みなさま、こんにちは!
生活介護を運営されている皆さまは報酬改定の変更が多く対応に悩まされたのではないでしょうか。報酬改定の対応は完了しておりますでしょうか。
今回の改定では、サービス提供時間区分が7つに分割され、区分4以下・6時間未満では報酬が減額されるなど、大きな変更点があります。
しかし、適切な対策を講じることで、収益アップのチャンスに変えることも可能です!
今回のメルマガでは、R6年度報酬改定のポイントと、生活介護事業の収益アップを実現するための具体的な対策をご紹介します。
基本報酬の考え方
報酬改定によりサービスの時間・利用者の区分ごとに基本報酬の細分化がされました。支援時間により報酬単価がかわるというのは長時間で支援を行っている事業所への評価が高まったように思います。
今後の生活介護運営としては「区分4以上、6時間以上のサービス提供」を行っていくことを目標にしましょう。
支援時間については、事業所にいる時間だけでなく利用者の特性に合わせた「配慮」の時間を加算したり、送迎時の支援時間を加算することも可能です。
具体的には、医療的ケアが必要な方、重症心身障害者、行動関連項目10点以上の方は、利用時間+2時間として所要時間を計算できます。
また、送迎時に居宅内で行った支援(着替え、移乗など)についても、利用時間+1時間として加算できます。
これら制度の意図を正確に把握し、サービス提供時間を長く設定することで、報酬をアップすることが可能になります。
支援の質も高めるための加算取得
加算ポイント①
看護職員配置加算や重度障害者支援加算などを積極的に取得しましょう。
看護職員配置加算は、常勤換算の人数ごとに加算取得が可能になりますが、利用人数が少ない段階では人件費の方が加算額を上回ることも想定されます。
しかし、看護師を配置することで支援の品質を高めることにもつながり、「看護師が常駐している」ということで集客にもつながります。
利用状況を見ながら適切に配置をしていきましょう。
加算ポイント②
重度障害者支援加算は、IとIIがあり、利用者の状況に合わせてどちらを取得するか検討しましょう。
看護職員の配置人数や利用者の区分の状況により取得すべき項目が異なりますが、区分6以上や医療的ケア、強度行動障害の支援を行っている場合は積極的に取得すべき内容になります。取得の際は現在の利用者の状況を改めて把握し適切に取得していきましょう。
加算ポイント③
入浴支援加算や喀痰吸引等実施加算を取得することで、サービスの質向上をアピールできます。
入浴支援加算は、1日あたり80単位、喀痰吸引等実施加算は、1日あたり30単位の加算となります。
これまで特に入浴については職員の負担もあり実費負担のところも多かったのですが加算の評価が加わったことにより通常の支援の一環として入浴を支援するところが今後増えていくと予想されます。
加算ポイント④
栄養スクリーニング加算や栄養改善加算も、利用者の健康管理に力を入れていることを示す良い指標となります。
栄養スクリーニング加算は、半年に一度、利用者の栄養状態を確認し、その情報を相談支援専門員に提供した場合に、5単位/回取得できます。
栄養改善加算は、低栄養や過栄養状態、そのおそれがある利用者が対象で、1回につき200単位算定可能です(上限:月2回)。
これらの加算を取得することで、報酬アップとサービスの質向上を両立させることができます。
重度化・医療的ケア対応の強化
重度の利用者にも対応できるよう、看護師の採用や研修体制を整えましょう。
重度化・医ケア対応を強化することで、他事業所との差別化を図り、専門性をアピールすることができます。
具体的には、看護師の積極的採用や、医療的ケアに関する研修などを実施することで、職員のスキルアップを図りましょう。
また、重度化・医療的ケア対応に対応した設備・レイアウト変更をすることも重要です。
【職員の確保・育成】
質の高いサービス提供には、優秀な職員の確保が不可欠です。
職員の採用・育成に力を入れるとともに、働きがいのある職場環境を作ることも重要です。
まずは法人内・事業所内でケース会議・研修の時間をしっかりと確保し運営を行っていくことが重要です。長時間+送迎の支援では情報交換の時間もままならないケースが多く散見されます。
そのため支援時間だけになってしまわないように法人としての運営体制を整えましょう。
今後必要となる集客・マーケティング活動
【成長期から成熟期のマーケティングへ】
生活介護の対象者は増加傾向だったところから徐々に横ばいの推移へと変わってきております。放課後等デイサービスや就労継続支援B型のように右肩上がりで利用者が増加していない状況の中で「選ばれる事業所」になっていくためには今の利用者への支援を充実させるだけではなく、外部へ向けた情報発信活動が重要になってきます。
また、現在利用者が集まりきらず、稼働率が上がっていない事業所ではこれまでのやり方にとらわれず、抜本的に集客・マーケティング活動を変えなければこれから業績を伸ばし安定運営していくことは難しいでしょう。
【WEB・販促媒体を活用した集客】
これまで相談支援や特別支援学校からの紹介に頼っていた集客経路だけでは問い合わせすら確保が難しくなってきております。
これは競合事業所が増えたことや共同生活援助が増加したことにより、サービスが多様化し、事業所のサービスについて「比較検討」することになっていることが要因です。
ではなにで比較検討するかと言うと事業所のホームページ・SNSやチラシ・パンフレットなどの販促媒体になります。
ただ媒体を持っていれば良いということではなく、
①支援・サービスの内容を明確にアピール
②事業所内・職員の様子がわかる視覚的情報
③これまでの支援実績や対応できるサービスの掲載
以上のようなポイントをおさえた内容の広報を行っていきましょう。
地域へのブランディングの確立
生活介護の利用者は一度事業所と契約すると他事業所へかわることはあまりありません。これによって後発の事業所は集客活動に苦戦するケースがでてきております。
しかしながら、各事業所ごとに対応できる支援内容や設備の状況は異なります。しっかりとした集客・マーケティング活動を行うことで事業所の強みをアピールしていきましょう。
また、ただ集客活動を行うだけでなく、地域の関係機関とも連携し勉強会やセミナー、保護者向けの講演会なども開催していくことで地域を巻き込んだ支援体制の構築をすることができます。
地域の中で障がい福祉の支援を推進するブランディングの活動も行い、地域全体の福祉の輪を広げていきましょう。
生活介護事業のご相談について
船井総合研究所では、加算取得から利用者集客・稼働率アップ、運営面のサポートまで生活介護の支援を行っております。事業運営にお悩みの方・今後さらに伸ばしていきたい方はぜひご相談ください。
まずは経営のポイントについて資料にまとめさせていただきました。ぜひダウンロードしてご活用ください!
生活介護の業績アップを実現する経営のポイント
生活介護を運営されている皆さまは報酬改定の変更が多く対応に悩まされたのではないでしょうか。報酬改定の対応は完了しておりますでしょうか。
今回の改定では、サービス提供時間区分が7つに分割され、区分4以下・6時間未満では報酬が減額されるなど、大きな変更点があります。
こちらの資料では、R6年度報酬改定のポイントと、生活介護事業の収益アップを実現するための具体的な対策をご紹介します。
この記事を書いたコンサルタント
中谷 文哉
大学卒業後、船井総合研究所に新卒入社。 運動学習特化型放課後等デイサービス、専門特化型の児童発達支援事業所、多機能型事業所の新規開発・業態転換・活性化をメインにコンサルティングを行う。現在は、「一般就労」を実現すべく、就労移行支援、就労継続支援A型、就労準備型放課後等デイサービスの新規開発・業態展開・活性化も手掛ける。 採用・集客からカリキュラム構築まで、現場に寄り添ったサポートを行う。