児童発達支援給付費の仕組みと単位数まとめ

  • 障がい福祉
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執筆者石川 善大
コラムテーマ障がい福祉
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児童発達支援給付費の基本構造

児童発達支援の報酬(給付費)は、「基本報酬」に事業所の体制に応じた「加算・減算」を組み合わせて算出されます。前回の2024年度の改定から導入された「支援時間に応じた区分」をベースに、より適切な療育提供の質が問われる運用となっています。

基本報酬の「時間区分」

基本報酬は、個別支援計画に基づき提供される支援時間により、以下の3つの区分に分かれています。

区分

支援時間の定義

単価

区分1

30分以上1.5時間以下

901単位

区分2

1.5時間超3時間以下

928単位

区分3

3時間超5時間以下

980単位

 

5時間を超える支援について

5時間を超える長時間支援を行う場合は、区分33時間超5時間以下)の基本報酬を算定した上で、超過時間分を「延長支援加算」で評価する仕組みとなっています。


専門性と体制を評価する主な加算

·        専門的支援体制加算: 理学療法士や作業療法士、あるいは5年以上の経験を持つ保育士・児童指導員などの専門職員を人員基準で定められた人数に加えて配置し、質の高い支援を提供できる体制を整えている事業所を評価する加算となります。

·        児童指導員等加配加算: 人員基準で定められたスタッフ数に加え、さらに児童指導員や保育士などの職員を人員基準で定められた人数に加えて配置することで、一人ひとりの児童に対してよりきめ細やかで充実した個別支援を行える体制を構築している事業所を評価する加算となります。

·        欠席時対応加算: 利用予定日に急なキャンセルが発生した際、保護者との連絡調整や相談援助、または利用者に代わる適切な支援の提供に向けた調整など、継続的なサポートや安全確保に努めた場合に、その柔軟な対応体制を評価する加算となります。

経営の鍵を握る「地域区分」の深い理解

地域区分は、自治体ごとの物価や賃金水準の差を報酬に反映させる調整弁です。児童福祉サービスの人件費割合に基づき、地域によって1単位あたりの単価が変動するため、経営戦略上極めて重要です。

地域区分別・1単位あたりの単価一覧表(20263月現在)

各区分の単価は、人件費割合に対して上乗せ率を乗じて算出されます。

区分

上乗せ率

1単位単価

代表的な該当地域

1級地

20%

11.20

東京都 特別区

2級地

16%

10.96

横浜市、川崎市、大阪市、名古屋市

3級地

15%

10.90

さいたま市、千葉市、成田市、府中市

4級地

12%

10.72

立川市、船橋市、神戸市、吹田市

5級地

10%

10.60

福岡市、つくば市、広島市、京都市

6級地

6%

10.36

宇都宮市、仙台市、岐阜市、静岡市

7級地

3%

10.18

大田原市、札幌市、富山市、新潟市

その他

0%

10.00

上記以外の町村部

 

給付費の具体的な算出式

報酬の総額を計算する際は、以下の数式を用います。

総請求額 = (基本報酬単位+加算単位-減算単位) × 地域区分単価

例:1級地(11.20円)で1928単位のサービスを提供した場合

928単位 × 11.20円 = 10,393

例:その他(10.00円)で同じサービスを提供した場合

928単位 × 10円 = ,280円

同一の支援内容でも、地域が異なるだけで1日あたり1,113の収益差が生じます。

 

現場・経営の実務Q&A

Q. 児童発達支援及び放課後等デイサービスにおいて、時間区分が創設されたことに伴い、同一日に複数の障害児通所支援に係る報酬の算定が可能となるのか。

A.   これまで同様、同一日に複数の障害児通所支援や指定入所支援に係る報酬は算定できない。また、保育所等訪問支援については他の障害児通所支援を同一日に算定することは可能とするが、保育所等訪問支援を同一日に複数回算定することができない取扱いについても同様である。

Q. 児童発達支援及び放課後等デイサービスにおいて、時間区分が創設されたことにより、送迎時間は支援の提供時間に含まれるか。

A. 含まれない。

Q. 個別支援計画において支援の提供時間が定められていない場合、どの時間区分で請求することになるか。

A.   個別支援計画が未作成である場合や、当初利用する予定がなかった日に支援を提供する場合など、個別支援計画において支援の提供時間が定められていない場合には、「30分以上1時間30分以下」の時間区分での算定とする。

 なお、児童発達支援管理責任者が未配置であることにより、個別支援計画の作成や見直しができない場合において、障害児等のアセスメントを行い支援の方針や支援目標、支援内容及びそれを実施するための支援の提供時間を定めた個別支援計画と同様の計画を作成している場合においては、当該支援の提供時間に基づく基本報酬の算定を可能とする。当該計画については、あらかじめ支給決定保護者に説明を行い同意を得ること。 ただし、この場合においても、個別支援計画の未作成減算が適用されることに留意すること。

また、当初利用する予定のない日に支援を提供する場合について、そのような利用の想定及び支援の提供時間について個別支援計画(参考様式における別表の特記事項欄)に記載することにより、当該支援の提供時間に応じた時間区分での算定が可能である。

※出典:こども家庭庁

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/253aba4f-3ce0-4aa1-a777-3d42440f1ca2/36bd7a00/20240412_policies_shougaijishien_shisaku_hoshukaitei_46.pdf

 

 

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執筆者 : 石川 善大

大学卒業後、新卒で株式会社船井総合研究所に入社。 児童発達支援・放課後等デイサービス事業のコンサルティングに従事し、新規参入から運営安定化までを一貫してサポート。 特に、学校法人や社会福祉法人による児童発達支援の新規立ち上げサポートを強みとする。