【児童発達支援・放課後等デイサービス】看護職員加配加算の算定要件・単位数を徹底解説|スコア表と計算方法を分かりやすく解説

  • 障がい福祉
公開日
更新日
執筆者水上 京日
コラムテーマ加算・減算,障がい福祉,放課後等デイサービス
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児童発達支援や放課後等デイサービスの運営において、医療的ケアが必要な子どもたちや重症心身障害児を安心・安全に受け入れる体制を整えることは、地域社会における事業所の価値を大きく高める重要な要素です。これらの手厚い看護体制を評価する代表的な報酬が「看護職員加配加算」です。

※看護職員加配加算を取得できるのは、主として重症心身障害児を通わせる重心型の児童発達支援事業所・放課後等デイサービスに限ります。

2024年度(令和6年度)の報酬改定では、医療的ケア児の新スコア(判定基準)の見直しに伴い、配置や評価体系もより実態に即したものへと整理されました。本コラムでは、加算の基本概要から、現場で最もつメインしやすい「スコア判定表」や「具体的な点数の算出方法(新設時の特例含む)」まで、全情報を丁寧に解説します。

看護職員加配加算の概要と対象業種

看護職員加配加算とは、児童発達支援や放課後等デイサービスにおいて、人員基準で定められた基本の配置スタッフに加え、さらに追加で保健師、看護師、または准看護師(以下、看護職員)を配置した場合に算定できる加算です。

主に「主として重症心身障害児を通わせる事業所(重心型)」において、重度の障害やケアが必要な児童への支援体制を評価するために設けられています。

(※重症心身障害児以外の事業所で医療的ケア児を受け入れる場合は、基本報酬の区分や「看護職員配置加算」等での評価となります)

対象となる業種

  • 児童発達支援 (センター型含む)
  • 放課後等デイサービス

看護職員加配加算の区分と単位数

看護職員加配加算は、2021年度(令和3年度)の改定で「加算(Ⅲ)」が廃止され、2026年5月現在は「加算(Ⅰ)」と「加算(Ⅱ)」の2つの区分で構成されています。

事業所の「定員数」や「追加配置する看護職員の人数(常勤換算)」によって、以下のように1日あたりの単位数が決まります。

看護職員等加配加算(Ⅰ)の単位数

利用定員 単位数
5人 400 単位/日
6人 333 単位/日
7人 286 単位/日
8人 250 単位/日
9人 222 単位/日
10人 200 単位/日
11 人以上 133 単位/日

看護職員等加配加算(Ⅱ)の単位数

利用定員 単位数
5人 800 単位/日
6人 666 単位/日
7人 572 単位/日
8人 500 単位/日
9人 444 単位/日
10人 400 単位/日
11 人以上 266 単位/日

※実際の支給額は、これらの単位数に地域区分に応じた「1単位あたりの単価(10円〜11.3円程度)」を掛け合わせた金額となります。

医療的ケア判定スコアと具体的な算出方法

この加算を取得するためには、人員を増やすだけでなく、受け入れている利用児童の「医療的ケアスコアの合計点数」が一定の基準を超えている必要があります。

  • 看護職員加配加算(Ⅰ)の基準 :事業所全体の合計点数が 40点以上
  • 看護職員加配加算(Ⅱ)の基準 :事業所全体の合計点数が 72点以上

点数の算出方法は、事業所の運営期間(実績の有無)によって以下の3つのパターンに分かれます。

前年度の実績が1年以上ある場合(通常の計算)

利用児童それぞれの「医療的ケアスコア」に「前年度の延べ利用日数」を掛け合わせ、その数字を事業所の開所日数で割った数字がスコアになります。

日割りの平均値を算出して全員分を合算します。

各児童の算定点数= 医療的ケアスコア×前年度の児童の利用日数÷前年度の事業所の開所日数

【計算のモデルケース】

事業所の年間開所日数:200日
児童A(スコア16点):年間180日利用└16×180÷200= 14.4
児童B(スコア20点):年間150日利用└20×150÷200= 15.0
児童C(スコア32点):年間100日利用 └32×100÷200= 16.0

★全員の合計点:14.4 + 15.0 + 16.0 = 45.4点

合計が 40点以上 となるため、この事業所は「看護職員加配加算(Ⅰ)」のスコア基準を満たすことができます。

開所・新設から3ヶ月未満の場合(特例)

新設などで前年度の実績がない場合は、「現時点での在籍者(契約者数)」の医療的ケアスコアをそのまま単純に合計した数値 で判定します。

例:スコア16点、20点、32点の児童3名と契約している場合 16 + 20 + 32 = 68点(40点以上なので加算Ⅰを算定可能)

開所・新設から3ヶ月以上1年未満の場合(特例)

開所から最初の3ヶ月間の実績をベースに、以下の方法で日割り計算を行い、算出した数値をその年度(翌年3月まで)の固定値として使用します。

各児童の算定点数= 医療的ケアスコア×3か月間の児童の利用日数÷3か月間の事業所の開所日数

2024年度改定対応:医療的ケア判定スコア表

点数のベースとなる「医療的ケアスコア」は、医師が記入する「スコア票」に基づきます。日中における「基本スコア」に加え、ケアの頻度や難易度に応じた「見守りスコア」が合算されて個人の点数が決定します。

以下は、判定に用いられる代表的なケア項目と点数の一覧です。

医療的ケア(診療の補助行為)の項目

基本スコア

見守りスコア(高・中・低)

1. 人工呼吸器の管理
(鼻マスク式補助換気法、ハイフローセラピー、間歇的陽圧吸入法、排痰補助装置、高頻度胸壁 振動装置を含む)の管理

10点

高:2点、中:1点、低:0点

2. 気管切開の管理
※人工呼吸器と気管切開の両方を持つ場合は、気管切開の見守りスコアを加点しない(人工呼吸器10点+人工呼吸器見守り〇点+気管切開8点)

8点

高:2点、中:2点、低:0点

3. 鼻咽頭エアウェイの管理

5点

高:1点、中:1点、低:0点

4. 酸素療法

8点

高:1点、中:1点、低:0点

5. 吸引(口鼻腔・気管内吸引)

8点

高:1点、中:1点、低:0点

6. 利用時間中のネブライザー使用・管理

3点

なし

7. 経管栄養

経鼻胃管、胃瘻

8点

高:2点、中:2点、低:0点

経鼻腸管、経胃瘻腸管、腸瘻、食堂瘻

8点

高:2点、中:2点、低:0点

持続経管注入ポンプ使用

3点

高:1点、中:1点、低:0点

8. 中心静脈カテーテルの管理
(中心静脈栄養、肺高血圧症治療薬、麻薬など)

8点

高:2点、中:2点、低:0点

9. そのその他の注射管理

皮下注射(インスリン、麻薬など)

5点

高:1点、中:1点、低:0点

持続皮下注射ポンプ使用

3点

高:1点、中:1点、低:0点

10. 血糖測定

利用時間中の観血的血糖測定器

3点

なし

埋め込み式血糖測定器による血糖測定

3点

高:1点、中:1点、低:0点

11. 継続する透析
(血液透析、腹膜透析を含む)

8点

高:2点、中:2点、低:0点

12. 排尿管理
※いずれか一つを選択

利用期間中の間欠的導尿

5点

なし

持続的導尿
(尿道留置カテーテル、膀胱瘻、腎瘻、尿道ストーマ)

3点

高:1点、中:1点、低:0点

13. 排便管理
※いずれか一つを選択

消化管ストーマ

5点

高:1点、中:1点、低:0点

利用時間中の摘便、浣腸

5点

高:1点、中:1点、低:0点

利用時間中の浣腸

3点

なし

11. 痙攣時の管理
※医師から発作時の対応として上記処置の指示があり、過去概ね1年以内に発作の既往がある場合

3点

高:2点、中:2点、低:0点

※加算を申請・算定する際は、児童の受領している「受給者証」の記載、あるいは医師の発行したスコア書面のコピーを事業所内で適切に保管しておく必要があります。

看護職員加配加算の具体的な算定要件

これまでの内容を踏まえ、各区分の要件を整理します。

看護職員加配加算(Ⅰ)の算定要件

人員要件 :配置基準を満たした上で、看護職員(保健師・看護師・准看護師)を常勤換算で 1名以上 追加配置していること。
スコア要件 :全利用児童の医療的ケアスコア(出席率を考慮)の合計が 40点以上 であること。
公表要件 :医療的ケア児への支援が提供可能であることを、インターネット等(自社HPや情報公表システム等)で広く公表していること。

看護職員加配加算(Ⅱ)の算定要件

人員要件 :配置基準を満たした上で、看護職員を常勤換算で 2名以上 追加配置していること。
スコア要件 :全利用児童の医療的ケアスコア(出席率を考慮)の合計が 72点以上 であること。
公表要件 :加算(Ⅰ)と同様に、医療的ケアの受入体制をインターネット上で広く公表していること。

看護職員加配加算に関するよくある質問(Q&A)

Q1:配置する看護職員は「パート(非常勤)」でも算定できますか?准看護師でも大丈夫ですか?

A1:はい、非常勤の組み合わせでも算定可能です。また、准看護師でも問題ありません。
この加算は「常勤換算」で満たしていれば良いため、例えば「週2日勤務のパート看護師」と「週3日勤務のパート准看護師」を組み合わせ、事業所全体で常勤換算1.0名(または2.0名)以上を確保できれば要件をクリアできます。

Q2:この加算の対象となる看護職員を、児童指導員や保育士の「配置基準」として兼務(カウント)させても良いですか?

A2:原則として、基本人員(児童指導員等)との兼務は認められません。
看護職員加配加算は、本来必要なスタッフに「プラスアルファ」で看護職員を配置したことを評価する加算であるためです。ただし、どの配置基準・加算の計算にも全く含まれていないフリーの看護職員であれば、例外的に児童指導員等の枠に含めることが認められるケースもありますが、自治体による厳格な判断が必要となります。

Q3:医療的ケア児の契約者が増えた場合、スコアの再計算はどのタイミングで行うべきですか?

A3:実績がある事業所の場合、原則として前年度の実績(1年間)を用いて年度ごとに判定します。
そのため、年度の途中で新規の契約者が増えたり、既存 of 児童が退所したりしても、基本的には自動的に毎月点数が変動するわけではありません。ただし、新設時の特例期間(開所1年未満)や、大幅な定員変更・増改築などがあった場合は計算のタイミングが異なるため注意が必要です。

Q4:要件にある「インターネット上での公表」とは、具体的にどのように行えばよいですか?

A4:厚生労働省の「障害福祉サービス等情報公表システム」への登録や、自社ホームページ、ブログ、SNS等に明記することで要件を満たせます。
誰でも閲覧できるWEB上の媒体に「当事業所は医療的ケア児の受け入れ体制を整えており、看護職員加配加算を取得しています」といった旨を分かりやすく掲載しておくことが必要です。

まとめ:複雑な管理を乗り越え、安心の医療ケア体制へ

看護職員加配加算は、医療的ケアを必要とする子どもたちに安全な環境を提供する体制を整え、同時に重心型事業所の経営を安定させるための非常に重要な加算です。

外務上の運用や自治体への届出手続きは非常に難解です。算定ミスによる返還リスクを防ぎ、適切な加算取得を行うためにも、計画的な体制づくりを行いましょう。

「自所の現在の利用児童で点数を超えているか正確に計算してほしい」「加算取得のためのシフトの組み方をアドバイスしてほしい」といったご相談は、ぜひ当社の専門コンサルタントへお寄せください。

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執筆者 : 水上 京日

学生時代に抱いた「少子化問題を解決したい」という想いが原点。保育・福祉分野をテーマにした卒業論文執筆を経て、この分野への貢献を志し、大学卒業後に株式会社船井総合研究所へ入社。現在は、福祉業界のクライアントが抱える集客・採用の課題に対し、SEO対策やSNS運用といったWebマーケティングの側面から支援を行っている。また管理者や新人への研修も実施。計画だけに終わらせず、実務の運用まで責任を持って伴走し、共に成果を追求することを強みとする。