【介護経営の未来を拓く】全国的にも希少な「共生型デイサービス」成功の秘訣

近年、高齢者デイサービスの経営に課題を抱える事業所様が増加している中、新たな事業モ デルとして注目を集めているのが「共生型デイサービス」です。介護保険サービスと障害 福祉サー ビスを一体的に提供するこの事業形態は、まだ全国的に見ても数が少ないのが現 状です。しかし、地域共生社会の実現に向けた国の動きとも合致し、その可能性は計り知れ ません。 今回は、全国的にも事例のまだ少ない共生型デイサービスに積極的に取り組んで いらっしゃる 社会福祉法人きしろ社会事業会様の石塚課長に、その運営の秘訣について詳 しくお話を伺いました。今回は、取材の一部をQ&A形式でご紹介させていただきます。高 齢者デイサービスの経 営でお悩みの皆様にとって、共生型デイサービスへの転換を検討す る上で魅力的な情報が満載です。

社会福祉法人 きしろ社会事業会 課長 石塚様

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Q. 株式会社船井総合研究所 介護経営コンサルタント

私どもの法人は、「共生社会」や「SDGs」の考えの元、今、私が管理者を務めている「み ちテラス」の開設前に既に 2 か所の通所事業所を共生型デイサービスとして運営していま した。このため、開設当初から共生型を想定して立ち上げましたので、「みちテラス」は売 上増を目的とした転換ではないのですが、地域全体への貢献という理念が根底にあります。 介護が必要な高齢者の方だけでなく、障害をお持ちの方も一緒に利用いただくことで自然 と多世代交流に繋がるほか、地域で困っている方々に対して、より広く支援の手段を提供で きると考えています。 特に注目していただきたいのが、「8050 問題」への対応です。例え ば 80 代のお母様が 50 代の 障害のあるお子さんのケアをなさっているような世帯では、お 母様が心配で外出できなかったり、ご自身も必要な支援を受けられないケースが少なくあ りません。共生型デイサービスであれば、「お二人とも一緒に当事業所に来てみませんか? 送迎もしていますよ」と提案することで、ご家族が安心して日中を過ごせるきっかけを提供 できます。これは、単に高齢者や障がい者それぞれのサービスを提供する以上の、大きな社 会的な意義があると確信しています。実際、市区町村からこのようなニーズで開設を依頼さ れるケースも多いと聞いております。

共生型デイサービス みちテラス 外観

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Q. 船井総研

「8050 問題」への対応は、まさに地域が抱える喫緊の課題解決に貢献する素晴らしい取り 組みですね。では、次に共生型デイサービスならではの具体的なサービス内容や、利用者様 にとっての魅力について詳しく教えていただけますか?

A. 石塚課長

当事業所の魅力は、やはり「誰でも、その人らしく過ごせる場所」であることです。「高齢 者」や「障がい者」といった価値観ではなく、利用者様には「一人の人間」として接するこ とを徹底しています。当施設では、高齢者の方も障害をお持ちの方も分け隔てなく、皆さん 一緒に活動に参加なさっ ています。具体的な取り組みとしては、「鎌倉海藻ポーク」プロジ ェクトへの参加があります。これは、鎌倉 の海岸に打ち上げられた海藻を回収し、洗浄、 乾燥、粉砕して豚の飼料にするという地域貢献活動です。利用者様には、この海藻の選別や 粉砕、小分け作業などにご参加いただき、その作業に対して少額ですが工賃(障害の方)や 有償ボランティア費(高齢の方)をお支払いしています。これにより、利用者様は「自分た ちのやったことが形になる」「役割がある」と感じ、大きなやりが いとモチベーションを得 られています。中には、職員の手伝いを黙々とこなしたり、洗濯物をたたむなど、各自が得 意なことや役割を見つけて活動する方もいらっしゃいます。このような活動 は、特に障害 をお持ちの方にとっては、社会生活のリズムを整え、就労に向けた一歩にもなります。また、 障害をお持ちの利用者様にとっての大きなメリットは、ドア TO ドアでの送迎サービスが あることでしょう。近隣地域の生活介護事業所では、送迎が毎日ではなかったり、集合場所 までの 送迎という場合が少なくないですが、私どもではご自宅までお迎えに上がりますの で、自力で の通所が難しい方でも安心してご利用いただけます。さらに、障がい者向けの 施設という看板を 大きく掲げていないため、障害に対する心理的なハードルが低いことも、 ご利用に繋がりやすい 要因だと感じています。

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Q. 船井総研

利用者様が自身の役割を見つけ、社会と繋がれる場を提供されているのは素晴らしいです ね。 送迎サービスの提供や、心理的なハードルの低さも大きな強みだと感じました。最後 に、共生型デイサービスへの転換を検討されている経営者の皆様へ、特に留意すべき点や、 成功のための アドバイスをお願いいたします。

A. 石塚課長

高齢者デイサービスが『選ばれる存在』として未来へ進んでいくためには、単なる介護サー ビスを提供するだけでなく、地域社会の多様なニーズに応え、新たな価値を創造していくこ とが不可欠です。共生型デイサービスは、まさにその答えの一つとなり得ます。 もし現在、 高齢者デイサービスの経営に課題を感じていらっしゃるのであれば、ぜひ「なぜ共生型に 取り組むのか」という貴社独自の明確な理念を掲げ、地域に必要とされる存在として、この 共生型デイサービスという新たな可能性を切り拓いてみてはいかがでしょうか。困難を乗 り越えた先には、利 用者様のあふれる笑顔と、持続可能な、そして社会から真に求められ る事業運営が待っていると、私は確信しております。

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