対されて契約者を増やせなかったという場合があります。私がコンサルティングをしていてなかなか増えないというつまずき、「何をどうしたって上がらない」と書いていますが、極端に言うとコンサルタントを入れたのに上がらないのは、この五つを満たしていないからということを知っておいていただきたいと思います。
稼働率を上げる3大アクション
まずは相談員として必要な準備を行いましょう。具体的には三つ折りリーフレットやチラシ、空き情報FAXといったツールの整備、営業先リストの整備、自事業所の強みと最新情報を把握しておくことなどです。そして、相談員さんに必要なことをクリアして、大体の準備が整いましたら、稼働率をあげる3大アクションをやっていただきたいと思います。
● 3大アクションの1番目は、やはり利用者獲得です。稼働率を上げると言われた場合、誰しも思いつくのがケアマネ居宅営業だと思います。これも新規の利用者を獲得するために言っているわけです。
● 2番目に、利用回数増ということです。例えば週1を週2に変えますと、月に4増えるわけです。週2を週3にでも月に4増えます。これは新規のケアマネ営業、新規の利用者獲得より、実はイージーです。非常にうちのデイが好きな人がいたら、「もう少したくさん回数きませんか」といったことが言えます。最初1回から始めるといった方も多いと思いますが、1回じゃ慣れません。最初は週3ぐらい来てもらって、すぐ慣れるまで、最初から行っていただいたほうがいいです。こういう増回提案が上手なパターンでも稼働率が上がりますし、現在の利用者さんの利用回数を増やすうえでも稼働率が上がります。なにも、稼働率アップは営業行為だけではないということを、皆さん改めて知っておくべきですし、こっちが行きたくないなら、2番、3番をやればいいということなので、考えていただきたいと思います。
● 3番はキャンセル数の防止ということです。これはあとでもまたお話しますが、休む人が休まなくなるというだけでも稼働率が上がります。本来、月初の計画表の段階では何%の稼働率になると決まっています。今月は80か、その分が休まれることで70や60になってしまうわけです。その休みを回収できれば、予定通りの稼働率になるということですので、ここも3大アクションのひとつです。
● おまけで介護度アップというのがありまして、利用金額が上限までいっていたら、これで上がることにもなりますし、厳密に言うと稼働率アップではありませんが、介護度が上がると利用単価も上がってきますので、収入面としては改善が見られます。
私は10年介護のコンサルティングをしていますが、上記の三つのアクションを覆す稼働率アップ方法はないと思います。何か、いろいろな技はまだまだいろいろありますが、何を優先してもこれです。これ以外の営業方法は、いろいろありますが、どうしても遠回りになったりしますし、これより効果があることはないです。
私が言いたいのは、この活動から逃げるなと言いたいです。この活動外のことで増やそうとされている方はおそらくこの活動からどこか逃げてしまっているのではないかというのが私の分析ですので、やはり逃げずに稼働率アップをやっていただきたいと思います。
まとめ
まとめです。稼働率上げるための5条件をまずはクリアしてください。本当に増やしたいと思っている、増やしたときみんなに反対されない、などなどです。皆さん自身が紹介されやすい相談員であること、付き合いたいと思われる人物であることが大事です。
そして、稼働率を上げる3大アクションは新規、増回、キャンセル防止です。それ以上の効果があることはありませんので、そこから逃げず、まずそこからやりましょう。
効率よく稼働率を上げるための方法は先程七つご紹介しました。知っておいてください。ファン化したケアマネをとにかくたくさん作りましょう。作るためには実績渡しのときにトークをすること、日頃の連携をしっかりやること、レスポンス良く返してあげること、スピード対応です。
稼働率80%からは、営業だけでは上がりません。調整力というスキルが必要になります。最後に、介護業界で稼働率アップのコントロールができるということは、「商売っ気」を持つこととイコールだと思います。「商売っ気」を持っている相談員さんは、どの法人に行っても通用します。このスキル、類まれなると表現できるのではないかと思います。まさにスーパー相談員、どの法人からも欲しがられる利益を創出できる介護職員ではないかと思いますので、そういったスキルをぜひ身に着けていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。