Q.介護事業の収支差率を向上させ安定した利益を出すコツは?

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執筆者船井総研 介護・福祉支援部
コラムテーマ経営課題FAQ
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A.介護事業の収支差率を向上させ安定利益を出すコツは、①徹底した稼働率改善と②多店舗展開によるスケールメリットの創出です。稼働率上昇による売上増は利益に直結しやすく、事業所数を増やすことで1法人あたりの収益性が高まる傾向があります。これらを実践し二極化を生き残りましょう。

1. 稼働率の徹底的な引き上げ(利益改善の最短ルート)

固定費の割合が大きい介護事業において、最も費用対効果の高い利益改善施策は「稼働率の向上」です。

  • 損益分岐点の罠:稼働率が50%〜55%程度の場合、収支はほぼプラスマイナスゼロ(収支差率1.8%前後)に留まるケースが多く見られます。
  • 売上増が利益に直結:人件費率を固定したまま稼働率を90%まで引き上げることで、増加した売上がダイレクトに収支差額に反映されます。
  • 収支改善のインパクト:稼働率を最適化するだけで、月間100万円以上、年間で1,000万円単位の大幅な利益改善を実現できる可能性があります。

2. 事業規模の拡大(スケールメリットの創出)

財務省のデータや業界動向を分析すると、1法人あたりの事業所数が多いほど平均収支差率が高くなる(収益性が向上する)傾向が明確に示されています。

  • 経営効率の最適化:複数事業所を展開することで、本部機能(採用、請求、マーケティング等)の管理コストを分散し、法人全体の利益率を高めることが可能です。
  • 新たな収益の柱の構築:既存事業の安定化に加え、昨今では医療対応が可能な「ナーシングホーム」などの新規事業へ参入し、経営基盤を強固にする法人がますます増えています。

3. 介護業界における「二極化」への対応と危機管理

現在の介護・福祉業界では、事業所ごとの収支差率は「-30%~+30%」と非常に大きな格差が生じており、この傾向は顕著になっています。

  • 好調な施設:+10%〜+30%

積極的な人材投資や新規事業展開が可能で、強固な基盤を形成し成長を続けることができます。

  • 不調な施設:0%〜-30%

慢性的な赤字状態のため、資金繰りの悪化や、人材不足による最悪の場合は閉鎖を余儀なくされるリスクが生じます。

この二極化の波は今後さらに加速すると予想されるため、現状維持の経営では市場から急速に淘汰されるリスクが高まります。早急な対策が必要です。

まとめ

介護業界で長期的に生き残るためには、まず自社の損益分岐点となる稼働率を正確に把握し、常に稼働率90%以上を維持できる盤石な集客体制を構築することが急務です。その上で、創出された余剰資金を新規開設や人材確保へ積極的に再投資し、規模の経済を働かせることが、最終的な収支差率の向上へ結びつきます。

まずは現状の各施設の稼働率と人件費率のバランスを見直すことから始めてみましょう。

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執筆者 : 船井総研 介護・福祉支援部

船井総研の介護・障がい福祉業界の経営コンサルティングは、全国の成功事例を武器に「業績向上」と「社会貢献」の両立を支援する専門家集団です。稼働率アップや人財採用・定着など現場の課題を解決いたします。