食事提供加算の算定要件と単位数を徹底解説|児童発達支援・放課後等デイサービス

  • 障がい福祉
公開日
更新日
執筆者石川 善大
コラムテーマ放課後等デイサービス
SHARE

2024年度(令和6年度)の報酬改定では、終了が見込まれていた「食事提供加算」の経過措置が延長され、さらに障害児の栄養面・特性に応じた配慮や食育の取組を評価する形に見直されました。このコラムでは、見直された食事提供加算の概要や算定要件、単位数、実務上の注意点を分かりやすく解説します。

食事提供加算とは?

食事提供加算は、低所得者・中間所得者世帯の障害児の食費に係る経済的負担を軽減するために、調理室を使用して食事を提供する体制を評価する加算です。2024年度の改定では、単に食事を出すだけではなく、栄養士・管理栄養士の関与のもとで、障害児ごとの栄養面の配慮や食育、成長状況の記録などに取り組むことが求められ、その取組内容に応じて(Ⅰ)・(Ⅱ)の2段階で評価されるようになりました。

なお、本加算は「児童発達支援センターの調理室を使用すること」が要件となるため、実質的には調理室を有する児童発達支援センター等が対象となります。自事業所が算定可能かは、事前に管轄自治体へご確認ください。

【一覧表】食事提供加算の単位数まとめ

取組内容に応じて(Ⅰ)と(Ⅱ)の2区分に分かれており、単位数と主な要件は以下のとおりです。

項目 食事提供加算(Ⅰ) 食事提供加算(Ⅱ)
単位数 1日につき30単位 1日につき40単位
指導者 栄養士(又は管理栄養士) 管理栄養士
主な要件 食育・記録の5つの取組 5つの取組+年1回以上の研修会開催

いずれも「1日につき」の単位数です。低所得・中間所得世帯の障害児に対して食事を提供した日に算定しますが、体制に対する評価のため、1日に複数回提供しても複数回分の算定はできません。

算定するための必須要件

本加算を算定するためには、以下の要件を満たす必要があります。

調理体制と対象者に関する共通要件

(Ⅰ)(Ⅱ)に共通する、調理体制と対象者の要件です。

  • 児童発達支援センターの調理室を使用して調理された食事を提供していること。
  • 事業所が自ら調理を行うか、または最終的責任のもとで第三者に委託して提供していること。
  • 低所得者又は中間所得者世帯の障害児を対象とすること(受給者証に対象である旨が記載)。

栄養士・管理栄養士の関与と5つの取組

(Ⅰ)は栄養士(又は管理栄養士)、(Ⅱ)は管理栄養士が、献立の確認と支援・助言を行い、その指導のもとで次の取組を実施します。

  • 障害特性・年齢・発達の程度・食事の摂取状況等を踏まえた適切な食事提供を行うこと。
  • 障害児ごとの食事の摂取状況を把握し、記録を行うこと。
  • 定期的に身体の成長状況(身長・体重等)を把握し、記録を行うこと。
  • 食に関する体験の提供やその他の食育の推進に関する取組を計画的に実施していること。
  • 家族等からの食事・栄養に関する相談等に対応し、対応した日時と相談内容の記録を行うこと。

(Ⅱ)で追加となる要件

上位区分である(Ⅱ)を算定する場合は、上記の取組に加えて、指導者が管理栄養士であること、かつ次の要件を満たす必要があります。

  • 年に1回以上、障害児の家族等に対して食事や栄養に関する研修会等を開催し、食事に関する情報提供を行うこと。

実務上の注意点

加算を適正に算定し、運営指導(実地指導)で指摘を受けないためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

経過措置の期限(令和9年3月31日まで)

本加算は経過措置として実施されてきたもので、令和5年度末での終了予定が2024年度改定で「令和9年3月31日まで」延長されました。今後の取扱いは改定の動向を注視する必要があります。

期限付きの加算であるため、中長期の収支計画では「経過措置」であることを前提に見込むと安心です。

算定できない提供方法

本加算は「調理室を使用した食事提供」を評価するため、次のような提供方法は認められません。

  • 施設外で調理したものを搬入する方法
  • 出前や市販の弁当を購入して提供する方法

複数回提供と食材料費の取扱い

本加算は体制に対する評価であるため、1日に複数回の食事を提供した場合でも、複数回分を算定することはできません。

ただし、特定費用としての食材料費については、複数食分を保護者から徴収することは可能です。

栄養士の確保が難しい場合の取扱い

献立の確認や助言・指導については、必ずしも自事業所の従業者である必要はなく、以下のいずれかの方法による対応も認められています。

  • 同一法人内に勤務する栄養士・管理栄養士の活用
  • 保健所や栄養ケアステーション等の外部機関の活用
  • 第三者に調理を委託している場合は、委託先の栄養士・管理栄養士による指導・助言

【Q&A】実務で迷いやすいポイント

Q1. 出前や市販の弁当を障害児に提供した場合でも算定できるか。

A1. 算定できません。本加算は調理室を使用した調理を評価するものであり、出前や市販弁当の購入、施設外で調理したものの搬入による提供は対象外です。

Q2. 1日に昼食とおやつの2回提供した場合、2回分算定できるか。

A2. できません。本加算は食事を提供する体制に対する評価のため、1日に複数回提供しても算定は1日につき1回分です。ただし、食材料費自体は複数食分を保護者から徴収できます。

Q3. 自事業所に栄養士がいないが、それでも算定できるか。

A3. 一定の体制があれば算定可能です。自事業所に栄養士・管理栄養士がいない場合でも、同一法人内の栄養士、保健所・栄養ケアステーション等の外部機関、委託先の栄養士等から指導・助言を受ける体制があれば要件を満たします。

※出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」(実施上の留意事項・報酬告示)https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/shisaku/hoshukaitei

※出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/253aba4f-3ce0-4aa1-a777-3d42440f1ca2/25400d3f/20240412_policies_shougaijishien_shisaku_hoshukaitei_45.pdf

まとめ:地域に選ばれる事業所を目指して

食事提供加算は、単に食事を出す加算から、栄養士・管理栄養士の関与のもとで障害児の成長と食育を支える質の高い取組を評価する加算へと見直されました。要件解釈や記録の適正化、栄養士の確保体制に不安がある場合は、専門のコンサルティングを活用することも一つの手です。

専門コンサルタントによる経営支援:船井総合研究所

加算の積極的な取得や、食育・栄養管理の仕組みづくり、実地指導を見据えた書類整備にお悩みの方は、ぜひ業界最大級の支援実績を誇る船井総合研究所にご相談ください。

船井総合研究所(障がい福祉全全般)

株式会社船井総合研究所では、全国の児童発達支援・放課後等デイサービス事業所を対象に、報酬改定に即した収益改善と組織づくりをサポートしています。

  • 加算取得の最適化: 漏れのない算定と、実地指導に強い記録管理体制の構築。
  • 集客・契約率の向上: 家族支援を強みにした、選ばれる事業所ブランディング。
  • 業界の最新動向の提供: 変わり目をチャンスに変える経営戦略の提案。

障がい福祉サービス経営研究会のご案内

船井総合研究所では、全国の志高い経営者が集う 「障がい福祉サービス経営研究会」 を主宰しています。 累計300社以上の法人が参加し、成功事例の共有や最新の報酬改定対策、生産性向上のためのICT活用術など、現場で即実践できるノウハウを学び合うコミュニティです。 お試し参加も可能ですので、ぜひご検討くださいませ。

  • 全国の成功事例が手に入る: 地域や規模を問わず、高収益・高付加価値な運営モデルを直接学べます。
  • 経営者同士のネットワーク: 悩みや課題を共有し、解決策を導き出す貴重な場を提供。

詳細・お申し込みはこちら:

https://study.funaisoken.co.jp/pages/kaigo-keiei-112662-S036

執筆者 : 石川 善大

大学卒業後、新卒で株式会社船井総合研究所に入社。 児童発達支援・放課後等デイサービス事業のコンサルティングに従事し、新規参入から運営安定化までを一貫してサポート。 特に、学校法人や社会福祉法人による児童発達支援の新規立ち上げサポートを強みとする。