
定期巡回・随時対応型サービス あおぞらの外観
高齢化の進展に伴い、従来の枠組みだけでは支えきれない多様な在宅ニーズが増加しています。その解決策として今、24時間体制で安心を届ける「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が注目を集めています。今回は、福岡県直方市でいち早くこのサービスを導入した有限会社 直方メディカルサービスの取締役、福原様にお話を伺いました。医療の知見を活かした「一体型」 運営の強みや、地域のケアマネジャーとの信頼構築の秘訣など、持続可能な地域介護のあり方を模索する経営者の皆様へ、実践的な知見をお届けします。
有限会社 直方メディカルサービス 福岡県直方市を拠点に、約30店舗の調剤薬局運営をはじめ、福祉用具貸与、在宅医療、訪問看護、介護ロボット事業など多角的に展開。医療に精通した強みを背景に、定期巡回サービス 「あおぞら」では、看護と介護が密接に連携する「一体型」を運営。利用者様の「家を離れたくない」という想いに寄り添い、自立支援に繋がる質の高いケアを提供しています。
Q 船井総研 定期巡回サービスへ参入された経緯と、事業に対する想いをお聞かせください。
A 福原様、弊社は調剤薬局を主軸としており、常に地域の医療ニーズに触れてきました。今後の社会背景を考えた際、入院医療は重症者対応が中心となり、在宅医療・介護のさらなる推進は不可欠です。その中で、地域包括ケアシステムの最終的な「要」となるのは、定期巡回サービスであると確信しました。ご家族以上に生活に密接に関わり、24時間体制で支えるこの仕組みは、今後の在宅介護の主流になると考えています。地域の皆様に、より高度で安心な環境を提供するため、看護と介護が密に連携できる「一体型」での参入を決断いたしました。
Q 船井総研、訪問介護など、他のサービスとはどのように住み分け、提案されているのでしょうか。
A 福原様 大切なのは、既存のサービスを否定するのではなく「役割の違い」を明確にすることです。「決まった時間の支援が必要な方は訪問介護へ。それ以上の頻回な対応や、柔軟な関わりが必要な方は定期巡回サービスへ」と、ケアマネジャーへ徹底してご提案しています。具体的には、1日複数回の訪問が不可欠な方や、短時間でも確実な「服薬確認」が必要な方などが対象です。1日3回、4回と顔を出せる定期巡回ならではの強みを、個別のニーズに合わせてお伝えするようにしています。
Q 船井総研,小規模多機能型居宅介護と比較した際の、定期巡回サービスならではの利点はどこにありますか。
A福原様 最大の利点は、利用者様が「住み慣れた自宅の環境を変えずに」生活を継続できる点です。また、ケアマネジャーの視点では、小規模多機能型居宅介護は事業所専属のケアマネジャーへ担当が移りますが、定期巡回サービスであれば、これまで信頼関係を築いてきた担当ケアマネジャーがそのままプランを持ち続けることができます。外部のケアマネジャーにとって心理的なハードルが低く、共に利用者様を支えるパートナーとして連携しやすい点は、このサービス特有のメリットだと言えます。
Q 船井総研 地域連携機関の方々から信頼を得るために、どのような工夫をされていますか。
A福原様、まずは、ケアマネジャーが抱える「困りごと」を丁寧に汲み取る事です。「遠方のご家族が心配されている」 「週末の介護で家族が疲弊している」といったお悩みに対し、我々が毎日訪問して状況を報告することで、家族の休息と安心を創出できるとご提案します。また実務面でも、定期巡回サービスは軽微な時間変更等でケアプランを書き換える手間が少なく、ケアマネジャーの事務負担軽減に繋がることもお伝えしています。病院のソーシャルワーカーには、退院直後の不安定な時期を支える「柔軟な選択肢」として、その機動力を理解していただくよう努めています。
Q 船井総研、経営面の課題と、今後の社会的な展望についてお聞かせください。
A福原様、立ち上げ当初は赤字でしたが、人件費の適正なコントロール等により、2年目以降に収支のバランスを整えた実績があります。私たちはこのサービスの本質を「自立支援」にあると考えています。決められた枠を埋めるのではなく、必要な時に必要な分だけ関わることで、利用者様の過度な依存を防ぎ、結果として状態維持や改善に繋がるケースも多いのです。目先の利益のみならず、スタッフが利用者と理想的な距離感で向き合える環境を整えることで、地域の在宅介護を支える強固な軸へと育てていきたいと考えています。








