Q.地域包括ケアシステムに対応した事業展開のヒントは?

A.地域包括ケアシステムに対応し、事業を安定・拡大させるためには、「地域のニーズを捉えた隙間サービスへの参入」、「医療機関・多職種との連携強化」、そして「自社の強みを活かした複合サービスの提供」の3つの戦略が不可欠です。

1. 地域の「住まい」と「生活支援」の課題解決

地域包括ケアシステムの目標である「住み慣れた地域での生活の継続」を支えるため、介護保険外の領域に事業を拡大します。

  • 生活支援事業(保険外サービス)への参入
  • 介護保険ではカバーできない「軽度者向けの生活支援(例:買い物代行、家事代行)」や「ゴミ出し、安否確認」といったサービスを、自費サービスとして提供します。これは、地域住民の「ちょっとした困りごと」を解決することで、事業所の認知度と信頼性を高める効果があります。
  • 高齢者向け住まいの確保と連携
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や高齢者向け賃貸住宅の運営、またはそれらの施設との連携を強化します。「住まい」の提供者となることで、介護保険サービス(訪問介護・デイサービスなど)の利用者を安定的に確保できる基盤を作ります。
  • 介護予防・自立支援サービスへの投資
  • 地域包括支援センターと連携し、介護予防教室や運動プログラムを積極的に実施します。これは、将来的な介護保険サービスの利用者候補(見込み客)との接点を早期に持ち、関係性を構築する上で重要です。

2. 医療機関・多職種連携の強化とハブ機能の確立

地域包括ケアの核心である「医療と介護の切れ目のない連携」を実現し、地域内で優位性を確立します。

  • 訪問看護ステーションの開設または連携強化
  • 医療依存度の高い中重度者への対応力こそが、地域における競争優位性の鍵です。訪問看護事業を自社で開設するか、既存の訪問看護ステーションと密接な連携協定を結び、看取りや医療的ケアが必要な利用者を積極的に受け入れます。
  • 多職種連携のシステム化
  • ICT(情報通信技術)を活用した情報共有プラットフォームを導入し、医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャーなどの多職種間での情報連携を迅速かつ正確に行います。これにより、サービスの質を高め、「この法人なら安心」という信頼感を地域から獲得します。
  • 地域の「顔」となる活動への参加
  • 自施設の管理者を、地域ケア会議や行政の協議体へ積極的に参加させます。地域の課題解決に貢献することで、地域における発言権と影響力を高め、事業展開を有利に進めます。

3. 実行体制とモニタリング(計画の実行と検証)

単一サービスから脱却し、複数のサービスを組み合わせた「ワンストップソリューション」を提供します。

  • 小規模多機能型居宅介護(小多機)・看多機への事業転換
  • 「通い」「訪問」「泊まり」を一体的に提供する小多機、さらに看護機能を加えた看多機は、地域包括ケアシステムに最も合致したモデルです。既存のデイサービスや訪問介護からこれらの複合サービスへの転換を検討することで、高い安定性を得られます。
  • 介護・障がい福祉の多角化
  • 放課後等デイサービスや就労支援など、障がい福祉サービスへ参入し、介護事業で培ったマネジメントノウハウや人材採用力を応用します。これにより、収益源を多角化し、法人の安定性を高めます。

船井総研の提言:事業展開成功の要

地域包括ケアシステムに対応するための事業展開は、「医療対応力(中重度者ニーズ)」と「地域コミュニティへの貢献(保険外ニーズ)」の2つを軸に戦略を構築することです。自社が地域の利用者・医療機関・行政にとって不可欠な存在(ハブ)となることで、安定した事業基盤を確立できます。

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