いつもお読みいただきありがとうございます。
(株)船井総合研究所の三浦です。
コロナや報酬改定、不況などは
高齢者市場にも大きな影響を及ぼしております。
本メルマガでは
ここ数年で高齢者が求めるものが
どのように変わっているのかを
お伝えさせていただきます。
高齢者のお金事情
ご存じの通り、今の日本においては
高齢化が進んでおり、2025年を境に
高齢化がさらに加速といわれております。
それと比例して増えているのが、
高齢者の貧困化です。
令和3年時点での厚生年金の平均受給額は
14万円となっております。
また、日本における生活保護の受給者は
約200万人となっており、
その半数である100万人が高齢者であるとの
データも出ております。
地域や人によっても異なりますが、
介護施設を利用するためには月々15~20万円ほどの
予算が必要で、先にお伝えさせていただいた内容を踏まえると
介護施設を利用できない人が数多くいるというのも現状です。
であれば、低予算で入所できる特別養護老人ホーム、
通称、特養と呼ばれる施設のニーズはより一層上がり、
満床状態かつ待機者も大勢いる特養が
多いのではないかと思われるのではないでしょうか。
しかし、現状として特養の入所を待つ高齢者は減少しており、
空室が発生している特養なども増えてきております。
揺れ動く「介護保険制度」
現時点で介護サービスを利用している方は
約640万人と高齢者の5人に1人が
介護サービスを利用しております。
介護保険制度は3年1回の頻度で
その時の市場や日本の社会問題などを踏まえて
改訂が行われます。
次の改定は2024年であり、
大枠もすでに発表されております。
2024年の改定で、
今回大きな問題となっているのが
「要介護1.2の総合事業化」です。
いわば、比較的多く介護サービスを必要とする利用者も
介護保険をあまり利用できない状態にしてしまうというものです。
もちろんながら
多くの介護事業所がこれに反対し
この改定は先延ばしになりました。
この改定が検討されるきっかけとなったのは、
社会保障費に充てる財源が少なくなってきているからです。
先にお伝えしたように
高齢化が進む日本においては、
税金を納める生産年齢人口も比例して少なくなり、
保障費に充てる財源を得ることができないという状況に陥っております。
このような状況下で
今後長く介護事業を展開していくためには
何が必要なのか、それを皆様にご紹介したいと思います。
生き残る介護事業者
市場の変化や競合他社の増加、
度重なる報酬改定を乗り越え、
今後数十年生き残り続ける介護事業者を
目指すためには以下の項目が必要です。
①客単価を上げる
②利用者の獲得数を増やす
③LTVを最大化させる
①客単価を上げる
介護事業で客単価を上げるためには
自費部分(家賃、食費、光熱費、サポート費)の
価格設定を上げるか、介護保険サービスを
多く利用してもらう必要があります。
しかし、ながら自費部分を高単価にすると
利用者の支払額が増え、気軽にサービスを利用できなくなります。
介護保険サービスを多く利用してもらうといっても、
支給限度額が決まっているため、
無理に利用することもできません。
ではどのようにして客単価を上げるのか、
それは医療保険の活用、もしくは新たな価値を創出することです。
最近では少しずつ有名になってきた、
ナーシングホームや看護住宅のように、
重度者の受け入れを行い、介護保険×医療保険での
収益を上げる方法がございます。
「新たな価値を創出」すなわち「付加価値」を出すことを意味します。
具体的には住み替えの際に発生する、不動産売買や後見人、
身元保証、家財整理、引っ越しなど
自費部分での収益化を増やし、
保険に依存しない部分で客単価を上げる方法です。
②利用者の獲得数を増やす
今回は見送りになったものの、
今後「要介護1.2の総合事業化」が実現されるのも
さほど遠くはない状況です。
この影響を大きく受けるのは「中重度者向け」の介護サービスを
提供している介護事業者になります。
「中重度者」の獲得競争は激化するため、
今のうちに集客基盤を構築する必要があります。
③LTVを最大化させる
先程の「客単価を上げる」部分と類似しておりますが、
シニアマーケットにおける介護の分野が占めているのは
全体の2~3割程度と言われております。
少なくとも介護サービスを利用するまでには
様々な場面でマネタイズできる部分がございます。
それらの中で、1つでも自社として内製化することで、
介護サービスの利用前後で収益化を図ることができ、
LTVを最大化させることができます。
いかがでしたでしょうか。
今、高齢者市場には多くの問題があり、
それらを解決するためには現状維持だけでは
難しく、介護事業所としても、収益源を増やし
会社を多角化していく必要があります。
その1つとして船井総研がオススメしているのが、
「入居者紹介事業」になります。
初期投資も少ないマッチングビジネスのため、
高齢者市場で多角化経営を行なっていくための
きっかけとして、ぜひご検討頂けますと幸いです。
▼高齢者市場への参入の仕方▼
この記事を書いたコンサルタント
三浦 潤生
士業、物流業界、医療業界のコンサルティングを経て、地域包括ケアグループに従事。シニア事業の新規事業開発専門の 経営コンサルティング部署であり、老人ホーム紹介事業、シニア向け空き家活用事業、身元保証事業などの事業立ち上げを専門とする。 現在まで100社以上の新規事業立ち上げに携わり、その中で培ったチラシ、販促物を活用したダイレクトマーケティング、 WEBを活用したWEBマーケティング、営業スタッフの採用、育成、営業組織の構築のノウハウは社外、社内問わず定評がある。