いつも船井総合研究所のメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
船井総合研究所 介護グループの前田です。
先日お送りしたメールでは、2026年診療報酬改定の概要と、ナーシングホーム経営者が取り組むべき対策の方向性をお伝えしました。「自分のナーシングホームへの影響がどれくらいになるのか、具体的な数字で見たい」というお声をいただきましたので、本日は弊社の試算データをもとに、もう一歩踏み込んだ内容をお届けします。
試算で見えてきた、改定の"リアルな数字"
船井総研では今回の改定を受け、ナーシングホームへの財務インパクトを複数のモデルケースでシミュレーションしました。その一例をご紹介します。
〈モデルケース〉
同一建物に24名が入居。毎日3回(計90分)の訪問を実施。早朝・夜間加算および深夜加算を算定している施設。
このケースで出来高制を維持した場合、改定前と比べて客単価が月▲195,550円、施設全体の売上は月▲4,693,200円という試算結果が出ています。
年間に換算すると、約5,600万円の売上減です。
「それなら包括型に移行すればいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし同じ条件で包括型に移行した場合も、月▲3,794,400円の売上減が生じます。
包括型の方が影響は小さいように見えますが、包括型には
「対象は併設等の特定の同一建物に住む重症者等に限定」
「計60分以上の訪問は必ず1日3回以上に分割」
「管理者による毎日の計画書確認・見直しが必須」など、算定要件が厳しく、現場のオペレーションを大幅に組み替えなければ算定自体が成立しないケースもあります。
つまり、同一建物の医療対象者が20名を超える規模の施設では、出来高制・包括型いずれを選択しても、売上の減少は避けられない可能性が高いといえます。
問題は、自社の施設条件においてどちらの影響が相対的に小さく、かつ現場として実現可能かを、正確に見極められているかどうかです。
「どちらが有利か」は、施設の条件で大きく変わります
ここで注意していただきたいのが、上記の試算はあくまで一つのモデルケースであるという点です。
同一建物の入居者数や訪問の実態が異なれば、損益分岐点はまったく変わります。
実際に弊社の試算では、同一建物の利用者が少ない施設ほど出来高制の方が収益性を維持しやすく、逆に利用者数が多い施設では、算定要件を満たせるのであれば包括型の方が相対的に有利になるケースもあることが見えてきました。
また、深夜加算を算定しているかどうかだけでも、客単価の試算は大きく変わります。
影響額の大小を決めるのは、入居者の医療依存度、ベッド数と稼働率、スタッフの配置状況と人件費構造-この三つの掛け合わせです。
この軸を整理しないまま「周りがそうしているから」という理由で方針を決めてしまうと、後から大きな軌道修正を迫られることになりかねません。
さらに、今回の選択は現時点だけの問題ではありません。
2027年の介護報酬改定、2028年の診療報酬改定も見据えたとき、「今の選択が次の改定でどう響くか」という視点も、経営判断には欠かせません。
本日ご紹介した試算の計算ロジックと前提条件の詳細、そして「自社の数字に当てはめて最適解を見極めるための判断フレーム」を、セミナーで丁寧に解説します。
複数のモデルケースを比較しながら、包括型・出来高制それぞれを選択した場合の現場オペレーションの設計まで、具体的な手順をお持ち帰りいただける内容です。
ナーシングホームの経営者・幹部の方に、ぜひご参加いただきたいと思います。
ナーシングホーム×診療報酬改定
2026年診療報酬改定を勝ち抜くナーシングホーム経営戦略
このような方にオススメ
☑同一建物利用者への訪問のマイナス改定を受け、今後の利益確保に危機感がある方
☑「包括型」への移行か、「出来高制」の維持か、自社における最適な選択を知りたい方
☑報酬逓減を前提とした、今後の新規出店や店舗展開の舵取りに悩んでいる方
☑新しい報酬体系に合わせて、現場のオペレーションや評価制度を見直したい方
☑さらに先の「2027年介護報酬改定」「2028年診療報酬改定」の行方を見据え、中長期の経営戦略を立てたい方
セミナー概要
日程: 2026年7月7日(月)・8日(火)・9日(木)・10日(金)
時間: 各日 13:00〜15:00 / 16:00〜18:00(※内容は同一です)
形式: オンライン開催









