個別サポート加算の完全ガイド|単位数・算定要件・実務チェックリスト

  • 障がい福祉
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執筆者船井総研 介護・福祉支援部
コラムテーマその他
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児童発達支援(児発)および放課後等デイサービス(放デイ)を運営する上で、基本報酬に加えて事業所の収益性を高め、より手厚いケアを評価する重要な仕組みが 「個別サポート加算」です。2024年度の報酬改定では、個別サポート加算(Ⅰ)(Ⅱ)の要件見直しに加え、不登校児童を対象とした(Ⅲ)が新設されるなど、大きな変化がありました。

本記事では、2026年現在の最新ルールに基づき、個別サポート加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)の単位数や算定要件、実地指導で指摘されないための実務チェックリストまでを網羅して解説します。

個別サポート加算とは?(制度の概要)

個別サポート加算とは、児童発達支援および放課後等デイサービスにおける加算の1つです。特に手厚いケアや連携が必要な子どもたちを受け入れた場合に、事業所の基本報酬に上乗せされます。

これまでは一律の評価が多かったものの、近年の改定により「どのような児童に」「どのような専門性を持って」「どこ(学校や児童相談所など)と連携して」支援を行うかによって、以下のようにⅠ〜Ⅲの3つの区分に細分化されました。

個別サポート加算(Ⅰ)

本加算は、著しく重度の障がい児に対し、児童発達支援・放課後等デイサービスを行った場合に算定します。

【児童発達支援の対象となる児】

重症心身障がい児

身体に重度の障がいがある児童(1級・2級の身体障がい者手帳の交付を受けている障がい児)

重度の知的障がいがある児童(療育手帳を交付されており、最重度又は重度であると判定をされている障がい児)

精神に重度の障がいがある児童(1級の精神障がい者保健福祉手帳を交付されている障がい児)

※主として重症心身障がい児を通わせる指定発達支援事業所で、重症児向けの基本報酬を算定している場合は、本加算を算定できません。

【放課後等デイサービスの対象となる児】

著しく重度の障がい児
就学児サポート調査表において、食事、排せつ、入浴及び移動のうち3以上の日常生活動作について全介助を必要とするとされた障がい児。ケアニーズの高い障がい児
就学児サポート調査表【厚生労働大臣の定める基準(平24厚労告270・第8号の4)】の各項目において算出した合計が13点以上の障がい児。

※主として重症心身障がい児を対象とした基本報酬を算定している場合は、本加算の対象外とします。

※上記ケアニーズの高い障がい児に対して、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者を配置(常勤換算ではなく単なる配置で可、児発管は不可)して、当該者が支援を行った場合には、さらに30単位を加算(合計120単位)するものとします。ただし、強度行動障害児支援加算を算定している場合には算定しません。

個別サポート加算(Ⅱ)

本加算は、要保護・要支援児童への支援を評価するものです。 対象となる児には、家庭との関わりや心理的なケア、関係機関との連携が欠かせません。そのため、児童相談所やこども家庭センター等と連携して支援を行った場合に算定できます。 支援の状況等を「6ケ月に1回以上共有すること」が必須です。

【対象となる児】

・要保護、要支援児童(児童相談所やこども家庭センター等の機関と連携して支援を行う必要がある障がい児)

個別サポート加算(Ⅲ)

本加算は、放課後等デイサービスにおいて、不登校の状態にある障がい児について、学校及び家族等と緊密に連携を図りながら放課後等デイサービスを行った場合に算定するものです。また、学校との連携に加えて、家族への個別の相談援助も月1回以上実施する必要があります。居宅への訪問・対面・オンラインのいずれでも可能ですが、実施した際は障がい児や家族の意向・状況、支援の実施状況等についてその要点を記録に残すことが求められます。なお、この家族への相談援助については、家族支援加算との併算定はできない点にも注意が必要です。

【対象となる児】

・不登校の状態にある障がい児とは、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるため、長期間継続的もしくは断続的に欠席している児童(病気や経済的な理由による者は除く)」のことです。学校と情報共有を行い、事業所と学校の間で、 緊密な連携を図りながら支援を行うことが必要と判断された児童を指します。

【決定版】個別サポート加算の単位数・要件一覧

個別サポート加算の単位数と対象要件を一覧表に整理しました。サービス種別(児発・放デイ)によって算定できる区分や要件が異なるため注意が必要です。

【個別サポート加算の単位数一覧】

加算区分 対象サービス 単位数(1日につき)
個別サポート加算(Ⅰ)
(著しく重度)
児発・放デイ 120単位
個別サポート加算 (Ⅰ)(ケアニーズ対応)+ (専門人材配置) 放デイ 90単位+30単位(条件付き)
個別サポート加算(Ⅱ) 児発・放デイ 150単位
個別サポート加算(Ⅲ)
(不登校児支援)
放デイ 70単位

算定するための必須要件チェックリスト(実地指導対策)

個別サポート加算は、日々の支援や関係機関との連携実績がダイレクトに影響するため、実地指導で最も返還リスクが生じやすい加算の1つです。以下のチェックリストを用いて、適切な運用ができているか確認してください。

受給者証の確認(加算Ⅰ): 対象児童が所定の判定基準(各種手帳や就学児サポート調査表等)を満たしているか確認し、その根拠書類が保管されているか。

研修修了証の原本(または写し)保管(加算Ⅰの+30単位分): 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者の配置によるプラス30単位を算定する場合、当該職員の修了証が保管されているか。なお、+30単位の算定要件や児童発達支援管理責任者が関わる場合の取り扱いについては、自治体への確認を推奨します。

個別支援計画への位置づけ(加算Ⅱ・Ⅲ): 連携先機関との連携内容や不登校支援の方針が、あらかじめ保護者の同意を得て「個別支援計画(通所支援計画)」に明記されているか。

連携実績の文書保管(加算Ⅱ): 児童相談所やこども家庭センター等との情報共有が、単なる事業所側のメモではなく、お互いに共有・確認したことがわかる文書(報告書や確認書など)として保管されているか。また、支援の状況等を6ケ月に1回以上共有しているか。

学校、家族との月1回の連携記録(加算Ⅲ): 学校側との対面・オンライン等による情報共有(月1回以上)の要点が記録され、その内容が学校側にも共有されているか。また、家族への個別の相談援助も月1回以上実施しているか。

【Q&A】実務で迷いやすいポイント

Q1. 個別サポート加算(Ⅰ)対象となる児のうち、「重症心身障がい児」以外については、手帳の交付を受けていることが算定の要件であり、診断書等は要件にならないものと考えて良いか。また、身体障がいについては、肢体不十分に 限らず、内部障がい等も対象になると考えて良いか。

お見込みの通りです。ご認識の通り、個別サポート加算(Ⅰ)において重症心身障 がい児以外の児童を対象とする場合は、各種障がい者手帳の交付を受けていることが必須要件となります。医師による診断書や意見書があっても、手帳自体が交付されていなければ加算の対象にはなりませんので注意が必要です。また、対象となる身体障がいは肢体不十分に限定されませんが、心臓や呼吸器などの内部障がい等も幅広く含まれます。実務においては、実地指導での返還リスクを避けるためにも、契約時に必ず保護者から手帳の提示を受けて、その写しを事業所に保管しておくといったオペレーションを徹底することが重要となります。

Q2. 個別サポート加算(Ⅲ)本加算の対象となる不登校の状態にある障がい児は、事業所が判断すれば足りるのか。

いいえ、そうではありません。本加算は、不登校の障がい児への発達支援と、学校・家庭との緊密な連携を要件としています。まず、事業所が不登校の状態にあると判断した児童について、保護者の同意を得た上で、学校と情報共有を行います。その上で、事業所と学校の間で「緊密な連携が必要」と判断された場合に、具体的な支援を進めていきます。

まとめ:戦略的な事業運営のために 船井総合研究所の活用

放課後等デイサービス・児童発達支援の経営環境は、数年に一度の報酬改定を含め、かつてないスピードで変化しています 。個別サポート加算のように「子どもの状態」や「外部機関との正確な連携」が直接収益に影響する項目に対しては、適切な書類整備と専門的な知見による経営判断が求められています。

加算取得の最適化や、実地指導に耐えうる人員配置・書類運用のシミュレーションに関するお悩みは、こちらからお気軽にご相談ください。

株式会社船井総合研究所(障がい福祉専門の経営支援)

船井総合研究所では、全国の児童発達支援・放課後等デイサービスの法人に対し、データに基づいた経営コンサルティングを提供しています。

報酬改定・地域区分を網羅した収支シミュレーション: エリア特性や最新の報酬体系を踏まえ、最大収益を得るための加算取得戦略を提案します。

採用・定着・処遇改善の最適化: 地域区分の差を乗り越え、優秀な人材を確保するための評価制度構築と、処遇改善加算の最大活用を支援。

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執筆者 : 船井総研 介護・福祉支援部

船井総研の介護・障がい福祉業界の経営コンサルティングは、全国の成功事例を武器に「業績向上」と「社会貢献」の両立を支援する専門家集団です。稼働率アップや人財採用・定着など現場の課題を解決いたします。