失敗しないナーシングホーム・ホスピスの作り方
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皆様、 いつもコラムをお読みいただき、誠にありがとうございます。
時流に乗り、ここ数年で「ナーシングホーム」や「医療対応型介護施設」
の開設が全国的に急増しています。 一方で、ナーシングホームは
「介護施設」に「訪問介護」「訪問看護」の機能を併せ持つ複合モデルで
あり、その運営難易度の高さから苦戦している事業所があるのも事実です。
私たちが多くの現場をご支援する中で、残念ながら運営につまずく
施設には、いくつかの決まった「パターン」があることが見えてきました。
そこで今回は、これからナーシングホーム開設を検討されている方へ、
失敗を回避し、安定経営を実現するための「3つの重要な視点」を解説します。
視点1:入居者構成をどう設計するか?
まず陥りがちなのが、収益性だけを追い求め、特定の入居者層に
偏ってしまうケースです。例えば、医療保険が適用される医療依存度の
高い方ばかりをターゲットにすると、在宅期間が短くなる傾向があり、
施設の「回転率」が高くなります。結果として、常に集客営業に追われ、
現場も疲弊し、安定経営が難しくなります。
だからこそ、最初から特定の層に絞りすぎず、介護保険中心の方も
バランス良く受け入れる「入居者構成」
を意識することが不可欠です。
視点2:収益の柱を「医療保険」だけに頼っていないか?
二つ目の視点は、収益構造のバランスです。
ナーシングホームの強みは医療保険ですが、それだけに依存した経営は
不安定です。苦戦事例では、重度の方が多いにも関わらず、
介護保険の区分支給限度額の7割程度しか活用できていないケースも
散見されます。
医療ニーズの高い方は入居期間が変動しやすいため、失敗しないためには、
もう一方の柱である「介護保険サービス」もしっかり提供し、
収益基盤を安定させることが重要です。
視点3:「多職種チーム」を機能させられているか?
三つ目の視点は、組織運営です。医療と介護の連携こそが
ナーシングホームの最大の価値ですが、この歯車が噛み合わないと、
サービスの質は低下し、職員の離職にも直結します。
「看護師は医療行為のみ」といった職種間の壁ができてしまうと、
組織はうまく機能しません。
これを防ぎ、成功へと導くカギは、経営者が主導して役割分担を明確にし、
日々のミーティング等を通じて、お互いの仕事を尊重し合う
「チーム」としての組織風土を醸成することにあります。
【まとめ】 ナーシングホーム運営で失敗しないためには、
・安定稼働を意識した、バランスの良い入居者構成を考える
・医療保険と介護保険の両輪で収益モデルを構築する
・多職種が連携し、一体感のあるチームを創る
という3つの視点が極めて重要です。
今回お伝えしたような「つまずきのパターン」を回避する方法は
もちろんのこと、さらにその手前にある、事業の成否を大きく左右する
「出店場所の選定方法」や、「応募が殺到する職員採用の秘訣」
についても、より詳しく解説するセミナーを
開催しております。
これからナーシングホーム事業を始めたい方、現在の施設運営を
さらに安定させたい方は、ぜひこの機会にご参加ください。
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この記事を書いたコンサルタント

家徳尚之
入社後は、精神疾患患者・高齢者向けの訪問看護ステーションの立ち上げ、活性化を専門とする。 理論だけではなく、現場主義を重視しており、全国の生の事例を元に現場に入り込んだサポートを得意とする。













