介護事業で週休3日・10時間勤務制の導入に成功!

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【介護業界】週休3日制を実現するためのポイント!

 

全国・全産業において労働環境の改善が求められる中、多様で柔軟な働き方を可能にすることでワークライフバランスを改善し、生産性および採用力の向上に繋げている法人があります。人手不足が深刻化する介護業界において、新たな働き方の選択肢として「週休3日・10時間勤務制」の導入に取り組む、社会福祉法人幸知会 本部長 山口昭夫氏にお話を伺いました。

山口昭夫氏

『社会福祉法人 幸知会』栃木県で合計14事業所を展開する社会福祉法人。「トータスが、あなたの世界をおもしろくする」の言葉をホームページトップに掲げ、サービス品質向上、デジタル化、教育の充実など、お客様のために新たな挑戦を続ける。

週休3日・10時間勤務制を導入した背景を教えて頂けますか?

導入前の職員の働き方は、1日8時間の勤務を週5日、1月あたりの休日は9日間というものでした。しかし夜勤があるため、丸一日休める日は実際には4日程度しかない、という問題を抱えていました。
また採用においては、採用サイトから応募があってもデイサービスの希望が多く、特養やグループホームなど、夜勤のある職種への応募が全くありませんでした。
そこで職員の働き方を見直し、仕事と休みの区別をしっかり付けられる制度を構築することで、プライベートの充実や仕事へのモチベーションに繋がるのではないか?と考え、週休3日・10時間勤務制の導入を決めました。

週休3日・10時間勤務のメリットとはなんでしょう?

大きく4つあります。
ひとつは日々の業務における残業が減らせたという事です。8時間勤務時は朝方のピーク時などに慢性的な残業が発生していました。しかし10時間勤務にすることでピーク時の職員を充足することができ、残業が解消されたのです。

2つ目は業務の平準化です。導入前は夜勤に入ると16時間の拘束となり、体力的に厳しく、業務負担も大きくなってしまいました。しかし、10時間×週4日勤務とすることで、早番・日勤・遅番・夜勤それぞれのシフト毎の業務負担や勤務時間のばらつきを軽減することができました。

3つ目は職員の公休が増える事です。週休2日の8時間勤務では年間休日は104日しか取れません。その中で丸一日休める日は実際には半分くらいでしょうか。しかし週休3日の10時間勤務にすることで、年間休日が156日になり、丸一日の休日も月に7~8日間確保できるようになりました。職員の多くが毎月連休を取得し、この制度を有効活用しています。

最後に4つ目は、人材が確保しやすくなった事です。年間休日が156日取得できることをIndeedなどの求人サイトに掲載すると、今まで応募がなかったのが嘘のように反響があり、最高で単月16人の正社員の応募がありました。また、年間休日156日に魅力を感じて、異業種からの応募も増えましたね。

これら4つのメリットは職場環境の向上だけでなく、採用しやすい体制の構築にも繋がりました。

取材の様子

週休3日・10時間勤務制の導入による、職員の反響はいかがでしたか?

実は導入前にアンケートを実施したのですが、当初は職員の3割が反対していたんです。やはり1日の労働時間が2時間長くなるわけですから、不安に感じる職員も多かったと思います。ですが、導入後に行ったアンケートでは「丸1日の休みが増えたので、旅行などの予定が立てやすくなった」「体力的な心配はあったが、元々少し残業があったので、それほど長くなった感じはしない。休みの日とのメリハリがつけやすくなった」などの好意的な意見を頂いております。現在ではほぼ全職員が賛成してくれており、休日がしっかりと確保できたことで職員の笑顔が多くなったと感じています。

今後の展開について教えてください

当法人では、週休3日・10時間勤務制以外にも様々な取り組みを行っています。これからの介護業界は安全なサービスの提供はもちろんのこと、いかに質の高い人材を確保していくかが重要です。人材採用、育成、定着…とテーマは多岐にわたりますが、これらを充実させることで、長く安心して働ける職場環境づくりを目指していきたいと思います。


社会福祉法人 幸知会

設立:1995年10月1日
職員数:150名
所在地:栃木県河内郡上三川町下神主229-6

栃木県で合計14事業所を展開。「トータスが、あなたの世界をおもしろくする」という言葉をホームページトップに掲げ、サービス品質向上、デジタル化、教育の充実などお客様のために、新しいと事への挑戦を続ける。
HP:http://tortoise-h.jp/


担当コンサルタント


三浦 基寛
介護チーム
介護業界のコンサルティングに特化。介護施設・有料老人ホームの『業務標準化』 『スタッフ定着・離職防止』『リーダー・管理者育成』を中心とした組織づくりや生産性向上のコンサルティングを得意とする。人手不足・採用難時代の中で、経営者・事業部長・管理者・リーダーといった法人内の各階層の役職メンバーを巻き込みながら、成功事例を基に手堅くコンサルティングを実施している。



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