農林水産省の事業推進などの効果もあり、近年盛り上がりを見せている農福連携。
しかし、実際のところは、
「農作業をしていきたいが、どこに声をかければよいかわからない」
「農地取得をしたいが、難しいと聞き手が出せずにいる」
「農地や農作業は身近にあるものの、就労支援をしたことがなくうまくできるか不安」
「農業は就労支援の作業には不向きなのでは」
などなど、
様々な懸念から、二の足を踏む事業者が多いことも事実です。
気になるけど、取り組みにくい、そんな農福連携についてまず始めていただきたい第一歩をお伝えいたします。
農業の課題と福祉の課題
現在農業の分野では、
後継者不足を要因に、耕作放棄地の増加が問題視されています。
・農業者のご高齢や病気
・若手人材の不足
などの理由で、後継者不足に陥っている農業の課題解決として、障がい者の就労支援の場に活用をする【農福連携】が今、実は注目を浴びています。
そんな今旬の【農福連携】ですが、実際に取り組むにあたって、
・農業が未経験なので農作業をどのように取り入れればよいかわからない
・就労支援と農業を同時に始めたいが適切な始め方が分からない
・収益性が十分に担保できるのか不安
などなど多くの声をいただいています。
そこで、本日は【農福連携】の仕組みと取り組み方についてお伝えします!
農福連携はまず福祉事業者と農業者の連携体制で!
農福連携と聞くと、
農地を持って、高い品質の作物を栽培して、それで利益も生み出して、、、
果たして農業未経験でできるのか、、、?というようなイメージをされることが多いですが、農福連携の始め方はもっと簡単です。
農福連携の実施形態には、実はいくつかのパターンがあります。
ここでは主な3つの形態をご紹介します。
①農業主体型
農業者自身で福祉事業を始める方法。
②連携型
農業者と福祉事業者が連携体制を取り進める方法。
例1)農業者が就労支援事業所の利用者を受け入れる
例2)就労支援事業所が農業事業者の仕事を受託する
③福祉主体型
福祉事業者自身で農業を始める方法。
本メールマガジンをお読みの福祉事業を運営する事業者様が農福連携を実施する場合、農業をすでに営んでいない限り、必然的に②または③の展開になります。
③は福祉事業者自身で農業をする点、農地の取得の難しさや、栽培ノウハウの欠如などから、簡単には進められません。
最適な参入手法は②の「連携型」として、農業者と福祉事業者が連携を取って始める手法なのです。
連携型で始めるなら、まずは農業委員会・JAへ!
農業経験がない事業者が取りくむ場合、ファーストステップとして連携型が適切であることはご理解いただけたかと思いますが、
「連携型がいいのは分かったけど、どこに声をかければいいの?」
「農業者の知り合いがいないんだけど…」
という心配もあるのではないでしょうか?
連携型で進めるにあたって、農業者の知り合いや接点がない場合、まずは地域の農業委員会やJA、行政の農業担当課に、
障がい者の支援として、農作業を受託したい旨の相談に行くことをお勧めします。
※農業委員会は、農地の売買・貸借の許可、遊休農地の調査・指導などを中心に農地に関する事務を執行する行政委員会です。
実際、日本各地の農業地域では、人手不足や後継者不足の解消のために、農業者育成の仕組みや、農業労働力の確保のための援農制度(農業者の農作業をアウトソーシングする制度)などが存在します。
農業委員会やJA、行政窓口では、農地の動向や出荷のことだけでなく、そういった農家の支援にかかわっており、農作業を受託するうえでの橋渡し的な役割を担ってもらえるケースが多くあるのです。
貴法人の状況に応じた最適な手法を!
農業委員会やJA、行政担当課の接点ができ、案件をいただければ、あとは業務を受託する体制を整えるのみです。
本日本メールマガジンでは、連携型の農福連携を進めるうえでの最初の一歩をご紹介しましたが、最適な取り組み方は法人様によりけりです。
そもそも就労支援事業もこれから始めるという方などは、事業の収支イメージもわきづらいのではないかと思います。
そこで、船井総研では、就労支援の事業収支を含む、農福連携の実態と進め方、事例を簡単にまとめた無料レポートを作成させていただきました。