2020年が幕を開け、1月7日に「老人福祉・介護事業」の倒産状況(東京商工リサーチ)が発表されました。
件数は2017年の過去最多に並ぶ111件と4年連続の100件超です。
業種別では、1位が「訪問介護事業」で58件(前年45件)、次いで、デイサービスを含む「通所・短期入所介護事業」が32件(同41件)です。
倒産が進む背景には販売不振に加え、人材不足と人件費の上昇がありますが、その流れの中一人当たりの生産性が高く、次の稼ぎ頭として注目されている自費事業についてのご相談が増えてきました。
私は自費リハビリ事業のコンサルティングをしていますが、ご相談の中で必ず議題に上がるのは、
「先を考えて保険の影響がない自費(保険外)リハビリ事業をはじめたい」
「できるだけ低リスクではじめたい」の2つです。
低リスクではじめる方法としては既存の人材や空き場所・時間を有効活用することです。
会社の現在の状況からリスクが低くはじめやすい方法をパターン別にご回答致します。
パターン①:リハビリの国家資格者がいる×空き場所・空き時間がある
この場合が最もはじめやすいパターンです。
理学療法士・作業療法士が在籍していれば事業立ち上げ時期を明確に決めることができます。教育・営業・仕組み化を余裕をもって進められるため事業開始時に失注するケースを抑え、開設時から安定収益が見込めます。空き場所や時間を活用する場合として多いのはデイサービスの送迎後などを活用することですが、地域需要などマーケティングをした上で顧客がつきながら最適な立地へ出店ができるなどメリットがあります。
パターン②:リハビリの国家資格者がいる×空き場所・空き時間がない
この場合もはじめやすいパターンです。
スタッフは既存事業に従事したまま教育が可能ですし、テナントを探している間に近隣の介護施設や医療機関とより密な連携を築いておくことが可能です。新規事業の営業を早期に開始できることが利点となり、営業時に既存事業のブランドを活かすことで相手の心理的ハードルを下げることが可能です。
また、販促活動を行いながら立地選定を妥協なく進められる点でメリットがあると言えます。
パターン③:リハビリの国家資格者がいない×空き場所・空き時間がある
この場合も②同様にはじめやすいパターンです。
既存の施設内に空き場所や空き時間があれば固定費が上がるタイミングは採用後になるため、
それまでは採用に注力しながら備品や書類などオープンに必要な環境整備を進められます。
パターン④:リハビリの国家資格者がいない×空き場所・空き時間がない
この場合は立ち上げに時間がかかることを想定した予算組が必要になります。中長期的な視点を持ち自社内で本当にリソースがないのか、代替手段がないか検討することをお勧めします。
いかがでしたでしょうか?
既存の資産を有効活用した新規事業のはじめ方にご興味を持っていただけましたでしょうか?
新規事業は自社の資産を見直し新たな戦略を描く機会となります。是非このタイミングで企業の成長に向けた自社資産を見直してみてください。
船井総研では今回ご紹介したパターン②:既存スタッフを活用して新規参入の事例となった企業様をゲストにお招きし、「保険外リハビリ新規参入セミナー」を3月12日(木)・18日(水)に実施致します。
スタッフ1名が介護事業と併用で勤務し、予約が入った時のみ自費対応を行う方法で開始しましたが、半年後には月売上150万を達成し自費部門へ選任するに至った事例となります。
事業参入から1年半が経過し、年商2,000万モデルとして順調に成長している会社様です。
本セミナーは人気セミナーのため保険外ビジネスをお探しの経営者様はお早めにお申込み下さい。
【ゲスト事例レポートのダウンロード・お申し込みはこちら】
https://lpsec.funaisoken.co.jp/kaigo-keiei/seminar/056501_lp/
この記事を書いたコンサルタント
久積 史弥
理学療法士として病院、介護会社の責任者を経験した後に船井総合研究所に入社。前職では訪問看護事業の営業、看護師・理学療法士など約30名のマネジメントに従事、高収益事業として組織を牽引した実績を持つ。 現在は、介護・医療・保険外と幅広い領域でコンサルティングを行う。新規事業の立ち上げの経験が豊富であり、資格者採用・育成による組織活性化、営業による顧客獲得を得意とし、事業推進の手腕に定評がある。