研修部とサービス品質認定制度の導入で、たった2年で管理職8名を輩出!

ぬくもあ 山口社長   集合写真

Q:介護事業の立ち上げから研修部組成までの経緯を教えてください。

A:私が社長をしている株式会社ぬくもあは、平成20年に名古屋市にあるケアミックス病院のグループ会社として設立した介護会社です。365日・24時間の介護・看護サービスをご提供できるホスピス型老人ホームの運営をスタートしました。地域の方々にご支持いただいて、18ヶ月間で6施設を立て続けに新規開設しました。
介護事業の開始から3年で年商13億円になり、名古屋市内で一番大きな介護会社と言われるようになりました。一方でお客様やスタッフが増えれば増えるほど、トラブルも増えていったのです。突然スタッフが出社しなくなったとか、スタッフ同士がモメているとか、数名のスタッフから同時に退職願が出たとか、日々いろいろなトラブルが起こりました。
施設長たちも当時は磐石ではなく、トラブルのたびに社長である私が現場に引っ張り出され、実質的に社長兼6施設の施設長をやっているような状態が続きました。
いま思い返せば、採用活動を施設長に任せていて、よっぽど変な応募者でなければ採用していたことも影響していたと思います。新規開設はオープニングスタッフ募集で中途採用ができるのですが、そのあとの補充採用に苦しみました。なかなか応募がなく、給与単価を上げざるを得なくなりました。
ホスピス型老人ホームの人件費率は、50%未満に落ち着くはずの事業モデルです。しかし求人広告を強化しても応募がゼロということもあり、施設が困らないように紹介会社にお願いをしたり、それでも足りないときは人材派遣会社にも依頼を出したりしました。そういうお金の使い方がだんだんと当たり前になっていき、どんどんコストが膨らんでいったのです。
そういう運営状態でしたので、施設長やリーダークラス、将来を期待していたスタッフの退職もよく起こっていました。
派遣会社や紹介会社を利用する前の人件費率は42%でしたが、利用を始めた年の人件費率は59%、その翌年には63%へと、一気にコストアップしました。これでは利益が出ません。入居率が90%を超えているのに赤字になる月もありました。
採用費がかさみ、人件費が毎年上がっていくなかで、売上や入居率を管理するだけでは足元をすくわれてしまう。利益をしっかり見ながら従業員1人1人の生産性とサービス品質の両方を管理していく経営管理手法に抜本的に変えていく必要があると強く思うようになりました。経営効率化を意識するようになったのです。
そんなときに、たまたま目にしたのが船井総合研究所のセミナーDMです。セミナーに参加してみると、業界大手の介護会社で施設長を経験していた経営コンサルタントと出会い、持続的に事業成長を続けている介護会社の採用や人材育成の仕組みを教えてもらい、特に無資格・未経験の新卒でも4年で施設長に育てる仕組みがあることに驚きました。
採用、マニュアル、教育制度、人事評価制度など、人や組織にかかわるあらゆるものを連動させながら仕組みをつくる必要があるということで、自分たちで試行錯誤しながらオリジナルなものをつくっていくより、コンサルティングを受けたほうが早いし安いと思い、すぐに船井総合研究所のコンサルティングを受けることに決めました。

Q:船井総研のコンサルティングの内容と成果を教えてください。

まずは社内研修を行なっていく専門部署を社長直下につくるので担当者を3名抜擢してほしいと言われました。弊社は人に困っている介護会社でしたから、現場から抜擢してくるのは至難の業なのです。しかし、「施設長から人材育成を外さない限り業績は安定しない」と言われ、弊社が人や組織に悩んだ根本的な原因が教育機会の不足だったのかなと思い、現場の反対もありましたが3名抜擢し、サービス品質企画課という部署名をつけました。
サービス品質企画課のメンバーは、各施設でバラバラにつくられ形骸化していた膨大なマニュアル類を集約し、新たな全社統一のサービス基準書を作成していきました。
そのうちに私は、人事評価制度をリニューアルしました。これまでも人事制度はありましたが、しっかり評価してあげたいと思うあまり、仕組みが複雑になり、管理職の業務量が多く、形骸化していました。評価のときだけでなく、普段の仕事のなかで育成ツールとして使えるものに手直ししました。新しい人事評価制度を全社員に周知するために、全施設を回って説明会を開催していきました。
サービス基準書のとりまとめが終わると、研修制度の構築です。年間200回の研修開催を目標に掲げ、多種多様なテーマの研修を企画し、サービス品質企画課のメンバーが研修を開催していきました。
また多施設展開をしている会社ですから、施設間交流や経営理念の浸透をはかるための施策が重要だと考えました。社員主導で企画・実施していく社員総会、職種別や入社時期別など様々な形で開催する懇親会、社長がバーベキューセットを施設に持参してスタッフたちに食事を振る舞う“社長と行く“シリーズなど、社員交流機会を設けることにしました。どうしても中途社員の多い会社ですから、考え方や価値観の違うスタッフもいます。働いているうちにマンネリ化して転職を考えるスタッフもいます。自分の経験では解決できない課題にぶつかることもあります。そういう情報を早くキャッチして、必要な手当てを早くしてあげることは離職対策としてとても有効です。スタッフたちにとって社員交流はお楽しみイベントだと思いますが、社長である私にとっては離職対策です。スタッフ1人1人の本音・本心を見逃さないように真剣に取り組んでいます。
人事評価制度、サービス基準書、様々な社員交流も含めた広い意味での研修が、すべてリンクした制度設計になっています。どれかだけ整備しても、またそれぞれの制度が“存在している・点在している”だけでは経営効率化にはつながらず、むしろ大幅なコストアップになってしまうのではないかと思います。それぞれの制度や各制度のつなぎ方には押さえどころがたくさんあったので、コンサルタントの客観的なアドバイスを受けながら進めて良かったと思っています。
こうした標準化・分業化の取り組みによって人や組織の基礎を固めることで、様々な経営判断や施策が効果を発揮して経常利益で3,000万円の増益に成功しました。
効果は利益だけではありません。スタッフの離職率も大幅に改善し、さらにこの2年間で8名の管理職を輩出することもできました。全員現場から昇格してきたメンバーたちです。
管理職を育てる仕組みができ、標準化された教育プログラムで管理職業務を教えることができるようになったこともありますが、管理職の仕事は定型化できないような仕事も多くあります。スタッフとの関係づくりやご家族対応など、対人的スキルが多い仕事です。
業務標準化や育成を通じて、スタッフ全体のスキル・マインドが底上げされたことによって、マネジメントしやすい組織に生まれ変わったのだと思います。今年1月から、全施設に副施設長を配置することができました。計画的に管理職を育てる仕組みができましたので、中長期的な視座で事業成長を描くことができます。

Q:今後の経営方針を教えてください。

弊社を選んでくれたスタッフたちには、毎日に楽しさや成長を感じてほしいし、生活を支えていける所得を持たせたいとも思います。そのためには、利益を出し続けることと、早く成長する仕組みや長く働ける施策の整備も必要だと思っています。
将来を見据えた経営判断が社長の仕事ですから、人や組織への施策整備こそ私の大切な仕事だと思って日々取り組んでいます。

研修部付加型経営効率化セミナー

担当コンサルタント

橋本 和樹

橋本 和樹
株式会社船井総合研究所 介護・福祉グループ 施設介護チーム チームリーダー チーフ経営コンサルタント

有料老人ホーム大手の施設長として新規開設、組織再生を経験。
複数の施設で即時業績向上、離職率改善の実績を上げる。
投資ファンド傘下の中堅有料老人ホーム運営会社で、経営企画・営業企画。新規事業開発、経営管理体制の構築、入居率改善に従事し、事業再生に貢献。
ビジネスモデル開発、経営効率化を得意とし、中小から上場企業まで幅広く介護経営の支援を行っている。
【講演】富山銀行様、播州信用金庫様、他
【媒体】日経ヘルスケア(2017年9月号)、他

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