Q.小規模多機能型居宅介護を経営面で黒字化させる秘訣は?

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執筆者船井総研 介護・福祉支援部
コラムテーマ経営課題FAQ
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A.小規模多機能の黒字化の秘訣は、「中重度者(要介護3以上)」へのターゲット絞り込みと、サービス内容を「通い・泊り中心」から「訪問中心」へ転換することにあります。具体的には、平均要介護度2.7以上、登録者数26名以上、月商760万円を目標とし、過剰なサービス提供を抑制して人件費率を適正化することが収益改善の鍵です。

小規模多機能型居宅介護 黒字化の鉄則

月商760万円モデルの作り方船井総合研究所の調査によると、小規模多機能型居宅介護(以下、小規模多機能)は全国的に赤字事業所が多いのが現状ですが、適切な戦略を実行することで、月間売上760万円・営業利益17% を叩き出す高収益モデルへ転換することが可能です。 解析結果に基づく黒字化の具体的な秘訣は、以下の4点に集約されます。

1. ターゲットを「中重度 × 在宅」に絞り込む

経営不振の最大の要因は、「誰に」利用してもらうかが曖昧な点にあります。小規模多機能が本来担うべき役割は、デイサービスでは対応できない「中重度者」の在宅支援です。

  • 「軽度」は断る勇気を持つ

要支援者や、単に「デイサービスに毎日通いたい」という軽度者を受け入れると、単価が低い上にスタッフの手間(通いの枠)が埋まってしまいます。これらは既存のデイサービス等に任せ、小規模多機能は「医療ニーズがある」「認知症がある」「独居で不安」といった中重度者(要介護3以上推奨)を積極的に受け入れるべきです。

  • 平均要介護度2.7以上を目指す

黒字化のためには、基本報酬単価を上げる必要があります。事業所全体の平均要介護度2.7以上を維持することが、安定収益の必須条件とされています。

2. 「通い偏重」から「訪問中心」への転換

多くの赤字事業所は、登録利用者が毎日「通い(デイ)」に来ており、スタッフがその対応に追われています。これを「訪問」中心に切り替えることが劇的な収益改善につながります。定額制の罠(使い放題)を回避する包括報酬であることを理由に、利用者や家族の要望通りに無制限にサービスを提供すると、人件費が膨張します。ケアマネジャーと連携し、必要なサービス量を適切にアセスメント(管理)することが重要です。訪問サービスの活用で枠を広げる 「通い」の定員(概ね15名〜18名)はすぐに埋まりますが、「訪問」には物理的な定員枠の制限が緩やかです。短時間の安否確認や服薬管理などの「訪問」を組み合わせることで、少ないスタッフ数で多くの利用者を支えることができ、「利用者24名をスタッフ10名で回す」といった高効率なオペレーションが可能になります。

3. 必達すべき「3つの経営指標(KPI)」

感覚的な運営から脱却し、以下の数値を常に管理してください。

  • 登録者数:26名以上
  • 定員29名に対し、常時90%以上の稼働率(約26〜27名)を維持

  • 単価: 各種加算算定や利用者の受け方のコツを掴むことにより、利用者1人当たりの平均単価を29.5万に
  • 人件費率:60%以下(理想は55%) サービス量の適正化(オーバーサービスの抑制)により、無駄な残業や過剰人員を削減し、人件費率をコントロール(常勤換算数11名前後に)

4. 地域連携と営業戦略:高単価利用者の獲得

地域包括支援センターや病院の退院調整看護師に対し、小規模多機能の強みを具体的に訴求します。

  • 「困難事例」の受け皿になる

「退院直後で不安定」「独居で薬が飲めているか心配」「看取り対応が必要」など、他事業所が敬遠しがちなケースこそ、小規模多機能が最も輝く領域です。こうした事例を積極的に引き受けることで、地域内での信頼が高まり、継続的な紹介ルートが確立されます。

まとめ

小規模多機能の黒字化は、単なるコストカットではありません。「中重度・訪問中心」という本来の事業モデルに立ち返り、適正なサービス量で適正な報酬を得る体制を作ることこそが、唯一の成功法則です。

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執筆者 : 船井総研 介護・福祉支援部

船井総研の介護・障がい福祉業界の経営コンサルティングは、全国の成功事例を武器に「業績向上」と「社会貢献」の両立を支援する専門家集団です。稼働率アップや人財採用・定着など現場の課題を解決いたします。