【介護・障がい福祉】特別地域加算の算定要件と単位数を徹底解説

  • 障がい福祉
  • 介護
公開日
更新日
執筆者中野 光
コラムテーマ加算・減算,障がい福祉,介護
SHARE

特別地域加算は、離島や豪雪地帯、過疎地域など、サービスの確保が著しく困難な地域においてサービスを提供している事業所を評価するための加算です。介護保険・障がい福祉の共通加算として位置付けられており、地理的ハンディキャップのある地域で支援体制を維持するために必要不可欠な加算です。本コラムでは、特別地域加算の制度と仕組みについて徹底解説します。

特別地域加算の概要と対象サービス

人口密度が希薄、または交通が著しく不便な地域での巡回型・訪問型サービス等は、移動コストや効率の面で大きな経営リスクを伴います。そのため、対象地域(特別地域)に所在する事業所に対して報酬の上乗せ措置が講じられています。

主な対象サービス

  • 障がい福祉: 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、自立訓練、就労定着支援、自立生活援助、計画相談支援、地域相談支援(地域移行支援、地域定着支援)、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援、障害児相談支援など
  • 介護保険サービス:訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与、居宅介護支援、定期巡回・随時対応型訪問介護看護 など ※それぞれ「介護予防」も含みます。

加算の仕組みと算定単位数

加算名 上乗せ割合 概要
特別地域加算 所定単位数の 15% ※一部の事業を除く,基本報酬および対象加算の合計単位数(所定単位数)に15%を乗じた単位数を上乗せ算定。

特別地域加算は、多くのサービスで基本報酬に対して所定単位数の15%が上乗せされます。以下は15%上乗せとなるサービスの算定例です。

※例えば、障がい児支援の「保育所等訪問支援」で基本報酬1,071単位の場合、
1,071単位 × 15% = 約161単位が1回あたりに加算されます。

※ 自立生活援助は1月につき230単位、就労定着支援は1月につき240単位の固定単位数が加算されます。

算定するための必須要件と対象地域

特別地域加算を算定するための必須要件は、介護保険サービス・障がい福祉サービスでそれぞれ異なります。

介護保険サービスでは、特別地域に所在する事業所がサービス提供を行うことが必要であり、 「事業所の所在地」 が基準となります。

障がい福祉サービスにおいては 「利用者の居住地」 が、厚生労働大臣の定める特別地域に該当していることが条件となります。なお、就労定着支援は利用者の居宅または雇用された事業所が、保育所等訪問支援は利用児の通う保育所等の該当地域に所在する場合も算定対象となります。

【厚生労働大臣が定める特別地域の根拠法一覧】

  • 離島振興法第2条第1項の規定により指定された離島振興対策実施地域
  • 奄美群島振興開発特別措置法第1条に規定する奄美群島
  • 豪雪地帯対策特別措置法第2条第2項の規定により指定された特別豪雪地帯
  • 辺地に係る公共的施設の総合設備のための財政上の特別措置等に関する法律第2条第1項に規定する辺地
  • 山村振興法第7条第1項の規定により指定された振興山村
  • 小笠原諸島振興開発特別措置法第4条第1項に規定する小笠原諸島
  • 半島振興法第2条第1項の規定により指定された半島振興対策実施地域
  • 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律第2条第1項に規定する特定農山村地域
  • 過疎地域の持続発展の支援に関する特別措置法第2条第1項に規定する過疎地域
  • 沖縄振興特別措置法第3条第3号に規定する離島

【Q&A】実務で迷いやすいポイント

Q1. 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算との併算定はできますか?

A1. 条件を満たせば可能です。通常の実施地域を越えたサービス提供であれば、特別地域加算と中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算の両方を重ねて算定することができます。

Q2. 利用者が特別地域に居住していますが、事業所はその地域外にあります。それでも算定できますか?

A2. 障がい福祉サービスの場合は、算定可能です。障がい福祉サービスにおける特別地域加算は、事業所の所在地ではなく 「利用者の居住地」 が対象地域に該当しているかどうかで判断します。そのため、事業所が特別地域の外に所在していても、利用者が特別地域に居住しており、その利用者に対してサービスを提供した場合には算定できます。記録上は、利用者の住所が特別地域に該当することを確認できる書類を整備しておくことが重要です。

介護保険サービスの場合は、介護保険における特別地域加算は 「事業所の所在地」 が対象地域に該当していることが条件となるため、算定できません。

まとめ

特別地域加算(15%上乗せ)は、移動効率が低下する過疎地や離島における事業所の経営基盤を支える極めて重要な仕組みです。地域特性を踏まえた経営支援や加算取得の最適化にお悩みの方は、業界最大級の支援実績を誇る船井総合研究所にご相談ください。

専門コンサルタントによる経営支援:船井総合研究所

特別地域加算の取得や、運営指導を見据えた書類整備にお悩みの方は、ぜひ業界最大級の支援実績を誇る船井総合研究所にご相談ください。

船井総合研究所(障がい福祉全般)

株式会社船井総合研究所では、全国の障がい福祉サービスを運営する事業所を対象に、報酬改定に即した収益改善と組織づくりをサポートしています。

  • 加算取得の最適化: 漏れのない算定と、運営指導に強い記録管理体制の構築。
  • 集客・契約率の向上: 家族支援を強みにした、選ばれる事業所ブランディング。
  • 業界の最新動向の提供: 変わり目をチャンスに変える経営戦略の提案。

障がい福祉サービス経営研究会のご案内

船井総合研究所では、全国の志高い経営者が集う 「障がい福祉サービス経営研究会」 を主宰しています。 累計300社以上の法人が参加し、成功事例の共有や最新の報酬改定対策、生産性向上のためのICT活用術など、現場で即実践できるノウハウを学び合うコミュニティです。 お試し参加も可能ですので、ぜひご検討くださいませ。

  • 全国の成功事例が手に入る: 地域や規模を問わず、高収益・高付加価値な運営モデルを直接学べます。
  • 経営者同士のネットワーク: 悩みや課題を共有し、解決策を導き出す貴重な場を提供。

執筆者 : 中野 光

新卒で船井総合研究所に入社。学生時代から福祉分野に関心を持ち、現在は介護・福祉支援部に所属。児童発達支援事業所の新規立ち上げを主軸に、開設から経営安定までを支援している。 学生時代から培った福祉への情熱を背景に、生成AIを用いたアプリ開発や福祉施設のSNSアルゴリズム分析に強みを持つ。