老人ホームの稼働率が90%を越えたらすべきこと

2020年8月4日配信

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老人ホーム紹介

高齢者の「住まい」である有料老人ホームの入居率は高く、厚生労働省が2017年に発表した調査資料によるといずれの施設類型においても入居率は8割を超えています。
入居者の内訳を見ると7割以上の入居者が要介護以上であり、その内要介護3以上が約41~48%と半数近くを占めています。そこで、入居率が90%を越えた老人ホームで重要となるのは高齢化に伴い増加している高齢者の「住まい」として増えている老人ホームですが、入居者の半数が要介護3以上です(2017年厚生労働省資料より)。つまり、2人に1人が自分で立ち上がることや歩くことが難しく、排泄や身だしなみのお世話といった身の回りのことができない介護状態なのです。

 自法人の通所介護や通所リハ、訪問介護などで対応している法人様も多いと思いますが、入居者の平均年齢が85歳超の老人ホームで「自社サービスの提供は介護のみ」に課題を感じている経営者様もいらっしゃると思います。

その課題を解決する方法は『医療体制の構築・強化』です。
具体的には、訪問看護ステーションの併設による看護ケアの導入とリハビリです。日本看護協会によると訪問看護の利用者の6割が要介護3以上であり、施設での看取る需要も増加していることを鑑みても医療体制の構築あるいは強化が必須事項といえます。
要介護になる方の6割は脳卒中や心疾患など基礎疾患を持っているため(2016年 厚生労働省)、健康管理や床ずれ・皮膚の擦過傷の治療等、介護とは異なる点でケアが必要です。
また、理学療法士などが行うリハビリで機能低下の予防、ADL維持への取り組みも保険収益として見込めます。


(出展:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査」)

2017年の厚労省資料によると、約半数の施設が医療系のサービスは導入せず、3~4割が外部へ依頼しています。
それはなぜか、「必要なのはわかるけど、、、」と、一歩進めないで悩まれている方から挙がる3点についてお答えします。

① 採用ができるか不安
② 内製化をするメリットがあるか(外注で良いのでは?)
③ ケアプランいっぱいに介護保険を使っているから導入できない

①の看護師採用については数か月かけ、こちらで選んで意欲の高い看護師を採用します。説明会を開催することが多く時間と労力はかかりますが、採用した後を考えれば妥協なく時間が掛かっても良いというスタンスをとりましょう。90%超の稼働率で利益が出ていれば採用への投資も前向きに検討していただけると思います。
②③のについて、健康状態の悪化による退居リスクを回避できますし、医療報酬の算定も可能です。外注はその収益を全て外に出していることになりますし、自施設でのノウハウ蓄積になりません。そのため収益力を高め継続的な発展のためには内製化が良いと言えます。
介護プランの変更は多職種連携で進めます。看護やリハビリは医師との連携が必須でありケアマネへ介護計画(ケアプラン)の変更を打診する際には十分な理由を伝えることができます。

最後に、高齢者の増加による需要に対し上回るスピードで施設数(供給量)が増えてきているため、建てれば勝手に入る時代ではなくなってきました。
高い稼働率を維持し続ける次の一歩として医療体制の付加に取り組んでみてはいかがでしょうか。

【医療体制の構築に向けたサ高住・住宅型有料老人ホームへの訪問看護・リハビリ付加セミナーのお知らせ】
船井総研では住宅型有料・サ高住へ訪問看護ステーションとリハビリを付加することによって稼働率UP、単価UPを達成する方法をオンラインセミナーにてお伝え致します。
看護師、理学療法士の採用手法やケアプラン変更のための具体的な手法もお伝えします。
開催日    2020年8月11日(火)
時間     10:00-11:30、13:00-14:30
※内容は同じです
開催方法   オンラインのみ
申込ページ  https://www.funaisoken.co.jp/seminar/064178

この記事を書いたコンサルタント

久積 史弥

理学療法士として病院、介護会社の責任者を経験した後に船井総合研究所に入社。前職では訪問看護事業の営業、看護師・理学療法士など約30名のマネジメントに従事、高収益事業として組織を牽引した実績を持つ。 現在は、介護・医療・保険外と幅広い領域でコンサルティングを行う。新規事業の立ち上げの経験が豊富であり、資格者採用・育成による組織活性化、営業による顧客獲得を得意とし、事業推進の手腕に定評がある。

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