障害福祉サービスにおいて、急な欠席があった際にも利用者やご家族を適切にサポートすることは非常に重要です。突然の欠席に対し、状況確認や利用を促すなどの相談援助を行った事業所を評価するため、「欠席時対応加算」が設けられています。 このコラムでは、障害福祉サービス全般における「欠席時対応加算」について、算定要件、単位数、対象となるサービス、そして実務上の注意点(運営指導で指摘されやすいポイントなど)を分かりやすくご説明します。
欠席時対応加算とは?(制度の概要)
欠席時対応加算とは、利用者が突然の病気や予期せぬ事情でサービスの利用ができなくなった場合、事業所がその状況に迅速かつ適切に対応した際の評価を目的とした報酬です。 単なる「欠席の連絡受付」だけでは算定できず、本人や家族に対して状況確認や利用の継続を促すなどの「相談援助」を実施し、記録に残すことが求められます。
【一覧表】欠席時対応加算の単位数
対象となるサービスに共通して、取得できる単位数および算定上限回数は以下の通りです。
| 加算区分 | 単位数(1日につき) |
|---|---|
| 欠席時対応加算 | 94単位※原則として1カ月当たり4回まで |
【特例:児童発達支援・放課後等デイサービスにおける算定上限について】
基本的には1人あたり月4回までですが、定員充足率が80%未満である場合、重症心身障害のお子さまに限ってはひと月に8回を限度として算定することができます。
対象となるサービスと職種・資格のルール
■ 対象となるサービス種別
生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労選択支援、児童発達支援、放課後等デイサービスなど、幅広いサービスで算定可能です。
算定するための必須要件(チェックリスト)
欠席時対応加算を確実に算定するためには、以下の要件を満たし、実務フローを遵守する必要があります。
①連絡のタイミングの要件
利用予定日の2営業日前、1営業日前、または当日(営業日基準)に、利用者本人や保護者からの欠席連絡を確実に受け取ること。
②相談援助の実施要件
利用予定日の2営業日前から利用予定日当日までの間に、本人や家族に対して状況確認や利用の促しなどの相談援助を実施すること。対面だけでなく電話での対応も可能です。
③記録と体制の整備
後の確認や運営指導での評価のために、実施された相談やサポートの内容を正確に記録し保管する必要があります。
・記録必須項目:連絡を受けた日時、連絡をしてきた相手、対応した職員名、欠席理由、利用者の状況、次回の利用予定、相談援助の内容。
・毎月のモニタリング:算定上限(月4回等)を超過していないか確認できる体制や、電話機の横に置ける相談援助の記録フォーマットを整えることが推奨されます。
【Q&A】実務で迷いやすいポイント
Q1. 毎月決まっている定期の通院や、あらかじめ分かっていた休みでも算定できますか?
A. 算定できません。この加算は「急病等の本人の責によらないやむを得ない事情」であることが前提となるため、定期的な通院や事前に決まっていた欠席での算定は認められません。
Q2. 感染症などで「4日間休む」と1度の連絡があった場合、4回分算定できますか?
A. 算定できるのは最初の1日目のみです。1回の連絡(相談援助)で複数日分の欠席時対応加算を算定することはできません。
Q3. 利用日の3営業日以上前に欠席連絡があった場合は算定できますか?
A. 算定できません。前々日・前日・当日という連絡要件を満たしていないため、対象外となります。
Q4. 欠席の連絡があった日に、利用者が別の事業所を利用していた場合は算定できますか?
A. 算定できません。欠席の連絡をしてきた利用者が、実は同日に別の事業所を利用していたという場合には、欠席した事業所は欠席時対応加算を算定することができません。事業所間での利用予定の調整にも注意が必要です。
Q5. 欠席時対応加算を算定し始めるにあたり、指定権者(都道府県や市区町村)への事前の届出は必要ですか?
A. 事前の届出は不要です。事前の申請等は必要なく、算定要件を満たす対応を行い、適切な記録を保管することで算定できます。
まとめ:適切な欠席時対応を収益と支援の質に繋げるために
欠席時対応加算は、単に請求を増やすためのものではなく、欠席した利用者への丁寧な相談援助を評価する仕組みです。「連絡を受けた」だけで終わらせず、「相談援助したことが分かる具体的な記録」を残すことが、適正な算定と事業所の支援の質向上を同時に叶えます。要件割れや記録不備に気づかず請求を続けると返還金の対象となるため、事業所内でフローを統一し、正確な記録管理体制を整えましょう。
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