地価の高い東京都内で小規模多機能を10事業所展開!助成金活用のサブリーススキームを 確立して新規開設を促進!

社会福祉法人奉優会は、従業員数1,730人(平成30年4月1日現在)で、東京都内に91事業所を展開する社会福祉法人です。世田谷区を中心として、特別養護老人ホーム、ケアハウス、グループホーム、デイサービス、認知症対応型デイサービス、高齢者福祉センター、ショートステイ、訪問介護、小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなど、業態を複合化し、拠点展開を行なっています。小規模多機能を東京都内で10事業所展開し、事業拡大を続けてこられた理事の山川純一氏、高齢者施設事業統括部統括部長の水内利英氏、高齢者施設事業部部長の川口 有美子氏からお話を伺いました。

取材の様子

Q.小規模多機能型居宅介護の事業展開を考えた経緯とは何でしょうか?

A.2010年当時、新規事業を検討していたのですが、既存サービスは充足してきたと感じていました。国の方向性から察するに、小規模多機能とグループホームを伸ばしていくということだったので、参入を決意しました。運営をしてみると、それほど赤字に苦しむということもなかったので、毎年1~2事業所づつ増やし、現在は、都内に10事業所展開しています。

Q.東京都内で10事業所は凄いですね。都内は特に事業化しやすい不動産情報が入りにくいと思いますが、どのように工夫されているのでしょうか?

A.私たちの法人ではホームページにも記載しているのですが、3つの方法で契約をさせていただいています。1つ目の方法は、土地をお借りして当法人が建物の整備、所有、運営を行う「土地賃貸借契約型」です。2つ目の方法は、オーナー様に建物を建てて頂き、当法人が賃借料を支払って運営を行う「オーナー創設型」。3つ目の方法は、既存の建物をオーナー様、もしくは法人にて改修し、当法人が賃借料をお支払いし、運営を行う「建物改修による賃貸借契約型」です。

Q.一番オススメの契約方法があれば、教えていただけますか。

A.一長一短があるので、一概には言いづらいですね。ただ東京都の場合は、整備費補助としてグル―プホーム1ユニットあたり2,000万~3,000万の補助金がオーナー様に交付される地域もあり、行政が小規模多機能とグループホームの併設で募集していることが多いです。 ですので、「オーナー創設型」が多い傾向にありますね。オーナーさんにとっても、補助金があるのはメリットが大きいですし、我々としても賃借料をお支払いする形ですので、「土地賃貸借契約型」と比較すると、初期投資を抑えられるのがいいところですよね。ちなみに最近は、認知症のニーズに対しての供給量を追いつかせるために、小規模多機能とグループホームのセットで区の方から募集がかけられていて、小規模多機能の補助金とグループホームの補助金と併設補助金を合わせて1億弱の補助金が出る重点区域もあるようです。

Q.開設当時、小規模多機能型居宅介護の事業運営はいかがでしたか?

A.契約方法によるのですが、「オーナー創設型」で運営する場合には、運転資金しか経費がかからないので、初期投資がほとんどかかりませんでした。登録者も1年目で20名は集まりましたので、単月黒字は6ヶ月前後、累積黒字は2年前後でクリアできていました。

Q.1年目で登録者20名は素晴らしいですね。新規利用者の紹介をいただくためのポイントは何かありますか?

A.近隣の地域住民や民生委員や町内会長を巻き込んでいけるかどうかがポイントです。小規模多機能は地域密着型事業ですから、どれだけ地域の方々と接点を持って信頼してもらえるかによって、長期的には登録者増加に影響を与えます。我々の場合には、管理者が地域との関係を上手に構築してくれたので、内覧会には100名前後にお集まりいただくことができました。あとは、当たり前ですが、きちんと足繁く営業に通うことです。

Q.最初の地域との関係性づくりはとても大事なのですね。小規模多機能は適切な利用者を集めるのが難しいとよく耳にしますが、そのあたりはいかがでしょうか?

A.テクニック的な部分で言うと、あえて最初は難しいケースの登録を受け入れることで、信頼関係を築くことによって、小規模多機能に合う利用者を紹介していただけるようにするということです。まず良い関係性をつくったあと、徐々に小規模多機能を理解してもらうようにアプローチしていきます。適切な利用者を紹介していただけるように促すことを意識しています。小規模多機能の収益化においては、バランスよく利用者様を入れることが重要です。

Q.バランス良くというと、具体的にはどういった視点で評価しているのでしょうか?

A.一番わかりやすいのは、サービス量です。「通い」と「泊まり」の上限が決まっているなかで、「通い」メインの方だけではいけないですし、病院からの退院支援の泊まりメインの方だけを登録してしまうと、登録者を増やすことができなくなります。「訪問」をこれ以上詰めると回らないなとか、ロングの泊まりニーズが多いけど取りすぎると新規が取れないとか、通い・訪問・泊まりの黄金比を崩さないように新規利用者登録の促進やサービス量調整を意識しています。

Q.地域における小規模多機能型居宅介護の必要性について、どう思われますか?

A.小規模多機能は「少人数で、ゆっくり、一緒に、楽しく・・・そして、地域にとことん溶け込むこと」を支援するサービスだと思っています。我々はこの想いを込めて、小規模多機能とグループホームの屋号を『優っくり村』としました。最近になって注目されてきたモデルですが、小規模多機能だからこそ利用できる利用者様や、小規模多機能でしか看ることができないご家族様からの感謝のお言葉を受け取るたびに、改めて、小規模多機能というサービスが、地域において必要なサービスだと実感します。

Q.バランス良くというと、具体的にはどういった視点で評価しているのでしょうか?

A.一番わかりやすいのは、サービス量です。「通い」と「泊まり」の上限が決まっているなかで、「通い」メインの方だけではいけないですし、病院からの退院支援の泊まりメインの方だけを登録してしまうと、登録者を増やすことができなくなります。「訪問」をこれ以上詰めると回らないなとか、ロングの泊まりニーズが多いけど取りすぎると新規が取れないとか、通い・訪問・泊まりの黄金比を崩さないように新規利用者登録の促進やサービス量調整を意識しています。

Q.地域における小規模多機能型居宅介護の必要性について、どう思われますか?

A.小規模多機能は「少人数で、ゆっくり、一緒に、楽しく・・・そして、地域にとことん溶け込むこと」を支援するサービスだと思っています。我々はこの想いを込めて、小規模多機能とグループホームの屋号を『優っくり村』としました。最近になって注目されてきたモデルですが、小規模多機能だからこそ利用できる利用者様や、小規模多機能でしか看ることができないご家族様からの感謝のお言葉を受け取るたびに、改めて、小規模多機能というサービスが、地域において必要なサービスだと実感します。

社会福祉法人奉優会

設立:1999年11月

本社:東京都世田谷区駒沢1-4-15 真井ビル5階
従業員数1,730人(平成30年4月1日現在)で、東京都内に91事業所を展開する社会福祉法人。地域に暮らす高齢者一人ひとりの、その方らしい暮らしを大切に考え、社会全体のニーズを満たすことのできる法人を目指している。ホームページやSNSで定期的に発信される最新情報は、日々の出来事、イベント情報、介護にまつわる豆知識などを写真付きで掲載 し、地域の関係者から大変好評をいただいている。
HP:http://www.foryou.or.jp/

担当コンサルタント

森永 顕成

森永 顕成
介護・福祉グループ 施設介護チーム

船井総研に入社後、様々なBtoCビジネスを経て、介護業界の経営コンサルティングに特化。
利益体質の法人作りをサポートする新人育成体制の構築、社内基準の標準化、生産性を上げる人事制度構築など、マネジメント領域支援を得意としている。現場主義・事例主義・結果主義を信条とし、成功確率の高いコンサルティングを志向。親身な対応、熱心な仕事ぶりから、厚い信頼を得ている。

介護サービス経営研究会

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