在宅での暮らしを支える『最後の砦』、小規模多機能の成功モデル!

小規模多機能は、2006年の介護保険改定で新たに創設された在宅介護サービスです。
国は、2025年までに40万人分の整備を計画しており、小多機需要はますます増加することは確実ですが、軌道に乗せるのが難しい業態と言われています。先行事例、ノウハウがまったくない状態での参入からたった7年で静岡県東部に5事業所を展開し、成功を収めた株式会社ウェルビーイング代表取締役堀井氏に今日の成功に至る経緯を伺いました。

――小規模多機能の事業化に踏み切った経緯を教えていただけますか。

小多機に参入するきっかけになったのは、「グループホームふれあい黄瀬川」です。
社員寮の改修で2006年に開設したグループホームですが、建物1階の活用方法がないまま運営をしていました。住宅街のなかにある立地で、社員寮だった空間・設備を有効活用できる事業を検討しているときに浮上したのが小規模多機能です。

小規模多機能ホームふれあい島郷   ふれあい黄瀬川

――なぜ、小規模多機能だったのでしょうか。

小規模多機能について研究していると、弊社にとっては事業化のメリットがとても多くあることに気づいたのです。1つめは、高齢者が多く住む住宅街のなかに立地していたこと。2つめは、小さな投資で改修できる設備があり、補助金や助成金が受けられる可能性が高かったこと。3つめは、近隣に弊社のグループホームや介護付有料があり、小多機の利用者様にやがてご入居いただける相乗効果を感じたこと。最後に、GHと小多機は親和性が高く人員の緩和策があること、です。

――市内で初の参入ということでしたが、どんなところに勝算を感じたのでしょうか。

「小規模多機能は採算がとりにくい事業だ」という噂は耳にしていましたし、沼津市には小多機が1つもなく先行事例がありませんでした。そういう環境でしたので正直、不安はありました。しかし、さまざまな助成金が受けられそうですし、空室期間が大きな収益減になる介護施設の見込顧客を得られるメリットは魅力的です。幸い近隣で介護施設を運営していたので、ケアマネさんやソーシャルワーカーとの連携もできるだろうとも思いました。「小規模多機能が市内にない」というのも、むしろ競合がいないチャンスなのではないか、という風に受け止め、小規模多機能への新規参入を決意しました。

――事業を軌道に乗せるまでには、どのような課題があったのでしょうか。

1事業所目は市内で初めての小多機開設であったこともあり、市にも応援していただいたり、併設でグループホームを運営して認知度もあったことから、比較的スムーズに利用者登録が進んでいきました。しかし、小規模多機能のサービスをどんな方に、どういう風にご利用いただくのが良いか、周囲のケアマネさんや家族様にご理解いただくことには骨を折った記憶があります。デイ・ショート・ヘルパーが使い放題の定額制サービスであるという勘違いをされてしまっていたのです。サンプルのケアプランや実際にADL・症状が改善した事例をご説明しながら、小規模多機能という新しいサービスの内容をご理解していただけるように地域連携を進めていきました。

――今後の事業展開について教えてください。

徐々にノウハウがたまり、2018年3月には5事業所目の小多機を開設する予定です。地域特性もあり事業所によってバラつきがありますが、月250万円ほどの利益が出ている事業所もあります。スタッフたちも、地域資源とつながりながら、在宅での生活をいかにして支えていくかを考えながら働いてくれており、やりがいを感じてくれているのも嬉しいことです。
弊社は単なる事業拡大ではなく、「町の様々なステージにある利用者様を総合的に支援できる企業グループになる」というビジョンを掲げています。事業拡大とサービス品質向上の両輪を回す経営を行い、地域の方々のお役に立てる会社でありたいと思っています。

担当コンサルタント

沓澤 翔太

沓澤 翔太
株式会社船井総合研究所 地域包括ケアグループ マネージャー

有料老人ホーム大手の施設長として新規開設、組織再生を経験。
複数の施設で即時業績向上、離職率改善の実績を上げる。
投資ファンド傘下の中堅有料老人ホーム運営会社で、経営企画・営業企画。新規事業開発、経営管理体制の構築、入居率改善に従事し、事業再生に貢献。
ビジネスモデル開発、経営効率化を得意とし、中小から上場企業まで幅広く介護経営の支援を行っている。
【講演】富山銀行様、播州信用金庫様、他
【媒体】日経ヘルスケア(2017年9月号)、他

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