Q.介護事業の経営改善計画書の作成ポイントは?

A.介護事業の経営改善計画書は、単なる収支報告ではなく、「持続可能な高収益体質への転換」と「金融機関や行政からの信頼獲得」を目的としたロードマップです。作成の際は、以下の3つのステップと具体的なポイントを徹底することが重要です。

1. 現状分析と課題の明確化(スタート地点の確認)

具体的な改善策を立てる前に、客観的なデータに基づいて、現在の経営状況を深く掘り下げます。

  • KPI(重要業績評価指標)の徹底分析
  • 売上系: サービス別・部門別の稼働率(例:訪問介護ヘルパー一人当たりの稼働時間)、利用者一人当たりの平均単価、空室率を競合他社や業界平均と比較します。
  • コスト系: 人件費比率(特に適正値とされる70%前後と比較)、採用・教育コスト、車両費などの経費を細かく分析し、ムダなコストを特定します。
  • 収益構造のボトルネック特定
  • 「何が利益を阻害しているか」を明確にします。例えば、「稼働率は高いが、高単価加算を取得できていないため収益が伸びない」のか、「高い離職率により採用コストが人件費を圧迫している」のかなど、具体的な課題に落とし込みます。
  • SWOT分析による強み・弱みの整理
  • 外部環境(介護報酬改定、地域人口動態)と内部環境(職員の定着率、サービスの専門性)を照らし合わせ、自社の真の強み(競争優位性)と克服すべき弱みを明確にします。

2. 数値目標と具体的な施策の設定(ゴールと道筋)

実現可能かつ具体的で、課題解決に直結する施策と数値目標を設定します。

  • 実現可能な定量目標の設定
  • 目標値は、「売上○%アップ」といった曖昧なものではなく、「○年後に人件費比率を現状の80%から75%に改善する」「特定加算を全事業所で取得し、利用者単価を○円向上させる」など、具体的で測定可能な数値で設定します。
  • 施策の「優先順位」と「実行責任者」の明確化
  • 策定した施策(例:ICT導入、ケアマネ営業強化)に対し、短期(3ヶ月以内)、中期(1年以内)、長期(3年以内)の具体的な実行スケジュールと、誰が、いつまでに実行するかの責任者を明確に記載します。
  • 収益改善のストーリー構築(金融機関向け)
  • 計画書は、「課題分析→施策実行→数値改善」という論理的な流れを持つ必要があります。特に金融機関に対しては、「投下した資金がどのように利益に繋がり、借入金の返済が可能になるか」を明確に示す資金計画・返済計画を必ず盛り込みます。

3. 実行体制とモニタリング(計画の実行と検証)

計画を絵に描いた餅で終わらせないための、具体的な運用体制を確立します。

  • PDCAサイクルの確立
  • 月次でKPIの進捗状況を確認する経営会議を設置します。計画と実績のズレを早期に発見し、原因を分析して施策を修正する仕組み(PDCA)を構築します。
  • 全職員への浸透
  • 経営改善計画の内容と目標を、現場の職員にもわかりやすい言葉で共有し、「なぜこの改善が必要なのか」という目的意識を持たせます。職員一人ひとりが計画の実行者であるという意識を醸成します。
  • 専門家の活用
  • 経営改善は専門的な知識を要するため、認定経営革新等支援機関や介護事業に特化したコンサルタントを活用し、計画の策定や実行支援を受けることで、成功確率を高めます。

船井総研の提言:計画書作成の要

経営改善計画書は、「現状の課題」と「解決策の実行可能性」を具体的な数値で語ることが全てです。特に、介護事業は人件費生産性が鍵となるため、ICT導入や業務効率化による人件費最適化を最優先の改善施策として明確に打ち出すことが、計画書の信頼性と実現可能性を高める最大のポイントとなります。

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