訪問系介護事業者こそ理念の浸透を
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- 訪問看護 人材採用・育成・評価 介護
いつもコラムをご覧いただき、ありがとうございます。
船井総合研究所の山本です。
今回のテーマは企業理念についてです。
ここでいう企業理念とは、企業の存在意義や哲学を指します。
表題の通り訪問介護・看護事業では特に企業理念の浸透が大切となります。
今回はその理由と理念の浸透方法について解説していきます。
訪問系介護・看護で企業理念が大切な理由
理由は大きく2つあり、職員の定着率UPのためと競合との差別化のためです。
①職員の定着率UP
よくある離職の原因として、職場の人間関係が挙げられます。特に訪問系の場合は、外に出ていることが多くコミュニケーション不足に陥りがちで人間関係が悪くなりやすい傾向にあります。
ですが理念が浸透している組織の場合、チーム一丸となって共通の目的に向かって高いモチベーションで仕事に取り組んでいるため職場の人間関係がとても良い傾向にあります。
また、そもそも理念に共感している職員は会社のことが好きなので、離職のリスクが低いです。企業への忠誠心が低く待遇面にのみ魅力を感じている職員は、最悪の場合職員を引き連れて離職し独立することもあります。
②競合との差別化
訪問系の場合は、職員一人ひとりが顧客と直接関わるサービスの提供者であり文字通り法人の顔となります。高齢者のお宅に訪問した際に法人の理念に沿ったサービスを提供すること、ケアマネさんやSWさんなど外部の関係先とのやり取りで理念を感じられる行動を取ること。それらが全ての職員で高いレベルで徹底されることで結果的に競合との差別化に繋がり、利用者の獲得や職員の採用にまで繋がることとなります。
理念の浸透方法
①企業理念から落とし込んだ行動指針を策定する
企業理念は多様に解釈されるものが多いため、現場レベルまで落とし込んだ行動指針(クレド)が必要になります。PMVV(パーパス・ミッション・ビジョン・バリュー)のバリューにあたるものです。現場で判断に迷った際の判断基準になるため、理念に繋がる法人らしさが表れたものが望ましいです。
②そもそも理念に共感した人材を採用する
人手不足という理由から、資格や経験だけで採用していませんか?理念経営を目指すのであれば面接の際に自社の理念についてどう思うか必ず聞きましょう。特に能力は高いが理念に共感していない人材は組織崩壊に繋がりかねないため注意が必要です。
③理念の実践を見せる
ただ声に出して読み上げるだけでは浸透は期待できません。理念の実践の例として経営者や管理者が理念を体現した行動を取ること、理念について熱く語ること、理念に基づいた行動を朝礼やミーティングで称賛・共有することが挙げられます。今までは額に飾ってあるだけの理念を、実際に感じられる・見えるものと認識させることが重要です。本心から理念に従って出た行動や発言なのか部下はよく見ているので、まずは自分自身が理念の体現者であることを強く意識しなければなりません。
④評価制度に組み込む
評価項目に行動指針を入れることも有効です。もともと理念への共感度が低い組織はある程度強引に浸透させなければ、職員の行動を変えるまで時間がかかります。数字を作る人だけでなく、理念を体現する人を高く評価することで会社は理念を大切にしているというメッセージになります。逆に数字だけ優秀な人間が評価されていると、理念に共感していた良い人材の離職に繋がります。
⑤経営方針発表会の実施
最も強く理念を浸透させられる機会が経営方針発表会です。職員が一堂に会する場で経営者から直接熱いメッセージを発信できる点・多くの職員の前で表彰ができる点から絶好の機会となります。
船井総研では、組織SANBOによる組織の理念の浸透度合いの調査・従業員ヒアリング・PMVVの策定・評価制度構築などをお手伝いさせて頂いております。
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