【注目ワード】こども園・保育園・幼稚園における”インクルーシブ保育”とは

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所 子育て支援部の米倉です。

昨年6月に「こども未来戦略方針」にて、「地域における障害児の支援体制の強化や保育所等におけるインクルージョンを推進」という方針が打ち出されたことを受けて、
子ども子育てにおいて「インクルーシブ保育」という考え方や取り組みにより多くの注目が集まるようになっています。
しかし、「保育所等におけるインクルージョンを推進」とは具体的にどんな取り組みを行うことか、皆様はどのようなイメージをお持ちでしょうか?

今回のメルマガでは、「保育園」と「児童発達支援・放課後等デイサービス」という2事業によるインクルージョンとは何か、その例をご紹介します。

【園内に開設できる?】インクルーシブ保育のカタチ

「インクルーシブ保育」とは、「障がいの有無、年齢、国籍に関わらず、境遇の違う子どもを分け隔てなく保育する取り組み」のことを指します。

この「障がいの有無にかかわらず、全ての子どもを受け入れる取り組み」の一つが、今回ご紹介する児童発達支援・放課後等デイサービス事業です。

園内の空き教室や、近隣の建物にて児童発達支援・放課後等デイサービス事業を行うことで、これまでの園児の受け入れ態勢をそのままに、
在園児の中で特性が強いお子様やグレーゾーンのお子様へ療育を提供します。

※昨年4月に幼稚園や認定こども園内の空き教室での児童発達支援・放課後等デイサービスの開設が認められるようになりました。

園内設置の強み

園内や園の近隣にて児童発達支援・放課後等デイサービス事業を始めることによるメリットは、下記をはじめとして様々ございます。

・園との連携がしやすい
・(利用者が在園児の場合)慣れた環境のため、場所見知りする可能性が低い

※お子様によっては、場所見知りにより暴れてしまう・泣き叫んでしまう場合もございます。
・「児童発達支援・放課後等デイサービス事業」として独立せず、法人の既存園と一体的に運営することができる
・地域や行政からの「信頼」が高まる

例えば、児童発達支援事業を運営している事業者の悩みの一つとして「保育園での生活のサポートもしていきたいが、なかなか連携できない」というものがございます。
園内や近くに開所することで、利用者のことについて話し合う時間を確保しやすかったり、立ち話で情報交換をすることも可能です。
園と児童発達支援での両方の様子や課題を担任の先生と共有・相談することで、保育中・療育中の園内全ての時間で、お子様の課題にあったサポートをすることが可能になります。

担任の先生方としても、園の生活でのちょっとしたお困りごとを相談しやすいため、より良い保育の運営にもつながります。

園内でのインクルージョンの推進例

愛媛県松山市にある幼保連携型認定こども園 「勝愛幼稚園」を設置・運営する学校法人 勝
愛学園様は、今年7月、園の2 階にある空き教室を活用し、「児童発達支援・放課後等デイサービス ひだまり」を開設しました。園内の空き教室で実施するという特性上、スケジュールやプログラムから、園との連携を重要視しておられます。

「ひだまり」では療育プログラムを「ほっぷ」「すてっぷ」「じゃんぷ」の3STEPに分けています。

通い始めのお子さんは、人見知り・場所見知りが激しいことも多いため、通い始めの頃はまず「ほっぷ」として場所に慣れる、「ひだまり」を好きになってもらうことを目的にしています。

場所に慣れてきたら 小集団療育「すてっぷ」に移行し、小集団療育を行う中で、お友達との関わり方を身に付けていきます。
「すてっぷ」は10:45~11:30に実施しており、園の主活動を一部抜けて、園のプログラムも取り入れた療育を行っています。
こども園の活動内容によっては、集団だとなかなかついていけず、参加が難しかったお子様も、「ひだまり」であればその子に合った活動を個別に行ったり、園のプログラムを自分に合ったペースで行うことができています。

療育が終わると、そのままクラスに戻って給食、午睡がある子は午睡、そして 保育・教育時間に戻っていくことで、クラスのお友達との時間も大切にしながら、その子にあった追加の個別支援を実現しておられます。

学校法人 勝愛学園 大澤氏をゲスト講師としてお招きしたセミナーをオンライン開催


昨年東京・大阪にて開催し、2日程61名ものお申し込みがあった好評セミナーをオンラインで開催します!
ゲスト講師には、学校法人 勝愛学園 副園長、一般社団法人 全国認定こども園連絡協議会 理事、認定こども園・子ども子育て政治連盟 常任幹事を務める大澤氏をゲスト講師としてお招き。
学校法人勝愛学園で昨年度に立ち上げた児童発達支援ひだまりについて、開設のきっかけから実際に取り組んだこと、苦労したことなど網羅的にお話いただきます。

・園に発達障がい児や、グレーゾーンのこどもが増えてきた
・どんなこどもでも受け入れていきたいが、配置できる職員数もあり受け入れに限界がある
・集団活動や午睡が苦手な児童がおり、クラスをまとめる職員の負担が大きくなっている
・近隣に児童発達支援や放課後等デイサービスは増えたが、本当は自分たちで支援をしたい

このようなお悩みを抱える園の皆さまにぜひご参加いただきたいセミナーです。

【開催日程】
・2024/05/22(水)13:00-16:00 @オンライン
・2024/05/30(木)13:00-16:00 @オンライン
・2024/06/11(火)13:00-16:00 @オンライン
・2024/06/24(月)13:00-16:00 @オンライン

【参加料金】
・一般価格 25,000 円 (税込 27,500 円)/ 一名様
・会員価格 20,000 円 (税込 22,000 円)/ 一名様

【セミナー詳細】
詳細は、こちらからご確認いただけます。
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/111088

お申込みお待ちしております。

この記事を書いたコンサルタント

米倉百萌花

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