国が考える中小企業の「稼ぐ力」強化戦略と「10億企業」の創出

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執筆者久積 史弥
コラムテーマ時流・業界動向,セミナー・研究会のご案内
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人手不足や賃上げ、物価高など、経営環境は大きく変化しています。
こうした中、国は中小企業に対して「現状維持」ではなく、経営改革や生産性向上を通じて「稼ぐ力」を高め、成長する企業を増やす方向へ政策を大きく転換しています。

今回は、その中でも介護事業者にとって注目したい「10億企業」の創出について解説します。政策の転換  「残す」から「強くする」へ

介護業界で長らく言われてきたのは「人が足りない」でした。
国はいま、これを景気の問題ではなく、構造として続く「労働供給制約社会」と定義しています。
2026年5月に中小企業庁が示した「稼ぐ力」強化戦略の冒頭には、こう書かれています。
~人も中小企業も、数よりも質である~、と。

方針は明確です。
「中小企業の付加価値労働生産性を5年で15%高める。」
そのために、現状維持ではなく、事業再構築や生産性向上に取り組む企業を徹底的に支援する。
裏を返せば、現状維持を選んだ会社への支援は、今後薄くなっていきます。

昨年度に始まった「100億企業」施策に続き、国は今年度、新たに「10億企業」の創出に着手しました。
対象は売上高1億~10億円未満の約60万社です。
地域密着型の経営を行う介護・障害福祉の事業者の多くがこの層に該当します。

そして国は、この層の6~7割を「現状維持・停滞状態にある企業」と見ています。
自社がどちらに数えられているか、まずはそこから考えてみてください。

介護経営における「10億企業」は、売上目標ではなく経営ステージの転換

この政策を介護業界に置き換えると「売上10億円」という数字そのもの以上に重要なのは、そこへ到達できる経営体質への転換です。

介護事業では事業所数を増やせば売上は拡大します。
しかし、拠点数が増えるほど、採用・教育・管理者育成・品質管理・数値管理・出店判断など、経営者一人では対応できない課題が増えていきます。
つまり、ある段階からは「社長が頑張る経営」だけでは成長を続けることが難しくなります。

国の示す「10億企業」創出の考え方でも、経営者の本気度に加えて経営管理能力の高度化・経営改革・成長投資を可能にする経営基盤・金融機関による伴走などが重視されています。

介護事業者にとっては、以下4点が重要となります。
①社長依存から幹部・管理者による組織経営への転換
②単一事業所・単一サービスから複数拠点・複数事業への展開
③人員投入型の成長からDX・AI・業務標準化による生産性向上
④将来の成長投資を前提とした経営

これからの介護経営では、「いくら売上を増やすか」だけではなく、「10億円規模を支えられる経営の仕組みを、いつまでにつくるか」という視点が、より重要になっていくでしょう。

<実際に「10億企業」を実現した経営者から、その成長の軌跡を学ぶ>
では、実際に10億円規模まで成長した介護事業者は、何を変え、どのような経営判断を積み重ねてきたのでしょうか。
今回、実際に「10億企業」へと成長を実現した経営者をゲストに迎え、これまでの成長の軌跡や、組織づくり、人材育成、事業展開、経営者自身の役割の変化などについて、リアルな経験をお話しいただくセミナーを開催します。

「10億円を目指したいが、何から変えるべきかわからない」
「事業所を増やしてきたものの、次の成長ステージに進めない」
「社長依存の経営から、組織で成長できる会社へ変えていきたい」

このような経営者の皆様にとって、これからの成長戦略を考えるヒントとなる内容です。ぜひご参加ください。

地域特化の介護会社が10億を超えるための「未来戦略」と「経営者の役割」改革

▼開催概要▼
【東京会場】
2026年11月12日(木)
14:00〜17:00
船井総研グループ東京本社
サステナグローススクエア TOKYO (八重洲)

執筆者 : 久積 史弥

理学療法士として病院、介護会社の事業責任者を経験した後に船井総合研究所に入社。前職では看護師、理学療法士、事務など約30名をマネジメントしながら営業を行い高収益事業所として組織を牽引した実績を持つ。 現在は、介護・医療・保険外(自費)と幅広い領域でコンサルティングを行う。 人財採用・育成による組織活性化、Webマーケティング・営業による顧客獲得を得意とし、事業を前進させる手腕に定評がある。