いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。船井総研の家徳(かとく)です。今回は、経営者様からいただく質問として多い、
・精神科訪問看護と訪問看護の違い
について解説いたします。
精神科訪問看護と訪問看護の違い
訪問看護の基本的なサービス概要をお伝えすると、病気や障がいを持つ人々が自宅で適切な医療サービスを受けられるようにするサービスです。訪問看護には「精神科訪問看護」と「通常の訪問看護」の2種類がありますが、いくつかの違いがあります。
1つ目は、利用対象者の違いです。精神科訪問看護は、精神疾患を対象にしたサービスになりますので精神疾患を持つ患者、例えば統合失調症、双極性障害、うつ病、強迫性障害など精神疾患を患っている方が対象です。一般的な訪問看護は、身体的な病気や障がいを持つ方が主な対象です。たとえば、脳卒中後のリハビリ、心臓疾患、糖尿病管理、外科手術後のケア、高齢者の場合は悪性腫瘍などの麻薬管理、褥瘡処置などの身体的な健康問題が主で、精神疾患については特にフォーカスしていません。
2つ目は、報酬構造の違いです。通常の訪問看護の場合、上記で述べたように利用者が身体的な病気を抱えている等、高齢者かつ要介護認定を受けている方が多いです。そのため、
介護保険が適用されます。通常の訪問看護でも例えば、末期の悪性腫瘍やパーキンソン病等の神経難病を抱えている方は医療保険適用なります。ご存じの方も多いと思いますが、
医療保険の場合は、介護保険のような要介護度に応じた利用上限という概念がないため、
保険報酬額が大きくなる傾向があります。
ちなみに、精神科訪問看護は医療保険適用のサービスになります。医療保険の報酬構造が
分かりづらいため、下記の図を見ていただければと思います。
医療保険は、図に示す通り、基本療養費と管理療養費の足し算で1日の訪問単価が
決まっておりますが、訪問先が一般在宅か、グループホームのような施設に集中訪問するかによって単価が変わってきます。1ヶ月の総訪問回数で平均を取るとおおよそ、一般在宅に訪問する場合が、約9,000円、施設への訪問が6,000円というイメージです。
3つ目の違いは、看護の内容の違いです。利用者の属性が異なりますので当然看護の内容も
違いがあります。通常の訪問看護の場合は、身体的なケアが中心で、傷の処置、投薬の管理、リハビリテーション、栄養管理、入浴や生活の援助などが含まれます。また、患者の身体状態の観察や家庭内での環境整備も行われます。
精神科訪問看護は服薬の管理や日常生活のアドバイス、セルフケアの援助など、ご利用者様が精神疾患と上手に付き合いながら安定した生活を送るためのサポートを行います。通常の訪問看護のような医療処置等は特別発生しないことが特徴です
精神科訪問看護と訪問看護の共通点
ここまで精神科訪問看護と訪問看護の違いについてご説明しましたが、
「精神科訪問看護と訪問看護は業態も違うの?」と思われる方もいらっしゃるかと
思いますが、業態としては“訪問看護“になりますので、指定基準が違うということは
ございません。そのため、これから訪問看護ステーションの立ち上げを検討されてる方は
まずは対高齢者を中心に、事業としての軌道が乗ってきたら精神科に広げるといった
事も可能です。
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この記事を書いたコンサルタント
家徳尚之
入社後は、精神疾患患者・高齢者向けの訪問看護ステーションの立ち上げ、活性化を専門とする。 理論だけではなく、現場主義を重視しており、全国の生の事例を元に現場に入り込んだサポートを得意とする。