【2026年度版】就労継続支援B型サービス費の仕組みと単位数まとめ|最新の報酬改定にも対応

  • 障がい福祉
公開日
更新日
執筆者松本 夏奈
コラムテーマ障がい者就労支援
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就労継続支援B型サービス費の基本構造

就労継続支援B型の報酬(給付費)は、単なる「1日いくら」という固定の報酬ではなく、「基本報酬」と「加算・減算」の組み合わせで決まります。通常の事業所に雇用されることが困難な障がい者に対し、生産活動の機会提供や就労に必要な訓練を行うための仕組みであり、2026年度も以下の体系が基本となっています。

 

基本報酬の区分

現在の基本報酬は、主に職員の人員配置(6:1、7.5:1、10:1)事業所の定員数、および前年度の平均工賃月額などの要素によって決定されます。特に、利用者の就労や生産活動への参加を評価する体系を含め、以下の区分に基づき算定されます。

 

「平均工賃月額」に応じた報酬体系

前年度に支払った工賃の実績に応じて評価される体系です。従業員の配置基準

(6:1、7.5:1、10:1)により、サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)に分かれます。

 

【改定前(見直し前)の算出方法】

改定前は、以下の手順とルールで算出されていました。

  1. 前年度における各月の「工賃支払対象者の総数」を算出する。
  2. 前年度に支払った「工賃総額」を算出する。
  3. 「工賃総額」を「工賃支払対象者の総数」で割り、1人当たりの平均工賃月額を算出する。 ※ただし、障害基礎年金1級受給者が半数以上いる事業所の場合は、上記で算出した平均工賃月額に2千円を加えた額を報酬算定時の平均工賃月額とするという特例措置がありました。

 

【改定後(見直し後)の算出方法】

以下の計算式で算出します。

年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数)÷ 12月

この新しい算定式は、障がい特性などにより利用日数が少ない方を多く受け入れる場合があることを踏まえ、「平均利用者数(年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数)」を用いる方式として導入されました。また、この新算定式の導入に伴い、旧方式にあった「除外要件」は廃止されています。

 

●就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)
従業員配置 6:1 以上
利用定員/
平均工賃月額
4万5000円 以上 3万5000円〜 4万5000円未満 3万円〜 3万5000円未満 2万5000円〜 3万円未満 2万円〜 2万5000円未満 1万5000円〜 2万円未満 1万円〜 1万5000円未満 1万円 未満
20人以下 837単位 805単位 758単位 738単位 726単位 703単位 673単位 590単位
21人以上40人以下 746単位 717単位 676単位 660単位 637単位 624単位 600単位 526単位
41人以上60人以下 700単位 674単位 636単位 620単位 600単位 586単位 563単位 494単位
61人以上80人以下 688単位 662単位 625単位 609単位 589単位 575単位 553単位 485単位
81人以上 666単位 640単位 605単位 590単位 570単位 557単位 535単位 468単位

改定後

※令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所については、従前の報酬区分を適用

利用定員/
平均工賃
4万8千円以上 4万5千円~4万8千円 3万8千円~4万5千円 3万5千円~3万8千円 3万3千円~3万5千円 3万円~3万3千円 2万8千円~3万円 2万5千円~2万8千円 2万3千円~2万5千円 2万円~2万3千円 1万8千円~2万円 1万5千円~1万8千円 1万円~1万5千円 1万円未満
20人以下 837単位 812単位 805単位 781単位 758単位 738単位 738単位 726単位 726単位 705単位 703単位 682単位 673単位 590単位
21人~40人 746単位 724単位 717単位 669単位 676単位 660単位 660単位 641単位 641単位 637単位 624単位 606単位 600単位 526単位
41人~60人 700単位 679単位 674単位 654単位 636単位 620単位 620単位 602単位 602単位 600単位 586単位 569単位 563単位 494単位
61人~80人 688単位 668単位 662単位 643単位 625単位 609単位 609単位 591単位 591単位 589単位 575単位 558単位 553単位 485単位
81人以上 666単位 647単位 640単位 621単位 605単位 590単位 590単位 573単位 573単位 570単位 557単位 541単位 535単位 468単位

●就労継続支援B型サービス費(Ⅱ)

従業員配置 7.5:1 以上

利用定員/
平均工賃月額
4万5000円 以上 3万5000円〜 4万5000円未満 3万円〜 3万5000円未満 2万5000円〜 3万円未満 2万円〜 2万5000円未満 1万5000円〜 2万円未満 1万円〜 1万5000円未満 1万円 未満
20人以下 748単位 716単位 669単位 649単位 637単位 614単位 584単位 537単位
21人以上40人以下 666単位 637単位 596単位 580単位 557単位 544単位 520単位 478単位
41人以上60人以下 625単位 599単位 561単位 545単位 525単位 511単位 488単位 449単位
61人以上80人以下 614単位 588単位 551単位 535単位 515単位 501単位 479単位 440単位
81人以上 594単位 568単位 533単位 518単位 498単位 485単位 463単位 425単位

改定後

※令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所については、従前の報酬区分を適用

利用定員/
平均工賃
4万8千円以上 4万5千円~4万8千円 3万8千円~4万5千円 3万5千円~3万8千円 3万3千円~3万5千円 3万円~3万3千円 2万8千円~3万円 2万5千円~2万8千円 2万3千円~2万5千円 2万円~2万3千円 1万8千円~2万円 1万5千円~1万8千円 1万円~1万5千円 1万円未満
20人以下 748単位 726単位 716単位 695単位 669単位 649単位 649単位 637単位 637単位 618単位 614単位 596単位 584単位 537単位
21人~40人 666単位 647単位 637単位 618単位 596単位 580単位 580単位 563単位 563単位 557単位 544単位 528単位 520単位 478単位
41人~60人 625単位 607単位 599単位 582単位 561単位 545単位 545単位 529単位 529単位 525単位 511単位 496単位 488単位 449単位
61人~80人 614単位 596単位 588単位 571単位 551単位 535単位 535単位 519単位 519単位 515単位 501単位 486単位 479単位 440単位
81人以上 594単位 577単位 568単位 551単位 533単位 518単位 518単位 503単位 503単位 498単位 485単位 471単位 463単位 425単位

●就労継続支援B型サービス費(Ⅲ)

従業員配置 10:1 以上

利用定員/
平均工賃月額
4万5000円 以上 3万5000円〜 4万5000円未満 3万円〜 3万5000円未満 2万5000円〜 3万円未満 2万円〜 2万5000円未満 1万5000円〜 2万円未満 1万円〜 1万5000円未満 1万円 未満
20人以下 682単位 653単位 611単位 594単位 572単位 557単位 532単位 490単位
21人以上40人以下 609単位 584単位 547単位 532単位 511単位 497単位 475単位 438単位
41人以上60人以下 564単位 541単位 508単位 493単位 474単位 461単位 441単位 405単位
61人以上80人以下 554単位 530単位 498単位 483単位 465単位 452単位 432単位 397単位
81人以上 535単位 512単位 480単位 467単位 449単位 437単位 417単位 384単位

改定後

※令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所については、従前の報酬区分を適用

利用定員/
平均工賃
4万8千円以上 4万5千円~4万8千円 3万8千円~4万5千円 3万5千円~3万8千円 3万3千円~3万5千円 3万円~3万3千円 2万8千円~3万円 2万5千円~2万8千円 2万3千円~2万5千円 2万円~2万3千円 1万8千円~2万円 1万5千円~1万8千円 1万円~1万5千円 1万円未満
20人以下 682単位 662単位 653単位 634単位 611単位 594単位 594単位 577単位 572単位 557単位 557単位 541単位 532単位 490単位
21人~40人 609単位 591単位 584単位 567単位 547単位 532単位 532単位 517単位 511単位 497単位 497単位 483単位 475単位 438単位
41人~60人 564単位 548単位 541単位 525単位 508単位 493単位 493単位 479単位 474単位 461単位 461単位 448単位 441単位 405単位
61人~80人 554単位 538単位 530単位 515単位 498単位 484単位 483単位 469単位 465単位 452単位 452単位 439単位 432単位 397単位
81人以上 535単位 519単位 512単位 497単位 480単位 467単位 467単位 453単位 449単位 437単位 437単位 424単位 417単位 384単位

★「利用者の参加等」を評価する報酬体系

工賃実績ではなく、利用者の就労や生産活動への参加実績を一律に評価する体系です。

こちらも従業員の配置基準により、サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)に分かれます。

 

●就労や生産活動等への参加等をもって一律に評価する体系(サービス費 Ⅳ〜Ⅵ)

区分 20人以下 21人以上 40人以下 41人以上 60人以下 61人以上 80人以下 81人以上 備考
サービス費(Ⅳ) 584単位 519単位 488単位 479単位 462単位 従業員配置 6:1 以上
サービス費(Ⅴ) 530単位 471単位 443単位 434単位 419単位 従業員配置 7.5:1 以上
サービス費(Ⅵ) 484単位 430単位 398単位 390単位 376単位 従業員配置 10:1 以上

 

② 人員配置・専門性による加算と減算

  • 福祉専門職員配置等加算: 社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師などの有資格者を一定割合以上配置した場合に算定されます。
  • 目標工賃達成指導員配置加算: 目標工賃達成指導員を配置し、工賃向上計画を作成・提出して目標工賃の達成に向けた取り組みを行う場合に算定されます。
  • 目標工賃達成達成加算: 目標工賃達成指導員配置加算を算定している事業所が、工賃向上計画に基づき、工賃が実際に向上した場合に加算されます。
  • 就労移行支援体制加算: 前年度に事業所の支援を受けた利用者が一般企業等へ就職し、6ヶ月以上継続して雇用されている場合に算定されます。
  • 送迎加算: 1回の送迎で平均10人以上(定員20人未満は50%以上)の利用者を送迎する等、条件を満たした送迎サービスを提供した場合に算定されます。
  • 欠席時対応加算: 利用者が体調不良等で急に欠席した際の連絡調整や相談援助への対応を評価します。
  • 定員超過利用減算: 事業所の定員を大幅に超えて利用者を受け入れている場合に適用されます。
  • サービス提供職員欠如減算: 指定基準で定められた「職業指導員」や「生活支援員」などの人員が不足している場合に適用されます。
  • 個別支援計画未作成減算: 利用者ごとの個別支援計画が作成されていない、または適切に更新(モニタリング等)されていない場合に適用されます。
  • 短時間利用減算: 「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系(サービス費Ⅳ〜Ⅵ)を選択している場合に適用されます。

 

③ サービスの対象となる方

就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される者。具体的には次のような例が挙げられます。

① 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者

② 50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者

③ ①及び②のいずれにも該当しない者であって、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている本事業の利用希望者

④ 障害者支援施設に入所する者については、指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案の作成の手続を経た上で、市町村により利用の組合せの必要性が認められた者

 

報酬に関わる地域区分

地域区分は、自治体ごとの物価や賃金水準の差を報酬に反映させる調整弁です。同じ1,000単位のサービスを提供しても、地域によって売上に最大20%(1.2倍)の差が出ます。

地域区分別・1単位あたりの単価一覧表(2026年3月現在)

各区分の単価は、人件費割合(70%)に対して上乗せ率を乗じて算出されます。

区分 上乗せ率 1単位単価 代表的な該当地域
1級地 20% 11.14円 東京都23区
2級地 16% 10.91円 横浜市、大阪市、名古屋市、武蔵野市
3級地 15% 10.86円 さいたま市、千葉市、成田市、府中市
4級地 12% 10.68円 立川市、堺市、京都市、吹田市
5級地 10% 10.57円 福岡市、静岡市、広島市、仙台市
6級地 6% 10.34円 多くの県庁所在地、水戸市、高松市
7級地 3% 10.17円 地方の中核都市、山形市、長野市
その他 0% 10.00円 上記以外の町村部

 

●給付費の具体的な算出式

報酬の総額を計算する際は、以下の数式を用います。

総請求額 = (基本報酬単位+加算単位-減算単位) × 地域区分単価

例:1級地(11.14円)で1日594単位のサービスを提供した場合

490単位 × 11.14円 = 5,458 円

例:その他(10.00円)で同じサービスを提供した場合

490単位 × 10円 = 4,900円

※同一の支援内容でも、地域が異なるだけで1日あたり558円の収益差が生じます。

※金額換算の際、1円未満は切り捨てます。

 

現場・経営の実務Q&A

Q1. 「平均工賃月額」型と「利用者参加」型、どちらを選ぶべきですか?

A1. 事業所の支援方針と、現在の平均工賃実績によります。 高い工賃を支払えている事業所(目安として月額2.5万円〜3万円以上)は、「平均工賃月額」に応じた報酬体系の方が単位数が高くなる傾向にあります。一方で、重度の障がいがある方の受け入れを優先し、工賃向上よりも「居場所」や「活動への参加」に軸足を置く場合は、「利用者の参加等」を評価する報酬体系の方が収益が安定しやすくなります。年度ごとに選択が可能ですが、前年度の実績を慎重にシミュレーションする必要があります。

 

Q2. 地域区分単価は「基本報酬」以外にもかかりますか?

A2. はい。すべての加算・減算を合算した「総単位数」に対して掛け合わせます。 例えば「送迎加算」や「福祉専門職員配置等加算」なども、1級地(単価11.14円)であれば、その他地域(10.00円)に比べて実質的な収益は11%以上高くなります。そのため、地域区分が高いエリアほど、積極的に加算を取得することが経営基盤の強化に直結します。

 

Q3. 自治体の合併があった場合、地域区分はどうなる?

A3. 原則として、合併後も旧市町村の区分を一定期間継続する「経過措置」が取られることが多いです。ただし、数年かけて新しい市全体の区分に統一されるため、区分が下がる地域に事業所がある場合は収益減のリスクがあります。

 

Q4. 新しい算定式で区分が下がってしまいます。どうすればいいですか?

A4. 経過措置(激変緩和措置)として「従前の区分を適用」できるルールがあります。自治体への届出状況を確認してください。

 

Q5. 50歳以上の新規利用者は、アセスメントなしで受け入れ可能ですか?

A5. はい。50歳に達している方や障害基礎年金1級受給者は、B型の直接利用対象者です。 通常、若年層がB型を利用するには就労移行支援事業所などによるアセスメント(就労移行支援等利用期限終了後の評価)が必要ですが、50歳以上の方や1級受給者、または就労経験があり年齢・体力的に一般就労が困難と判断される方は、スムーズな受け入れが可能です。

 

Q6. 利用者負担額(1割分)は全国一律ですか?

A6. いいえ。地域区分単価を掛けた後の金額の1割が利用者負担となるため、1級地の事業所を利用する方が、1回あたりの負担額は高くなります。ただし、所得に応じた「負担上限月額」があるため、多くの世帯では月額負担の総額は変わりません。

 

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執筆者 : 松本 夏奈

大学卒業後、船井総合研究所に新卒入社。 現在は、障がい福祉業界専門コンサルタントとして、主に児童発達支援・放課後等デイサービス・就労継続支援の立ち上げや運営改善を支援。 経営者に伴走し、業績アップに貢献していくのはもちろん、 その先にいる現場スタッフと利用者の満足度と質を向上させることに注力することで、長く生き残り、持続的に成長し続ける企業の創出に尽力している。