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皆様こんにちは。
船井総合研究所の鈴木 康祐です。
介護事業の成功に欠かせない管理職の育成について、優秀な施設長を多数輩出している企業の共通点をお伝えします。
業界の時流として
①人材獲得難易度が上昇し続けている
厚労省資料「第8期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数」
によると2025年に32万人の介護人材が不足すると見られています。
平均離職率は14.1%。有効求人倍率は3.68倍です。
つまり100名の組織で年14人が辞めます。
その補充採用をするためには、のべ約50社の競合他社と
待遇面などで勝たなければなりません。
労働人口は減っていくため、離職率14%では高く、
10%以下の離職率をキープし続けなければ、
人材安定経営は困難であると言えます。
➁建築コスト高騰、既存事業の安定がより重要性を増す
2021年に始まったウッドショックに続き、2022年には
ウクライナ情勢も加わったことなど、さまざまな要因から
建築費資材の高騰が収まる状況にありません。
以前よりも、新規事業所(介護施設)を開設する動きが
緩やかになり、「今の事業の基盤固めをしよう」と判断される
経営者の方も多いと感じています。
上記①と➁を踏まえ、現在運営されている介護事業所の
【伸びしろ上限値まで業績を上げて】
【離職率10%以下をキープできる体制を作り】
【人材を育成しサービス力の向上を実現させる】
ことが共通課題になっています。
介護施設の業績は99%施設長で決まります。
この記事が、改めて施設長を育てることに
重きを置くきっかけになればと思います。
自らの経験&コンサルティングを通して感じた結論
~はじめに~
私、鈴木は介護会社にて23歳で施設長を経験しました。
就任した時は介護現場主任からのたたき上げでした。
もともと介護現場職員として入社し、現場リーダー、介護主任を
経験の上、介護付有料老人ホームの施設長へという流れです。
そのキャリアステップの過程で実感した
【教育体制のムラ】についてお話しします。
~介護会社で働いて感じた問題点~
介護職時代は先輩職員によるOJT、イーラーニングなどによる
知識研修、外部講師による排泄介助の研修などがあり、
未経験からでもスキルアップできる手厚い教育体制が
整っていました。
現場リーダーになるとリーダー業務のマニュアルがあり、
先輩リーダーから丁寧な指導を受け要領を得ることができました。
こちらのポジションについても、法人経費にて外部研修を
受けられる仕組みがあり参加する事でスキルアップが可能でした。
介護主任に昇格すると、委員会などの運営規定など
体系化されているものも一部ありましたが、シフトの作成方法
など、業務の一部は属人性が高くいわゆる「背中見て覚えろ」
スタイルが主流となっていました。主任レベルとなると
研修で業務レベルを上げるという発想が無く、
自身で書店に行き、本などを買い漁って勉強し日々
試行錯誤しながら仕事をしていました。
介護施設長に就任した時。
この業界の人事あるあるかと思いますが
「管理職が退職する事が決まったことにより、
代理として現介護主任に声がかかる」パターンの
人事でした。このような対処療法的人事を繰り返して
いる法人だったため、管理職の離職率が高く、
その根底には「教育体制が皆無」という問題点がありました。
ポジションが上がるほど教育体制が無くなっていくため
重要な人材ほど辞めていく、誰も管理職をやりたがらない
といった状況が作られてしまいます。
「管理職クラスなんだから自分で考えろ」
というフレーズが経営者や部長クラスから飛び交います。
しかし、皆様も感じておられるようにこの業界の施設長は
現場からのたたき上げが6割以上を占めるため
【利用者満足・介護知識】が豊富で【数値管理・経営意識】
が希薄であることが多いです。
""介護のプロ""を""経営のプロ""に変身させるには
一筋縄ではいかず、実は一番教育が必要なのは
施設長だということに気が付きます。
この経験を踏まえ、エリアマネージャーに昇格した
私は管理職の教育体制を整え、管理職離職0を実現し
後任者を育成することができました。
~コンサルティングを通して感じたこと~
コンサルティングを実施する中でも、
多くの法人で介護現場の研修は、介護技術や認知症ケア、
看取りケアなどの介護の専門的な研修は多くありますが、
リーダーや管理者に対する研修は少ない現状があります。
実際、弊社が介護施設長(40名)を対象に行った
アンケート調査で【マネジメント研修を受けたことがあるか?】
という質問にYESと答えた方はわずか8%(3名)でした。
優秀な施設長は、自ら本やセミナーで学んでいる方が多い
傾向にありますが、業績を左右するほど影響力が強い人材
に対しての「教育の仕組み」がそのような状態で良いのか?
と日々疑問に感じています。
~結論として~
管理職の育成体制を整えるために必要なフローは
「管理職研修構築」➡「経営会議の構築」➡「経営計画合宿」
です。インプット➡アウトプット➡ブラッシュアップ
の流れでスキルを習得する事が最も早く成果に繋がります。
この記事を通してお伝えしたいたった一つの事とは
「管理職の人数が5名を超えたら管理職研修をやるべき」
ということです。
すでに実施している法人については経営会議の構築を
行っていただきたく思います。
(詳細は別コラムにて後日掲載します)
まだ管理職研修を実施したことが無い法人の場合
まずは1回作ってみる、実施してみることを強くお勧めします。
理由は前述の通りです。
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今回は管理職の教育体制についてお送りしました。
無料ダウンロードレポートにてより詳細な内容をお伝えしております。
全国で管理職育成に成功している法人が行っている
「研修内容」をカタログにしたものです。
・そろそろ管理職育成に本腰を入れたい
・人事部で研修内容を構築したく検討している
・一般的にどのような内容が施設長に必要なのか知りたい
このような方は是非レポートをダウンロードいただくとよいかと思います。
自社で構築する際のヒントになると思いますし、
このカタログの内容は全て船井総研の研修で網羅しております。
講師をご依頼いただくことも可能ですので
よりスピード感を持って管理職育成を行いたい
場合はご相談ください。
お読みいただきありがとうございました。
【レポート】管理職が育つすごい研修の作り方
この記事を書いたコンサルタント
鈴木康祐
従業員数1500名規模の医療法人に新卒入社し介護部門に従事。法人史上最年少の23歳で有料老人ホームの施設長を務める。不振施設の立て直しを得意としてマネジメント業務に携わる。離職率50%超えの施設を1年で離職率5%まで改善させる。120床規模の新規施設の入居率を半年間で100%にする等の実績が評価され、介護部門のエリアマネージャーに就任。 船井総研入社後は、介護業界に特化し【マーケティング:集客、営業・人財採用】【マネジメント:管理者育成・研修・人事制度・教育体制構築】など幅広いテーマで組織活性化のコンサルティングを実践。業界経験があるからこそ現場の事を理解し、巻き込みながら 動かしていくスタイルが多くの経営者から支持を得ている。