Q.介護事業所が取り組むべき働き方改革の具体例は?

  • 介護
公開日
更新日
執筆者船井総研 介護・福祉支援部
コラムテーマ経営課題FAQ
SHARE
A.介護事業所における働き方改革は、人材の定着と生産性の向上を両立させ、持続可能な経営を実現するための最重要戦略です。取り組むべき具体的な施策は、主に「長時間労働の是正」と「労働環境の柔軟化」の2つに大別されます。

1. 労働時間短縮と生産性向上のための改革

過重労働を是正し、少ない時間で質の高いサービスを提供できる体制を構築します。

  • ICT・AI導入による業務効率化
  • 介護記録、情報共有、請求業務などの事務作業にタブレットや介護ソフトを導入します。これにより、職員の間接業務時間を大幅に削減し、削減分をケアや休憩時間に充当します。送迎ルートの最適化やシフト管理にAIを活用し、移動のムダや待機時間を削減します。
  • 業務フローの見直しと標準化
  • 施設内・事業所内の業務フローを可視化し、重複作業、不必要な会議、過剰な記録といったムダな作業を徹底的に排除します。業務マニュアルを整備し、標準化することで、新人でも早期に戦力化できる体制を作り、教育コストと時間の負担を減らします。
  • 残業の徹底的な削減
  • ノー残業デーの導入や、残業の事前申請・承認制を厳格に運用します。管理者が定時退社を促す声かけを徹底し、サービス残業を根絶します。

2. 多様な働き方の実現と柔軟な処遇

職員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を導入し、人材の定着率を向上させます。

  • 勤務シフトの柔軟化(多様な人材の確保)
  • 短時間正社員制度や時差出勤を導入し、子育てや介護中の職員が働きやすい環境を整備します。曜日限定、時間帯限定のパート職員を積極的に採用し、人手不足な時間帯(早朝・夜間)のサービス提供体制を強化します。
  • 非正規職員の処遇改善と戦力化
  • 処遇改善加算の財源を、パート職員の時給や賞与に公平に反映させます。パート職員にもキャリアパスを提示し、正社員登用制度や能力に応じた役割(例:新人指導係、レク担当)を付与することで、仕事への意欲を高め、戦力化を促します。
  • 年次有給休暇の取得促進
  • 職員が気兼ねなく有給休暇を取得できるよう、管理者主導で年5日の有給休暇取得を確実に行わせる計画的付与や、休暇取得のしやすい代替体制を整備します。

船井総研の提言:改革成功の要

介護事業所の働き方改革成功の鍵は、「ICTへの先行投資」による生産性の抜本的向上です。生み出された時間の余裕を、柔軟なシフト作成や職員のES向上に再投資することで、「辞めない職場」を実現し、安定的な経営基盤を確立できます。

おすすめのビジネスレポート

執筆者 : 船井総研 介護・福祉支援部

船井総研の介護・障がい福祉業界の経営コンサルティングは、全国の成功事例を武器に「業績向上」と「社会貢献」の両立を支援する専門家集団です。稼働率アップや人財採用・定着など現場の課題を解決いたします。