Q.M&Aによる介護事業拡大の成功事例は?

A.M&A(合併・買収)による介護事業拡大は、「地域シェアの早期獲得」と「収益構造の改善」を両立させるための有効な戦略です。成功事例では、単に事業所を買うだけでなく、「シナジー効果」を最大限に引き出す戦略が共通しています。

1. M&Aによる介護事業拡大の成功事例に見る戦略

成功事例の多くは、単一サービスでは難しかった規模の経済と事業の多角化を実現しています。

  • 地域ドミナント(集中出店)戦略による成功事例
  • 戦略: 特定の市町村内で、複数の訪問介護、居宅介護支援事業所を持つ事業所を買収。
  • 効果: 地域の利用者やケアマネジャーからの認知度とシェアを短期間で圧倒的に高めました。これにより、営業効率が向上し、本部経費や購買費を統一することで固定費の削減に成功し、高収益体質を実現しています。
  • 事業多角化・クロスセル戦略による成功事例
  • 戦略: 既存の有料老人ホーム事業を持つ法人が、地域で質の高い訪問看護ステーションを持つ事業所を買収。
  • 効果: 入居者に対し、自社で訪問看護サービスを提供できるようになり、サービス単価が向上しました。また、重度化や看取り対応力が高まったことで、施設の競争優位性が増し、入居率が安定しました。
  • 不採算部門の譲受・再生による成功事例
  • 戦略: 経営難で低稼働のデイサービス事業を安価で買収し、自社の強みであるリハビリ特化のノウハウや採用力を投入して再生。
  • 効果: 早期に稼働率を回復させ、赤字部門を高収益部門へと転換しました。特に、採用力のある大手法人が中小の優良事業を吸収するケースで、この成功が見られます。

2. M&Aを成功させるための具体的なポイント

M&A後のシナジー効果を最大化し、失敗を防ぐために以下の点を徹底します。

  • 人事・組織文化の統合(PMIの徹底)
  • M&A後の最大の課題は人材の流出と文化の違いです。買収後すぐに、両法人の職員に対し、M&Aの目的と新しい経営方針を丁寧に説明する場を設け、新しい人事評価制度や給与体系を早急に統一します。
  • デューデリジェンス(詳細調査)の徹底
  • 財務状況だけでなく、コンプライアンス体制、職員の離職率、介護報酬の不正請求リスクなど、「見えない簿外債務」を徹底的に調査します。特に、法令遵守リスクはM&A後に大きな損失となるため、専門家による厳格なチェックが必要です。
  • 本部機能と間接コストの統合
  • 経理、総務、人事、ITシステムといった本部機能を速やかに統合し、重複する間接コストを削減します。これにより、M&Aの最大の目的である規模の経済(コスト削減効果)を早期に実現します。

船井総研の提言:M&A成功の要

介護事業のM&A成功は、「ヒト」にかかっています。買収対象の職員や管理者が持つノウハウ、地域との信頼関係こそが真の財産です。M&A後の人事評価、教育体制、企業文化の統合(PMI)に最も資源を投入することが、高収益化と事業拡大を成功させる鍵となります。

無料経営相談のお問い合わせ
contact us

WEBからのお問い合わせ

お問い合わせフォームはこちら

お電話でのお問い合わせ

0120-958-270 (受付時間 平日9:00~18:00)0120-958-270 (受付時間 平日9:00~18:00)

介護・福祉経営.comを見たとお伝えください。

ページのトップへ戻る